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仕事でよく使われる「リスクマネジメント」とはどんな意味?

2021.02.06

ビジネスシーンでよく耳にする「リスクマネジメント」という言葉。何となくイメージはできる言葉だが、正しく意味を理解し、実行するのはなかなか難しいものだ。

そこで本記事では、リスクマネジメントの意味や目的、企業や介護の現場における具体的な取り組みを紹介する。

そもそも「リスクマネジメント」とはどういう意味?

新型コロナウイルスなどの感染症、景気の変化、自然災害、リコール、情報漏洩、SNSでの炎上など、企業は日々さまざまな「リスク」と直面している。一言で言えば、そうしたリスクを事前に想定し、備えることがリスクマネジメントだ。

リスクマネジメントの考え方

もう少し詳しく言えば、リスクマネジメントは「想定される危機や損失などを組織的に管理し、その影響を最小限に抑えるために備えておく考えやプロセス」のこと。

ビジネスにおいて、問題が発生してから対策を考えていたら後手になり、被害がどんどん拡大してしまう。それを避けるため、「問題が発生する前に”今後起こるかもしれない事態”に対し、前もってルールを決め備えておく」、それがリスクマネジメントの考え方だ。

「ハザード」と「リスク」の違い

リスクと似た言葉に「ハザード」がある。同じ意味で捉われがちだが、実は明確に違いがある。ハザードの意味は「危険性、有害性」、一方リスクは「危険性、有害性によって生ずるおそれ」のことを指す。つまり、”危険そのもの”を指すのか、”その危険がもたらすおそれ”のことを指すかによって、ハザードとリスクは使い分けられている。

企業におけるリスクマネジメントの事例

では、企業はどのようなリスクマネジメントを行っているのだろうか。ここでは、実際に企業が取り組んでいるリスクマネジメントの実例を紹介する。

IT、通信企業のケース

IT、通信系の企業では、第三者の不正アクセスによる情報流出リスクが想定される。通信系企業の多くは、社外からの不正ユーザーの動きや悪質なデータの侵入などを記録することで、不正な通信を検知し遮断している。

また、セキュリティレベルに応じて、情報を扱う作業場所やアクセスできる従業員を限定し、入退室管理のルールを徹底することで対策を行うケースも多い。

住宅設備の製造、販売を行っている会社のケース

ある住宅設備の製造・販売を行っている会社では、自然災害に対するリスクマネジメントに力を入れている。例えば、災害備蓄の定期的な見直しや各事業所の耐震評価の実施、防災訓練や危機対応の教育により従業員の意識向上を目指している。

さらに、従業員に対する安否システムを、地震時だけでなく風水災害時の運用を検討することで、近年の異常気象による洪水や台風などにも対応できるようにしているという。

「リスクマネジメント」の認定資格

多くの企業がさまざまなリスクを抱えている中、リスクマネジメントにおける専門家の存在が求められている。「一般社団法人リスクマネジメント協会」ではいくつかリスクマネジメントに関する資格が用意されている。同協会で資格を取得するためには認定教育機関での受講が必要で、費用は10~30万円ほど。

・PRM:企業における経営、財務、人事に関連するリスクマネジメントの資格。
・HCRM:人事や労務に関連するリスクマネジメントの資格。
・FRM:中小企業の財務、経理に関連するリスクマネジメントの資格。

介護の現場で使われる「リスクマネジメント」とは?

最近では企業だけでなく、介護業界でもリスクマネジメントが重要視されるようになってきた。介護施設を利用する高齢者は、年齢による身体の変化により、日常生活の中で大きな事故に繋がることがある。

もし事故が起きた場合、当人やその家族、地域からの信頼を失うだけでなく、法的責任が発生する可能性もあるため、リスクマネジメントは介護業界においても重要な要素の一つだ。

介護施設でのよくあるリスク

介護施設の中でも特に多いのが、転倒事故。食事中、スタッフが利用者の介助をしていて気づかない間に、他の利用者が一人で立ち上がって歩こうとし転倒してしまうケースもある。ちょっとした転倒でも高齢者の場合、骨折や、寝たきりになってしまう可能性も否めない。

あらゆる原因を想定し対策する

では、転倒事故をリスクとした時、どのような対策(マネジメント)ができるだろうか。

介護の現場では、「利用者の気持ち」を第一に考えることが一つの鍵となる。「利用者はなぜ食事中に一人で立ち上がろうとしたのか?」、もしかしたら忙しそうにしているスタッフに気を遣い、何度も声を掛けるのをためらっていたのかもしれない。

もしそうだとすると、人員を見直すことが必要だ。人手は十分だったか、利用者とスタッフがきちんとコミュニケーションを取れていたかを改めて見直す必要があるだろう。

また、テーブルや椅子の高さが高齢者にとって適切かなど、利用者目線でさまざまな角度から”起こり得ること”を想定することが、未然に事故を防ぐことに繋がる。

ヒヤリハット報告

介護の現場でよく使われる言葉に「ヒヤリハット報告」というものがある。事故にはならなかったが、スタッフが「ヒヤリ」「ハッ」とした出来事を報告し、共有することだ。「もし事故が起きていたらどんな被害が発生していたか」を予測しスタッフ間で共有することで、事故防止につなげる取り組みの一つ。

介護の現場に限らず、企業、人単位でも「どのようなリスクが潜んでいるかを認識すること」はとても大切な要素。「ヒヤリハット報告」を日々の生活に取り入れ、リスクに備えておこう。

文/oki

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