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今後の企業経営における注目キーワード「MOT」とはどんな意味?

2021.03.08

経済のグローバル化や市場の成熟化が進む中で、新規事業の創出や収益の最大化を期待できるMOTの導入が、今後の企業経営におけるポイントとして重視されています。MOTの基礎知識や導入のメリット、MOT人材に求められる能力を解説します。

MOTとは?

技術経営と略される『MOT』の具体的な意味を解説します。よく比較される『MBA』との違いも理解しておきましょう。

技術を価値に結び付ける経営

『MOT(Management of Technology)』とは、技術を生かした経営を意味する言葉です。

技術が生み出す可能性を見定めて具体的な事業に結び付け、経済的な価値を創出するマネジメントのことを指します。

自社の強みとして優れた技術力を有する企業が、事業を持続的に発展させていくためには、MOTにより技術力を経営資源として効率的に活用することが重要です。

たとえ技術的に大きな成功を収めたとしても、マネジメントも両輪で機能していなければ、事業としての成功に結び付かないケースもあるでしょう。

研究開発や特許取得の分野で世界トップレベルにある日本においても、経済を活性化させる切り札として、MOT人材の育成が官民挙げて進められています。

MBAとの違い

『MOT』という言葉は、技術を価値に結び付ける経営についての、学問的な研究や教育プログラムを指すこともあります。

この意味で使われる場合、似たような意味として比較されやすい言葉が『MBA』です。

『MBA(Master of Business Administration)』とは、経営学の修士課程の修了を証明する称号です。MBAでは、経営学における全般的な知識を学びます。

MOTとMBAのどちらも、経営について学ぶという点では同じです。ただし、MOTでは技術を市場ニーズへ反映させるマーケティング手法の育成に、より重点がおかれています。

アメリカでMOTが誕生した背景には、それまで盛んに行われてきたMBA教育において、技術や研究開発を経営資源として活用できる人材を生み出しにくかったことが挙げられるのです。

MOT導入により期待できるメリット

企業がMOTを導入することで、経済的な価値の創出と持続的な発展が期待できます。具体的な効果やメリットを解説します。

新規事業の創出

海外からの企業進出が進んでいる世の中において、既存事業以外の軸を持つことは、企業にとっての大きなテーマです。

また、多くの市場が長い年月をかけて成熟期を迎えており、新規事業の創出は企業が生き残るための重要なポイントとなってくるでしょう。

MOTを導入し、企業技術を社会のニーズと結び付けられれば、新たな商品やサービスを創出できる可能性があります。

新規事業の立ち上げに合わせて、技術革新の重要性を企業全体で共有することで、未知なる成果が生み出されるケースもあるでしょう。

収益の最大化が望める

インターネットが普及したことにより、一定の売上を確保することに成功したものの、収益がなかなか伸びないという企業もあります。

消費者が商品やサービスを簡単に比較できる時代になり、コストがかかりやすい従来の販売戦略では太刀打ちできなくなっていることが、収益率を下げてしまう原因の一つです。

MOTによりマネジメント力が向上すれば、新しい販売戦略が生み出されたり、収益を最大化できたりする可能性があります。

研究・開発のマネジメント効果

MOTを導入した企業では、技術を結び付けた事業の成功だけでなく、研究や開発そのものの効率化も期待できます。

重点的に力を入れるべき技術開発を、市場ニーズを予測した上で検討することで、事業性を高められる研究や開発に対し、優先的に投資できることがメリットです。

研究や開発のマネジメントを行う際に、他社と連携したりアウトソーシングしたりすれば、自社独自の新技術を獲得できる可能性も広がるでしょう。

MOT人材に必要なこと

MOT人材には、全体最適を実現する実行力・知識を蓄え実践する力・イノベーションを起こす能力が必要です。それぞれについて詳しく解説します。

組織に縛られずに事業を促進する

これまでの経営スタイルは、個人・部署・事業のそれぞれが個々に最適な状態を目指すスタイルが主流でした。

しかし、このような部分最適型のスタイルで経営を進めるだけでは、全体の最適化にはつながりにくい可能性があります。

これからの企業には、組織間の壁をなくし、全体を俯瞰しながら広い視野で事業を推進する経営スタイルが求められています。

MOT人材に必要な能力は、企業の全体最適を実現できる、高い変革対応力やコミュニケーション能力です。さらに、事業を促進させるための管理能力や業務遂行力も求められます。

知識を蓄え実践する力

MOTでは、企業が有する技術とマネジメントを統合する能力が必要です。経営に関する総合力を問われるMBAに比べ、より実践に即した能力が求められるのです。

技術を価値あるビジネスに昇華させられるだけの力を備えるためには、相応の知識を蓄え、経営に生かす実践力がなければなりません。

自社の技術を実用化させる上で、新しく開発した技術の科学的な実証を得る必要もあるでしょう。幅広い知識に裏打ちされた客観性の確保も重要です。

イノベーションを起こす能力

MOTの導入で期待されることの一つに、新規事業の創出があります。市場ニーズを見極め、新しい価値を生み出すには、イノベーションを発生させることが不可欠です。

イノベーションを起こすには、新たな価値や技術を市場に提供する能力・市場ニーズを正確に分析する能力・実際に事業を展開する実行力を持ち合わせている人材が求められます。

リーダーシップや意思決定能力などの人間力も、イノベーションを起こしやすい能力といえるでしょう。

MOTを学びたいなら

MOTの研究や教育は、全国の大学で進められています。社会人でも通学しやすいおすすめの大学院を紹介します。

東京理科大学大学院 経営学研究科

技術の研究開発から事業化へのプロセスにおけるイノベーション能力の習得など、世界水準のマネジメントを実践的な視点から学べます。

10年程度の社会経験があるマネージャー層を学生に想定しているため、多彩なゲストを招いて討論やグループワークなどが実施されることも特徴です。

イノベーションや起業に関する内容をはじめ、最先端科学技術・経営戦略と組織行動・経済学と財務・会計・マーケティングなどに関しても学びを深められます。

東京理科大学 大学院 経営学研究科 技術経営専攻(MOT) | ビジネススクール(社会人向け大学院)

立命館大学大学院 テクノロジー・マネジメント研究科

2005年の創立以来400人以上の修了生を輩出している、関西に所在するMOT大学院です。専任教員全員に実務経験があり、講義では理論と実践の両面を体型的に学習できます。

主な学習内容は、技術経営戦略・技術ファイナンス・知的財産・マーケティング・オペレーションなどです。

平日の夜間と土曜日の講義だけで終了単位を取得できます。講義科目の必要単位は1年目だけで習得できるため、2年目を研究にあてることも可能です。

立命館大学MOT大学院 テクノロジー・マネジメント研究科 | 立命館大学

山口大学大学院 技術経営研究科

地域に根差しながら地球規模の視点で課題解決に取り組めるMOT人材を養成する研究機関です。修了生の多くは、企業経営者や技術部門のリーダーとして、地域のイノベーションを先導しています。

技術経営の基本的な考え方や専門知識を習得した上で、戦略立案・ビジネスプランニング・グループマネジメントなどの専門分野についても深掘りしていきます。

広島・福岡教室では、夏季集中講義を受講すれば、土曜日の授業のみで修士学位を取得することが可能です。

山口大学大学院技術経営研究科

構成/編集部

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