立ち込める絶望の予感
ブラブラといろんな店を一通り眺めて回った率直な感想はひとつ。
「酒の値段がわからないッ!!」
焼鳥だ、イタリアンだ、タイ料理だ、インド料理だ、といったそれぞれの店にカウンターの上の方にはでっかくメニューが表示されてて、中にはモニターでメニュー映像を流しているところもあるんだけど、ささっと見た限りじゃ、お酒の値段がまったく確認できない!
料理の値段はでっかく書いてあるんで判るんだけど、酒の細かい価格は、どこにはド~ンと表示されてない! 店によってはビールのボトルがこれ見よがしにディスプレイしてあるのに、肝心の価格がディスプレイされてない!
もちろんカウンターに行って、そこに置いてある細かいメニューを見せてもらえばわかるんだろうけど、カウンターまで行くってことは、もうその店の注文領土に侵入するってことじゃん? そこまで侵入しておいて、価格だけ見て、もし高かったりして「辞めるわ」って帰るのもカッコ悪いじゃん、いい年こいてさ。
でもさっきのブラブラ観察は本当にチャラッと観察しただけだ。店の注文領土への侵入はギリギリしない範囲でも、じっくりとディスプレイしているメニューを見れば、どこかに酒の価格が書いてあるはずだ! と今度はじっくりと店内を一周してみる。
タイ料理屋に“タイボール”という酒があった。メコンウイスキーのハイボールのようだ。あ~ちょっと呑みたいなぁ~と思って、よ~く店回りを観察してみると、あった! 価格が書いてあった。
『タイボール・600円』
高すぎるだろバカヤロ~!! 洒落たバーじゃないんだから、ハイボールに600円は出せないよ。
焼鳥屋は日本酒を出してるようだ。かなり近づくと日本酒の価格がわかった。一番安いヤツで、これまた600円くらいした。
イタリアンみたいな店とか、ステーキ屋みたいなにはワインもあるけど、やっぱり最低でもグラス600円はするようだった。
この時点で確実に気づきました。ここ、高いわ!!
そして“お酒は呑める”けど、わざわざ“呑みに行く場所じゃあないッ”! たまたまここで食事した時に、呑もうと思えば、“酒を呑むこともできる”ってタイプの場所だったわ。
唯一、オレの選択肢には入ってないビールに関しては、インド料理屋での生500円っていうのが、見た中では一番安かったと思う。
まぁビールはともかく、全体的にはオレの求めてるベクトルとはずいぶん違うタイプの施設だってことですよ。それでも、そんな中で一番“呑める酒”を出してる店を頑張って探してみる。
するとあったあった!