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「GMS」という略語をご存知だろうか。専門用語として使われることが多いため、あまり耳馴染みのない方も少なくないかもしれない。しかしこの言葉、実は私たちにとって身近な”スマホ・タブレット”や”日々の買い物”と大きく関わっている。
そこで本記事では、身近でありながら意外と知らないGMSの意味や定義について詳しく解説する。
IT用語のGMSとは
まず、スマホやタブレットに関連する「GMS」と、関わりの深い「AOSP」について理解を深めておこう。
Googleが提供するサービスのこと
「GMS(Google Mobile Services)」は、Androidデバイス向けにGoogle社が提供する一連のアプリケーションとAPIのこと。これには「Google Playストア」「Google検索」「Googleマップ」などの基本的なサービスが含まれている。
GMSは、デバイスの機能を豊かにし、ユーザー体験を向上させることが目的だ。しかし、GMSの利用にはGoogleとの契約が必要で、特定の基準を満たしたデバイスにのみサービスが提供される。
GMSに関わりの深いAOSPとは?
GMSについて理解するためには、前提としてスマホやパソコンの仕組みについて理解しておく必要がある。ここではスマホを例に挙げてみよう。
スマホの文字入力や通話のような基本動作をするためには、スマホにOS(オペレーションシステム)がインストールされていなければならない。OSがインストールされていないと、電源を入れてもスマホの画面は真っ暗で、何も操作できない状態になってしまう。
主要なOSはAppleの「iOS」とGoogleの「Android」の2つ。iOSはApple社の端末にしか提供されていないため、それ以外のメーカーの端末はAndroidを採用している。世界的に見ると、Androidは6~8割と高いシェアを誇るが、これはAndroidの基礎部分である「AOSP(Android Open Source Project)」が無償で利用できる点が大きい。
ただし、AOSPに含まれているのは「メール」「通話」のような最低限の機能のみ。ここがGMSに関係する重要なポイントだ。
GMSを搭載するメリットは?
GMSは、AOSPとは違いGoogleが有料で提供するシステム。他のアプリをダウンロードするために必要な「Google Play」やインターネットブラウザ「Google chrome」、YouTubeやGoogle Mapなどのアプリやインターフェイスが含まれている。
つまり、AOSPに加えて有償のGMSを搭載することで初めて、一般的なスマホとしての機能を備える。そのため、多くのメーカーはGoogleとライセンス契約を行い、自社のスマホをGMS対応にして、Googleのアプリを搭載した状態でユーザーに販売する。
HMSとはどう違う?
一方で、中には無料のAOSPだけを利用し、GMSの代わりとなるシステムを搭載する形を取っているメーカーもある。中国のファーウェイ社が提供しているスマホが代表的だ。AOSPをベースとしながら、その他は「HMS(Huawei Mobile Services)」という独自のシステムを採用している。
基本的な使い方はAndroid端末と同じだが、YouTubeやGmailがブラウザ経由でしか利用できないなど異なる点もいくつかあるため、購入時には注意が必要だ。
マーケティング、流通業界で使われるGMSの意味は?
マーケティングやビジネス用語で使われるGMSは、「ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア(General merchandise store)」の略だ。意味を詳しく見ていこう。