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「守銭奴」の意味・語源は?お金に執着する人の特徴と心理背景を解説

2024.06.01

『守銭奴(しゅせんど)』という言葉は日常生活では馴染みの薄い言葉です。もし、周囲から守銭奴と言われたら、それはどのような意味なのでしょうか?言葉の意味や守銭奴と呼ばれる人の特徴と心理、さらには上手な付き合い方を紹介します。

守銭奴の意味とは?

守銭奴という言葉は、どのような意味なのでしょうか。まずは言葉の意味や語源について、正しく知識を深めておきましょう。

【基礎知識】意味・語源

貪欲でケチな人のこと

『お金への執着がとても強く、ケチな人』を守銭奴と言います。

文字通り、『銭を守りたがる人』と考えれば良いでしょう。『いついかなるときもお金を蓄えることに熱心で、決して使おうとしない』、このような特徴のある人が該当します。

字面を見ると分かりますが、この言葉は決して良い意味では使われません。誰かを指して「守銭奴だ」などと軽々しく口にしないように注意しましょう。

『ケチ』も同義として使われることがありますが、こちらはより汎用性の高い言葉です。

ケチは、せこい人や狭量な人を指す場合にも使われます。一方で守銭奴は、誰かのお金に対する態度を指すとき以外に使われることはあまりありません。

語源

守銭奴という言葉は、『守銭奴(L‘Avare)』という戯曲のタイトルにちなむとされます。これはフランスの劇作家・モリエールが書いた性格喜劇で、1668年に初演されました。

戯曲には、守銭奴の主人公が登場します。お金に並々ならぬ執着があり、お金を使うことが身を切られるよりもつらいと感じるような人物です。

何ごとに対しても「お金、お金」と言いがちな人は、この戯曲の主人公を連想させます。そのため、お金に強い執着心を見せる人をこの戯曲のタイトルに例えるようになったのです。

守銭奴の特徴をチェック

お金への執着心が並外れて強いのが守銭奴です。周囲を見回してみて、お金が全てという拝金主義的な人がいれば、その人は守銭奴と言えるかもしれません。

あるいは、我が身を振り返ったときに「お金に執着している」と感じるなら、自分も守銭奴の要素があるのです。お金に執着する人にありがちな特徴を見ていきましょう。

お金に対してシビア

守銭奴は、いついかなるときも自分のお金が減ることが耐えられません。そのため、お金を出さなければならないシーンではシビアに振る舞います。

例えば、食事会や飲み会で「自分はあまり食べていないから」と言って割り勘を渋ったり、少額でも端数まできっちり割り勘したがったりするのは、非常によくある特徴です。

他にも、お祝い事のご祝儀を出し渋る、プレゼントをしないなども守銭奴にありがちでしょう。

守銭奴はお金が何よりも大切です。普通の人なら「ケチだと思われるかも」「失礼な人だと思われるかも」とためらう状況でも、お金第一で振る舞えます。

無料やお得情報に弱い

『自腹を切らなくて良い』というのは、拝金主義者にとっては大きな魅力です。

例えば、無料のものやサービスがあれば、迷わず手を出します。あるいは誰かがおごってくれるというときも、遠慮はしないでしょう。ここぞとばかりに、普段頼まないような高額なメニューを選びます。

守銭奴にとって、その商品やサービスが本当に必要かどうかは問題ではありません。大切なのは、自分がいくら得をしたのかということです。

守銭奴はあらゆるものを金額換算し、その差額に喜びを感じます。「本当だったら○○円なのに、タダだった」などは、特にうれしいケースでしょう。

お金をためることが喜び

お金を中心にして生きている人は、貯金が大好きです。他には代えがたい楽しみと言って良く、通帳を開いて残金を確認することに喜びを感じています。

もちろん、守銭奴でなくても、お金をためたいと考える人は少なくありません。しかし、多くの場合は使う目的があってのことだったり、それぞれのライフステージに必要だったりするからでしょう。

ところが守銭奴は、お金をためることそのものが目的です。使う予定は一切なく、ひたすらためたいと思っています。どれほど蓄財できたとしても、そのお金を寄付や人のために使うという発想は一切ありません。

損得勘定で動く

守銭奴は、損か得かを金額で判断しがちです。何か行動をするときは、金銭的なメリットがあるかどうかが非常に重要なポイントとなります。

例えば、デートでもお金が掛かるなら行かなくて良いと思いますし、恋人へのプレゼント代も出し渋ります。お金を持っている・いないに関わらず、支払う金額以上のメリットがあると思えなければ、お金を出しません。

このような人は、人間関係も損得で測ることが多いため、心を許し合える人ができにくい傾向があります。いろいろと頭の中で計算をして人に近づくため、はたから見ると付き合いにくい人にも見えるかもしれません。

あなたの周りにいる?「損得勘定」で動く人の特徴

なぜ守銭奴に?心理を紹介

誰しもお金は大切ですが、守銭奴とまで言われる人は度が過ぎている印象です。お金に執着する人にはどのような心理が働いているのでしょうか?お金へのこだわりから考察してみましょう。

何よりお金が1番

お金がこの世で1番大切、お金さえあれば良い、これはお金に執着する人が抱きがちな思考パターンです。

一般的な人は家族や友人、仕事など世の中にはお金よりも大切なものがあることを知っています。しかし、拝金主義の人は「信じられるのはお金だけ」と思っており、目に見えない絆や愛を信じられません。

誰かと会っても何かをしても、お金以外に興味を持てません。日々の生活や人生において、お金を手に入れてためることだけが喜びであり、生きがいなのです。

将来のために備えておきたい

「将来お金が必要になったときに足りないかもしれない」「老後にお金がなくて困るかもしれない」など、未来に対するネガティブな不安が強い人ほどお金に重きを置きやすいでしょう。

常に拝金主義で生きている人は、それ以外の価値観を信じられません。将来何か困ったことがあっても、解決できるのはお金だけと思っています。

このような人は、貯蓄額がいくらあっても満足できません。たとえ現在十分な財産をためていたとしても、将来足りなくなる可能性はあります。どれほど貯金しても安心ができずに、お金に強く執着してしまうのです。

過去にトラウマがある

幼少期のつらい経験がトラウマになって、その人の人格形成に大きな影響を与えることがあります。守銭奴と呼ばれるほどお金に執着する人は、幼少期にお金に関係するつらい体験をしているのかもしれません。

例えば、家庭が裕福でなく常にお金に困窮していたり、裕福な暮らしから一転して貧しい暮らしを強いられたりした場合、お金さえあればと思う場面は多かったはずです。

大人になって収入を得られるようになったとき、1円でもむだにしたくないと思うのは当然でしょう。

守銭奴と呼ばれる人は、幼少期のようなつらい思いを二度としたくないと考えて、必死にお金をため込んでしまうのです。

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