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情報の外部流出を防ぐために使われる「守秘義務契約」とはどんなルール?

2021.03.08

『守秘義務契約』とは、情報が外部へ流出することを防ぐために締結する契約です。より細かい条項を盛り込むことで、自社の重要な情報資産を強固に保護できるでしょう。守秘義務契約を交わす理由やベストなタイミング、契約内容のポイントを紹介します。

「守秘義務契約」とは

企業は、自社独自の営業・技術・個人データなどを『秘密情報』として保持しています。取引先とのやり取りにおいて、秘密情報の取り扱いに関するルールを明確にする契約が守秘義務契約です。

「秘密保持契約」「機密保持契約」との違い

『守秘義務契約』と似た意味の言葉として、『秘密保持契約』と『機密保持契約』が挙げられます。いずれも自社の秘密情報を守るための契約であり、意味に大きな違いはありません。

『Non-disclosure agreement(NDA)』は直訳すると守秘義務契約になりますが、他の二つの略語としてもよく使われています。

保護すべき自社の重要な情報を指す言葉には、秘密情報のほかに『機密情報』もあります。それぞれの意味には大きな差がないため、好みや自社での慣例などで使い分けが可能です。

契約締結のタイミング

他社との間で守秘義務契約を結ぶベストなタイミングは、『データの公開直前』です。

取引に関するやり取りがある程度進み、秘密情報の開示が必要となりそうな具体的な商談に差し掛かる前段階が、最も契約締結に適したタイミングといえます。

守秘義務契約を締結しないまま情報を開示してしまうと、取引が成立しなかった場合に秘密情報のみを相手に漏らしてしまうことになりかねません。

また、最初からスムーズな打ち合わせを進めるために、事前に守秘義務契約を締結しておくのも一つの方法です。締結に応じない企業は、取引先として信用できない相手だと判断することができるでしょう。

守秘義務契約を結ぶ理由

企業の重要なデータを守ることが、守秘義務契約を結ぶ最大の理由です。他社との不正競争を防止したり、特許申請での新規性を確保したりする意味もあります。

企業情報の漏曵防止

営業データ・技術データ・顧客リスト・個人情報など、内容を秘密にすることで企業価値を高めるデータは数多く存在します。

守秘義務契約を結ぶ最大の理由は、これらの『秘密情報が外部に漏れ出すことを防ぎ、企業価値を落とさないようにすること』です。

情報の漏洩による社会的な信用の失墜や顧客の減少など、大きな損害を被るリスクから自社を守ることを目的に、他社と守秘義務契約を交わします。

重要なデータが一度でも漏洩してしまうと、情報資産としての価値は失われ、元の状態に戻すのは用意ではありません。守秘義務契約は、企業にとって不可欠なリスクマネジメントといえます。

不正競争を防ぐ

守秘義務契約について定めたいくつかの法律の中には、『不正競争防止法』というものがあります。

自社から漏洩した情報により製品やサービスを販売した企業に、差止や損害賠償を請求できる法律です。懲役や罰金などの刑事罰も定められています。

被害を受けた企業が民事的請求を行う場合は、漏洩した情報が不正競争防止法で定められた『営業秘密』に該当しなければなりません。

営業秘密には、有用性・秘密管理性・非公知性が備わっている必要があります。このうち、秘密管理性が保たれていたことの裏付けになるのが、他社との守秘義務契約の締結です。

出典:営業秘密~営業秘密を守り活用する~ (METI/経済産業省)

特許を申請するため

守秘義務契約の締結は、自社の秘密情報に関連した特許を申請するためにも必要です。重要データが漏洩し、特許申請する発明の『新規性』が損なわれている状態では、申請しても拒絶されてしまうかもしれません。

特許法では、特許として認める発明に対し、公に知られていないことを意味する新規性を求めています。

第三者に対して機密データをオープンにし、その相手が情報を公にしてしまえば、新規性がない発明とみなされるかもしれません。

しかし、相手と守秘義務契約を交わしていれば、情報が公になっていても新規性を確保できる可能性があるのです。

出典:拒絶理由の解説 | 経済産業省 特許庁

契約の主なポイント

『契約の目的の明確化』『秘密情報の特定』『守秘義務の範囲規定』の三つが、守秘義務契約における大事なポイントです。それぞれについて詳しく解説します。

契約締結の目的

契約を取り決める際は、『開示目的』を契約書に明記することが重要です。例えば、取引先との共同プロジェクトでのみ開示したい場合は、その旨をきちんと書面に記載しておく必要があります。

通常、契約締結の目的は、契約書の冒頭に明記します。契約段階では目的が不明瞭なケースでも、開示する段階になったら目的を明らかにする必要があるでしょう。

目的を明らかにしておかなければ、取引先が目的外でそのデータを使用したとしても契約違反を指摘できません。目的を記述する際は、できるだけ具体的に示すのが理想です。

秘密情報の特定

契約内容には秘密情報を明確に特定しておくことも大事です。どのような情報を保護したいのか、できるだけ詳細に記述する必要があります。

契約書で特定した情報以外は秘密情報として扱われないため、情報漏洩が起きても相手の契約違反は指摘できません。

定義した秘密情報に関して、相手との間に認識のずれが発生しないように、開示したファイルや書類が秘密情報であることを書面などに残す作業も重要です。

相手に開示したデータごとに、秘密情報に該当するかどうかを明確にしておけば、認識の違いからトラブルに発展することもないでしょう。

守秘義務の範囲について

契約を結ぶ相手企業に対しては、秘密情報を開示する役員・従業員・関連会社などの範囲を制限するのが一般的です。

さらに、受領側の企業がその範囲に対して守秘義務を課すようにすれば、該当する役員・従業員・関連会社からの漏洩も防げます。

受領側の企業が、法令などに基づいた公的機関からの開示命令を受けた場合に、公開できる範囲などを定めておくことも重要です。

公的機関へ開示する範囲を最小限にするよう定めたり、開示命令を受けた際にデータを渡した側の企業へ事前連絡する義務を定めたりしておくことで、自社の情報を極力保護できるでしょう。

契約違反をした場合

情報を受け取った企業が契約を違反した場合は、情報開示側から損害賠償請求や差止請求を起こされるケースがあります。契約解除の可能性についても押さえておきましょう。

「損害賠償請求」や「差止請求」

情報を受け取った企業が契約違反をした場合は、開示した企業がその企業に対し、補償金を要求する『損害賠償請求』や情報利用の停止を求める『差止請求』を起こす可能性があります。

契約違反により損害を被った際の損害賠償請求や差止請求については、契約書に条項を設けて明記するのが一般的です。

実際に損害が発生したケースに応じて損害額を算出するのは困難なため、契約違反が発生した際の賠償額はあらかじめ契約書に定めておくと良いでしょう。

契約違反に関する記載が契約書にないケースでも、不正競争防止法に照らし合わせて違反が認められれば、民事訴訟を起こせる場合があります。

契約解除の可能性も

契約違反により情報を受け取った企業の信頼性が大きく損なわれるケースでは、救済措置として契約解除の手段を取ることもあります。

ただし、契約を解除すると情報を受け取った企業は守秘義務から解放されることになり、秘密情報の漏洩を守る点においては意味がありません。

したがって、守秘義務契約を違反した場合を想定した契約条項には、契約解除の規定は記載されないのが一般的です。

構成/編集部

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