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ペットの感情や異変を感知するアイテムやペットロボットが続々登場!人と動物をつなぐ「ペットテック」最前線

2021.01.20

2020年4月に発足した一般社団法人LIVING TECH協会。「人々の暮らしを、テクノロジーで豊かにする。」の実現を目指して住宅関連事業者やメーカー、流通・小売りに携わる企業が集い、ユーザーに心地良いスマートホームを段階的に進めていこうとしています。

2020年10月29日にはカンファレンス「LIVING TECH Conference 2020」を開催。全13セッションの中から、セッション8の内容を2回にわたって紹介します。

左から、林要さん(GROOVE X株式会社 代表取締役)/中村剛さん(東京電力エナジーパートナー株式会社 販売本部 お客さま営業部 プロモーション・リサーチグループ 副部長 リビング・デジタルメディア担当)/山入端佳那さん(株式会社ラングレス 代表取締役CEO)/伊豫愉芸子さん(株式会社RABO President & CEO)/青木俊介さん(ユカイ工学株式会社 代表)


※Session 8 前編※ ペットテック最前線!愛すべき存在をITで守るアイテムからロボットペットの最新情報まで

QOLの向上&well being

中村(モデレーター):セッション8では「ペットテック最前線!愛すべき存在をITで守るアイテムからペットロボットの最新情報まで」をお話ししていきます。コロナ禍により、我々の生活はすごく変わりました。その中で、ペットに対する関わり方も増えてきている状況だと思います。

今回、一つは実際に飼っている犬などのペットとの関わりをより大切にしていくようなもの。もう一つは、いわゆるペットロボット。癒しというか、ペットの姿のようなロボットを使って暮らしを豊かにしていく。その二つをテーマとして、話をしていきたいと思います。

最初のテーマは、「QOL(※1)の向上&well-being(※2)」について。やはり今年はなんと言っても新型コロナの影響で、実家に帰りづらくなったり、家にずっといなきゃいけなかったりと、何かとストレスが溜まると思うんですね。

1 QOLQuality Of Lifeの略。「生活の質」と訳され、人生の満足度を示す指標の一つとされている。

2 well-being(ウェルビーイング):直訳すると「健康」や「幸福」。今日では「精神面・身体面での良好性」などの意味合いで用いられる。

今のこの時代において「何が受け入れられているのか」を、カスタマー目線でお話いただければと思います。まず、山入端さんよろしくお願いします。

山入端:はい。well-being、すごく難しいテーマだなと思うんですけども、やっぱり新型コロナウイルスで新しい環境になって、みんな恐怖を感じましたよね。

私自身、緊急事態宣言から3週間くらいで、なぜかポロっと涙が出たんですけども(笑)、やっぱり「この先どうなるかわかんない」という不安がありました。それが、ワンちゃんにもすごく伝わるんです。すごく敏感な生き物なので「どうして飼い主さんずっと家にいるのかな」とか、「なんかいつもテレビ見て深刻そうな顔をしているな」とか。そういうストレスをすごく敏感に感じた結果だと思うんですが、動物病院にも謎の体調不良でたくさんワンちゃんが駆け込んでいたらしいんです。

ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても未知の領域で、身体の調子を崩してしまった。新しい悩みが出てきてはじめて、「気持ちを分かりたい」とINUPATHY(※3)を購入いただいた事例もありました。

3 INUPATHY(イヌパシー):山入端佳那さんが代表取締役CEOを務める株式会社ラングレスが開発した、心拍の情報から飼い犬の状態を可視化する技術が搭載されたハーネス型のデバイス。公式サイト

中村:そうですよね。今まで、仕事があって外に行かなきゃいけないから一人で留守番するワンちゃん猫ちゃんがいっぱいいたのに、今は飼い主が家にいる。それこそがまた変化にもなりますしね。

山入端:「ずっと一緒にいてあげられるから嬉しいでしょ」と思っている飼い主さんはいるけど、実は彼らのパーソナル時間、つまり”自分だけの時間は無くなっているので......。まぁ、嬉しいかな、悲しいかなですよね(笑)。

中村:そうですよね。プライバシーも必要なんですよね、犬にも猫にも。

山入端:そうなんですよね。ワンちゃんとかもね。

中村:伊豫さんは、いかがですか?

