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ショッピングセンターのフードコートで飲む酒はうまいのか?武蔵小杉「T」で味わった絶望からの逆転ホームラン

2021.02.13

やったぜパパ! 逆転ホームランだ!!

 韓国料理の店なんだけど、韓国焼酎のチャミスルの小ボトルがいっぱいディスプレイしてあるの。もちろん値段はわからない。だけど、もはやちょっとくらい高くてもいいや! と店の注文領域に侵入して、カウンター上のメニューを見る。チャミスル(360ml)が880円だった。

 もちろんこういう店はこれに消費税つくから千円近くいっちゃうんだけど、小ボトルならば量もそこそこあるし、アルコールのコストパフォーマンス的には、これで良しとする! という風に自分を納得させる!!

 お店の人が「ヤカンに氷と一緒に入れる飲み方ができますが?」と聞いてきたけど、チャミスルはストレートだろ~と、そうしないでもらうよう伝えると、ちゃんとショットグラスとビンのまま登場。

 ちなみにツマミニなりそうな料理もこの店には色々あって『トッポギ/450円』とか『ネギチヂミ/550円』も気になったけど、『ヤンニョムチキン/500円』に心奪われ、これを注文した。

 このヤンニョムチキンはうまかった! コチュジャンの甘辛さがしっかりまとわりついたピンポン玉大の鶏肉が5片。フードコートの料理って正直期待してはいなかったんだけど、おそらく他の店も料理のレベルはフートコートではトップクラスなのかもしれない。まぁその分お安くはないけど。

 で、ヤンニョムチキン。旨いんで、3片も喰えば焼酎小ボトルなら呑み切っちゃうだろうなぁ~と思ってはいたが、案の定その通りになった。2片残ったヤンニョムチキンを眺め、まだ昼だからあと軽く一杯だけと決め、また施設内をブラブラすることにした。ただヘタに歩き回ると、残してあるヤンニョムチキンを片づけられちゃう心配もあるんで、上着をイスにかけて「まだ喰ってる最中」アピールをして歩き回る。

 ジェラート屋がスコッチを出していた。「オッ!」と思い、注文領域に突入し小さな字のメニューを見せてもらうと、一番安いのが『ボウモア/1000円』! さすがに注文領域から即時離脱しました。

 しかし、この後。一発逆転の酒をついに発見する。天ぷら屋さんがあって、そこに『粕取り焼酎/450円~』ってのがある。価格的にもこのフードコートでは抜群に安いし、そもそもなんなんだ粕取り焼酎!? 呑んだことないぞ? と好奇心で頼んでみる。すると、これが最高にうまかった!!

『繁枡』って銘なんだけど、後で調べたら、日本酒を作った時にできる酒粕に麹を入れて再発酵させてから蒸留してできる焼酎らしい。

 特に飲み方は指定しなかったらロックで出てきたんだけど、鼻に抜ける揮発感と同時に米の甘みが馥郁と広がる。オレが一番好きなタイプの食後酒にもいい感じの酒ですよ。ちなみに価格は500円。

 そうとうに感動しつつ呑んでると、絶対にこの味と似たような酒を前に呑んだことがある気がしてきた。必死に記憶を反芻してやっと思い出した。イタリアのグラッパだ! アレに似てる。で、似てることに気付いてから大分たって、これまた気付いたんだけど、グラッパもブトウの滓取りブランデーじゃん! 粕取り焼酎に滓取りブランデー。原材量自体は違うのに、その原材料を二時利用するって的製法が似てるだけで、味わいも似ちゃうんだね。こういう面白い発見に、「ここに入って失敗したんじゃ…」という当初のガックリ感は飛んでしまいました。

 回りを見渡すと、昼から酒を呑んでる客は全然いないし、夜になっても、呑み目的の客は少ないかもしれない。

 でも気軽に呑めるような日本になったら、この粕取り焼酎を呑む為だけに来たいっすよ。ロックじゃなくてストレートでも呑んでみたいし。そんな日常が1日でも早くくることを願いつつ、粕取り焼酎を通販で買おうが今悩んでおります。

文/カーツさとう

コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。

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