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マーケティング業界や不動産業界で使われる言葉「LTV」ってどういう意味?

2021.01.16

「LTV」と言う言葉を耳にしたことはあるだろうか?これは「顧客生涯価値」を意味し、マーケティングにおいて重要な指針の一つと言われている。特に近年、Web上ではSaaSビジネスやサブスク型ビジネスが拡大傾向にあり、そのことからLTVに対する注目度も上昇しているようだ。

本記事では、LTVの意味や計算方法、LTVを向上させるためのマーケティング戦略について紹介した上で、最後に別の意味で使われるもう一つのLTVについても解説したい。

LTVとは?意味をわかりやすく解説

LTVは、「Life Time Value(ライフ・タイム・バリュー)」の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳される。簡単に言うと、「一顧客が一生の間に、その企業に対してどれだけの利益をもたらすか」ということ。

基本的に、LTVの数値が高ければ高いほど、顧客が企業に対して愛着や信頼を持っていると言える。LTVは、新規顧客を獲得する際はもちろん、既存の顧客のシェアを維持、拡大するために大切な指標の一つだ。

LTV分析の重要性

さまざまなデータ分析に活用できるが、その中でもLTVが用いられる大きな目的の一つが「新規顧客を獲得するまでにかけられる、広告宣伝費や営業費などのコストを算出する」こと。マーケティングにおいて「費用対効果」はスルーできない課題。当然のことだが、売上よりもこの新規顧客の獲得コストが大きくなってしまうと、企業にとってマイナスになる。

日本では今、国内市場の飽和状態や少子高齢化に伴う人口減少によって、新規顧客を確保するのが以前よりも難しくなっている。特に新規顧客の獲得コストは、顧客維持費用に比べて5倍以上かかるとも言われており、新規顧客獲得の難しさを物語っている。どの市場においてもLTV分析を行い、新規顧客の開拓を効率的に行うことが重要だ。

LTVの計算方法

LTVの代表的な計算方法は3つ。一般的に、この中から自社のデータをあてはめやすい計算式で算出する。

1.「LTV=1顧客の年間取引額×収益率×1顧客の継続年数」

本来はこの数式のように、顧客一人ひとりのLTVを算出するのが理想的。しかし、多くの顧客を抱える企業では、個別のLTVをすべて算出するのは難しいのが実情だ。

2.「LTV=全顧客の平均購入単価×平均購入回数」

3.「LTV=(売上高-売上原価)÷購入者数」

これら2つは、顧客全体のLTVの平均値を出す計算式。LTVを算出する際は、このように概算を出すのが一般的だ。

LTVと関わりの深いCACとは?

LTVと並んで使われることの多いCACは、「Customer Acquisition Cost(カスタマー・アクイジション・コスト)」の略で、日本語では「顧客獲得単価」と訳される。

CACは広告宣伝費や営業費用など新規顧客獲得にかかった費用を、獲得した新規顧客の数で割ることで算出できる。「CAC=顧客獲得コスト÷顧客数」という計算式だ。例えば、顧客獲得コストに100万円を費やして100人の顧客を獲得した場合、CACは1になる。

一般的に利益を創出し、事業を拡大させていくためには「LTV/CACが3以上になること」が基準とされている。このようにLTV/CACが1の状態を続けると、売れば売るほど赤字になってしまう。この場合、理想的なLVTを算出するためには、顧客獲得コストに100万円を費やして300人以上の顧客を獲得することが必要。

事業で成功するためには、CACをなるべく小さくすること、そしてLTVを大きく維持することが重要だと言える。

LTVを向上させるためのマーケティング戦略

LTVを高めるためには、「購入単価を高めること」「継続率を高めること」「購入頻度を上げること」が大切。先述したLTV計算式(LTV=1顧客の年間取引額×収益率×1顧客の継続年数)の、いずれかの項目を高めることがLTV向上施策になる。新規顧客や既存顧客、それぞれの相手に合わせた最適なアプローチがLTVの向上に繋がるだろう。

購入単価を高めるためには、関連商品を一緒に購入できる仕組みを作ったり、セット売りを活用したりすることが効果的。顧客単価は、ラッピングやメッセージカードなどの付加サービスにより高められる。

継続率を高めるためには、誕生日にバースデークーポンを送付するなど、顧客に長期的に利用してもらえる工夫も必要だ。

購入頻度を上げるためには、アフターフォローも重要。ちょうど商品がなくなるタイミングで、リマインドメールやメルマガでのアプローチをすることで、他者への乗り換えを防ぐことができる。適切な頻度で顧客との接点が増えると、顧客から親しみを感じてもらいやすくなり、顧客ロイヤリティの向上に繋がりやすい。

まだある!LTVの意味

一般的に「LTV」は、ここまで紹介してきたように「顧客生涯価値」の意味で用いられることが多い。しかし、「LTV」にはもう一つ別の意味がある。それが不動産業界で使われるLoan to Valueだ。

不動産業界では「不動産価格に対する借入金の割合」という意味

不動産業界におけるLTVは「Loan to Value(ローン・トゥー・バリュー)」 の略で、日本語で「総資産有利子債比率」と訳される。不動産への投資において用いられる言葉で、所有している物件の資産価値に対する負債の割合を示す。

具体的な数値は「負債額÷総資産価値」という計算式で求められ、多くの投資家はこの数値を意思決定する際の基準の一つとしている。一般的に、不動産投資におけるLTV値は80%以下が理想的と言われている。

文/oki

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