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「仕事の前に握る」「資料作成は15分」限られた時間で成果を出す外資系コンサルの仕事術

2021.02.14PR

外資系のコンサルティング業を行う人々は、常にクライアントからの評価が重要となる。そのため、仕事の進め方についても一流のものを求められる。

そこで今回は、かつて外資系コンサルティングファームに勤めて業績を上げた後に起業し、現在は若手ビジネスパーソンの教育事業を行う株式会社Ex-Work代表の馬渕太一さんに、外資系コンサル流の仕事の進め方や資料作成術を教えてもらった。

外資系コンサルの仕事とは

外資系コンサルの仕事の進め方を知る前に、まずは外資系コンサルの仕事の基本を知っておこう。

【取材協力】

馬渕太一さん
株式会社Ex-Work代表。京都大学卒。三井物産にて貿易ビジネスに従事後、外資戦略コンサルファーム A.T. Kearneyにて、大手企業の経営戦略立案や自社の採用活動に携わる。現在は起業し、若手ビジネスパーソン向けに人材・教育事業を展開。
https://exwork.jp/corp

「外資系コンサルは、企業の経営課題を解決することが仕事です。大企業が主なクライアントになります。クライアントの経営課題に対して、原因を突き止め、それに対する解決策を考えます。最近では『絵に描いた餅』にならないよう、実行まで伴走することも増えています。コンサルティングファームの仕事はプロジェクト単位で行われます。基本的にプロジェクトが始まるたびに新たなチームが編成されます。プロジェクトの期間は短ければ平均2~3ヶ月くらいですが、長いものだと一年以上に渡るものもあります」

外資系コンサルの基本的な仕事の進め方~仕事の前に「握る」

外資系コンサルは、どのように仕事を進めるのだろうか。

「まずはチームのマネージャーが主体となり、プロジェクトの設計図を作ります。ゴールから逆算して、すべき仕事を列挙して、スケジュールに落とし込みます。それから、その仕事がチームメンバーに割り振られます。チームメンバーは、随時クライアントやマネージャーと相談しながら、担当範囲の仕事を実行していきます。

年次が浅いジュニアメンバーであれば、『いつまでにこの分野の調査をこうやってやる』と、細かいタスク単位まで分解された状態で仕事が与えられます。

しかし、年次が上がるにつれ、抽象的な塊(かたまり)で仕事が割り振られるようになるので、自分でタスクを設計する必要があります」

ここまでは、一般的な仕事と同様だが、外資系コンサルならではの仕事の進め方があるという。

「コンサルタントは仕事を進める際に『握る』ことを心がけます。握るとは、仕事の成果物のイメージやスケジュールについて上司と事前に合意形成を図ることです。

この握ることができていないと、仕事の成果物を提出したときに、上司が求めていたものと違っていたとなってしまう可能性があります。そうなるとやり直しが必要となり、無駄な手戻りが発生します。それを避けるために、事前にできるだけ具体的に上司と成果物のイメージを擦り合わせておきます。よく、相談は仕事の途中でするものと考えている方が多いですが、相談に時間をかけるべきなのは具体的に仕事に取り掛かる『前』です」

仕事に取りかかる「前」に「握る」ことは、どの職種でも重要といえそうだ。ぜひ取り入れてみたい。

外資系コンサル流の資料作成術~15分で作れて当たり前

ところで、外資系コンサルにとっての納品物は「資料」であるという。

「コンサルの仕事の納品物は通常、パワーポイントで作ります。多いときですと、一日で10~20枚くらいのパワーポイントの資料を作ることもあります。その過程で、事業計画や売上・コストシミュレーションをするためにエクセルで複雑な計算をすることも多々あります」

外資系コンサルの資料作成では、特に「スピード」が求められるという。

「外資系コンサルはスピードが命です。特に、エクセルやパワポの作業を大量に行うジュニアメンバーは、PC操作の速度が労働時間の長さに直接効いてきます。PCの操作スピードが上がればその分、早く帰れるということです。仕事がハードなことで有名なコンサルでは、それが死活問題となります。

コンサルで求められるようなレベルの資料を、特に訓練の受けていない方が作ると一枚あたり1時間以上はかかると思います。何をつくるか決めた後は、『15分で一枚作れて一人前』といわれていました。この仕事は資料を作る前に『考えること』がメインの仕事であり、資料作成自体は作業に過ぎないので、速ければ速いほど良いとされています。

私も、コンサルに入社前は試行錯誤しながら2~3時間かけて作ったりもしていたのですが、コンサルに入社してからは、大抵は15分以内で作れるようになりました」

パワーポイント資料作成のスピードアップの秘訣

2~3時間かかる資料を15分で作成できるようになった馬渕さんは、どのような方法でスピードアップを実現したのだろうか。

「パワポ資料作成が速くなったポイントは主に二つあります。一つ目は『型の引き出しを作ること』、二つ目は『ショートカットを使いこなすこと』です」

1.型の引き出しを作る

「ビジネスで使うパワポ資料は、定番の型がある程度決まっています。その型の引き出しを日々、増やしていくことにより、一から考える必要がなくなるので作成が速くなります」

2.ショートカットを使いこなす

「よく使うキーはショートカットに登録する、頻繁に使う単語は辞書登録するなど、できる限りの工夫を行います。過去には、先輩から『上司にマウスを裏返されたことがある』という話も聞きました。マウスを使わずにすべてショートカットで作業をしろということです。

またキーボードのF1キーのキー自体を抜いている人もいました。F1キーはショートカットに使わないため、誤操作の元になるので取ってしまおうということです。それくらい、コンサルではPCの速度にこだわります。私も無意識レベルでよく使う機能をショートカットで呼び出せるようになったことにより、作業スピードが倍速になりました」

外資系コンサル流の仕事術を紹介してきた。仕事の前に「握る」のも、資料作成のスピードアップもどちらも基本的なことであるが、なかなかすぐにはできないものだ。

ぜひこれらの仕事術をヒントにして、スキルを高めていこう。

取材・文/石原亜香利

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株式会社クロスリバー 代表取締役社長 アグリゲーター
株式会社キャスター Caster Anywhere 事業責任者

国内通信会社および外資系通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。のちに日本マイクロソフトに転籍し業務執行役員としてPowerPointを含むOfficeビジネスの責任者などを歴任。2017年、働き方改革のコンサルティング会社であるクロスリバーを設立。以来、ITをフル活用してメンバー全員が週休3 日を4 年以上継続。のべ623社に対して働き方改革を支援したほか、PowerPoint 資料作成講座を約1.8万人に提供。メディア出演や講演・講座は年間400件以上。著書は『謝罪の極意』(小学館)をはじめ累計13冊。

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構成/編集部

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