相場混乱時にだけ値が上がる仕組みがリスクヘッジに最適
相場が下落するリスクに備えるには「空売り」を行なえばいいのではないか……。そう考える読者は少なくないだろう。しかし、米国株の空売りは国内だと一般的ではないし、米ドル建てでの取引になるため、為替リスクは残ったまま。そこで使いたいのが、国内で提供されているVIX指数関連の金融商品。保有する総資産の5~10%を目安に投資しておくとリスクヘッジになる。では、41ページに挙げた3つの金融商品を詳しく見てみよう。
引用元:楽天ボラティリティ・ファンド ファンド説明資料
楽天ボラティリティ・ファンドには、毎月分配型と資産成長型の2種類がある。中でも、元本の払い出しの可能性が低い資産成長型を選び、リスクヘッジしたほうがよい。
(1)国際のETF VIX短期先物指数(銘柄コード:1552)
VIX指数の先物取引を主な投資対象とした国内ETF。相場が混乱してS&P500が下落した時に価格が上がる商品設計だ。投資している米国株の価格が下落した際、このETFの利益を確定し、米国株の追加購入資金に充てることで、ポートフォリオのリバランスをスムーズに行なえる。為替ヘッジがなく、円高による価格下落の影響を受ける。
引用元:国際のETF VIX短期先物指数 ファンド詳細ページ/三菱UFJ国際投信(http://am.mufg.jp/fund/160001.html)
(2)楽天ボラティリティ・ファンド(愛称:楽天ボルティ)
楽天が展開する投資信託。相場の状況に応じてVIX指数の先物取引の「売り」と「買い」を持ち替えることで、相場下落時には米国株のリスクヘッジとして機能し、平常時にも収益を獲得できるように工夫されている。円高による価格下落影響がなく、VIX指数を使ったリスクヘッジの入門商品としておすすめ。購入可能な金融機関は、楽天証券、auカブコム証券、SBI証券など。
引用元:楽天ボラティリティ・ファンド ファンド説明資料/楽天投信投資顧問(http://rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivlt/)
(3)VIX指数のCFD取引/GMOクリック証券
CFD取引とは、取引の開始から終了までの間の価格差を受け払いすること。証拠金を預けることで保有資産以上の金額の取引ができる。VIX指数をCFDの取引対象としているのがGMOクリック証券で、VIX指数の値動きに対しての投資が可能だ。なお、同社での銘柄名は「米国VI」。証拠金取引のため、価格が大きく動くと「ロスカット」になるリスクがあり、中級者以上向けといえる。ただし、相場混乱前にVIX指数の「買い」を入れておけば、混乱時のリスクヘッジに活用できる。初心者がリスクヘッジに使う場合は、取引の仕組みを理解したうえで、証拠金維持率を高めに設定しておきたい。
引用元:CFD取引ページ/GMOクリック証券(http://click-sec.com/corp/guide/cfd/)
VIX活用のまとめ
市場平常時が続くと予測できる場合にはVIX指数への投資を避けてもよい
市場の平常時が続くほどVIX指数への投資は価値が下がるため、相場が安定している局面、VIX指数が15未満のような局面であえて投資する必要性は低い。一方、VIX指数は急激に大きくなり、その後、なだらかに下落していくような値動きをすることも。そのため、VIX指数が急激に上昇した後に投資を行なうと、損するだけで何も得られない。VIX指数の利用は計画的に行ないたい。
VIX指数の値動きと米国株式を比較してみると、定期的に値が急騰していることは一目瞭然。30以上の値を長期間維持することはまれであることがわかる。
引用元:楽天ボラティリティ・ファンド ファンド説明資料
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取材・文/編集部