入籍後に行う手続きの中で、特に苦労するのが名義変更。名字(姓)が変わると、運転免許証やパスポート、銀行口座、保険、クレジットカードなど、各所で登録情報を変更する必要があります。また、「自分は名字が変わらないから……」と他人事になるのではなく、やるべきことを夫婦で把握しておくことが大切です。この記事では、漏れなく効率的に名義変更を行えるようポイントを解説していきます。
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結婚後に行う手続きには何がある? 名義変更する際のポイント
結婚後に名義変更が必要となるものは主に、運転免許証/マイナンバーカード/国民健康保険/銀行口座/パスポート/クレジットカード/各種保険/携帯電話やインターネット/車検証など。入籍後に自動で名前が切り替わるわけではないので、自分で変更の手続きを行いましょう。
なお、あらゆる手続きで押印が求められる可能性が高いため、事前に新しい名字の印鑑を作っておくと良いでしょう。場合によっては、新しい名字での印鑑登録も必要となります。
住所変更しない場合でも避けては通れない! 結婚後の名義変更はお早めに
結婚前から同棲しているなどの理由から、夫婦によっては結婚後も住所が変わらないこともありますが、その場合でも名義変更は必要です。「名前だけだから今度でいいや……」と後回しにせず、結婚後はすぐに名義変更の手続きができるよう準備しておきましょう。
入籍後の手続きには戸籍謄本や住民票の写しが必要となる場面が多いですが、新しいものが取得できるまで、婚姻届の提出から数日~10日ほどかかる可能性が高いです。
結婚後の名義変更はいつまでに行うべき?
入籍後の名義変更は、14日以内を目安に済ませると良いでしょう。例えばマイナンバーカードなどは、14日以内に名義変更するよう定められているからです。また、クルマを所有している場合、車検証の記載事項は15日以内に変更する必要があります。
ただし、パスポートは氏名変更前に確認が必要です。海外に行く場合、航空券の予約とパスポートの名前が一致していないと飛行機に搭乗できないため、旧姓のパスポートで出発するよう旅行会社に求められる場合があります。
必要な名義変更の手続きは結婚前に確認してリスト化しておくのがベスト
これまで述べたように、入籍後は様々な場面で名義変更が必要となり、またそれぞれ用意すべき書類も異なります。予定日や必要なものを記載したToDoリストを作成しておくと、漏れなく効率的に進められるでしょう。できれば入籍前にやるべきことを把握しておくと、慌てずに進められます。
結婚後の名義変更をスムーズに進めたい! おすすめの手続きの順番
名義変更の手続きでは戸籍謄本や住民票の写しのほかに、本人確認書類が必要となる場面が多いです。本人確認書類として便利なのが、マイナンバーカード(※通知カードや個人番号通知書とは異なります)や、運転免許証。そのため、まずはマイナンバーカードまたは運転免許証の名義変更を行うと良いでしょう。
また、1日で諸々の手続きを済ませたい場合、銀行口座の名義変更も早めに行いましょう。銀行は15時で閉まるため要注意です。
結婚後に行う名義変更:運転免許証
運転免許証は、運転免許センターや新住所地を管轄する警察署で記載事項を変更できます。手続きの際は、運転免許証/記載事項変更届(現地で入手可能)/本籍が記載された住民票の写しを用意しましょう。
結婚後に行う名義変更:銀行口座
銀行の窓口は15時に閉まるため、それまでに氏名・届出印の変更手続きを行いましょう。銀行ごとに用意すべきものは異なりますが、キャッシュカード/通帳/旧姓の届印/新姓の印鑑/本人確認書類などが必要となります。
複数の銀行口座を所有している場合、全ての口座で手続きを行いましょう。給料の振込口座や、公共料金・クレジットカードなどの引き落としに利用している口座から優先して手続きするのがおすすめです。
結婚後に銀行口座の名義変更をしないとどうなる?
銀行口座の名義を変更しておかないと、キャッシュカードを紛失したり、大きな金額を入出金する時の手続きが面倒になってしまう可能性があります。また、ローンが組めなくなることも。
会社勤めの方の場合、勤め先で氏名変更をしたらなるべく早く銀行口座の名義を変更しましょう。給料が振り込まれなくなる恐れもあります。
結婚後に行う名義変更:パスポート
パスポートは「切替申請」または「記載事項変更申請」で氏名を変更します。ただし名字が変わった場合でも、「小野(ONO)」から「大野(ONO)」になるケースなど、旅券面のローマ字表記に変更がない場合は手続きが必要ありません。
手続きに必要なものは、有効期間中のパスポート/戸籍謄本または妙本1通/6か月以内に撮影した写真です。また、受け取り時に手数料がかかります。
結婚後に行う名義変更:契約関連(クレジットカード/各種保険/通信回線等)
クレジットカードなどは、必要書類の取り寄せ→書類の記入→必要書類を添付した上で郵送、という流れで手続きを行えます。クレジットカードの中には、支払い口座とカードの名義が同一でないと利用できないものもあるため、先に銀行口座の名義変更を行っておくのがおすすめです。
結婚後に行う名義変更:15日以内に変更しないとマズイ!? 車検証の氏名変更
車検証(自動車検査証)の氏名変更は、15日以内に行うよう定められています。管轄の運輸支局や自動車検査登録事務所で手続きしましょう。必要なものは所有者と使用者が同一であるかどうかなど、条件によって異なります。
【参考】引っ越したり、結婚して姓が変わったときの手続きは?(JAF)
結婚後に行う名義変更:仕事では苗字変更しないことも可能? 勤め先での手続き
会社員の方は、勤め先への申請も行います。必要な申請は会社ごとに異なるため、まず担当部署に確認するのがおすすめ。中には旧姓のまま働ける会社もあるため、希望する方はその点も併せて確認すると良いでしょう。
入籍後はやるべきことがたくさんありますが、まず何をしたら良いか段取りをつけることで、慌てず確実に進めることができるはずです。面倒な手続きこそ効率的に行い、スムーズに新生活を始めましょう。
※データは2020年12月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※手続きの方法等は、自治体・契約会社によって異なる場合があります。
文/bommiy