伊豫:そうですね、私たち猫様飼われ主からとってのQOLwell-beingという観点では、とにかく「猫様の幸せが私たちの幸せ」と考えています。人間は置いておいて、猫様がとにかく幸せに一秒でも長く一緒にいてくれるような、そういう世界を目指してプロダクトを作っているんですが、コロナで、一時的に「外出がこの世の中から無くなる」という未曽有の事態になって。

私たちが作っているCatlog(※4)は「留守中の猫様の活動を見守る」というところをメインコンセプトにしていたんですが、飼い主さんたちが外出しなくなったことで需要が無くなるのかなと思ったんです。

4 Catlog(キャトログ):伊豫愉芸子さんがPresident & CEOを務める株式会社RABOで開発した、猫の行動を24時間365日見守れる首輪型のデバイス。公式サイト

ところが、まったくそんなことはなかったんです。これは、ずっと猫様のそばにいることで、「より大切な家族」という気持ちが芽生えたからだと考えています。世の中が少しずつ戻ってきてウィズコロナの時代になっているので、外出する時には今まで以上に、コロナ以前に比べるとさらに猫様のことを気にするようになった方がとても多いです。

もう一つ特徴的なのは、実家にいらっしゃる猫様にCatlogをプレゼントして、実家の猫様を遠隔で見守る方も増えてきています。

一緒に暮らしている家族だからこそ、かなり人間の生活に影響を受けるので。弊社のCatlogではタイムライン形式で猫様の行動が見えるんですが、人間がいるとより活動量が多くなったり、運動が多くなったり、逆に言うと睡眠時間が減っている子が多くて、結果的におそらくいつもとは違う生活習慣によって、体調を崩す猫様がいたのかなと感じています。

中村:やっぱりそういうのも、データをロギングしてるいからこそわかることですよね。

伊豫:そうですね。24時間365日。首輪型のデバイスを着けているだけで、手に取るように猫様の様子がわかります。

あと、コロナで猫様とかワンちゃんを飼いたいという方も増えているみたいで。知り合いの獣医師さんからも「今、病院がすごく混んでいる」と聞きます。一方で、やっぱり住環境などの理由から、なかなか「制限があってまだ飼えない」という方も一定数いらっしゃって、そういう方が他の猫様のCatlogのデータを見たいといったツイートもよく拝見します。

中村:家にいて全体のデータが取れると、今までなかなか気づけなかったこと、いわゆる未病に役立つみたいな話も出てきそうですよね。

伊豫:そうですね。

中村:ありがとうございます。じゃあ続いて青木さん、よろしくお願いします。

ロボットは人に元気、活力を与えてくれる

青木:QOLとwell-being…コロナ禍で色んなことが変わりましたよね。僕たちの場合は、もともと癒しロボットっていうかたちで、しっぽのついたクッション型のセラピーロボットを販売したんですけれども、やっぱり家で時間を過ごす方が増えたことで、お家でちょっと構ってくれるロボットがすごく注目されるようになったと感じています。

実際に売上も、去年より上がっています。「ロボットが結構well beingに役に立つ」ということを、ようやくみなさんが気付き始めたのかなって思ってます。

あと、この一つ前の現行のモデルのBOCCO(ボッコ)(※5)を使って、弊社のスタッフがお年寄りに声かけをするサービスを5月の自粛期間中に始めました。「帰省したいけどできない」とか、あとお年寄りの側も、出歩くのが怖い、デイサービスにも行きたくないし、誰も訪問してほしくない。だから人としゃべる機会がほとんど無くなっちゃったみたいな時に、ロボット経由で僕たちが毎朝お声掛けしてあげるサービスを始めまして。

5 青木俊介さんが代表を務めるユカイ工学株式会社が開発した、家族をつなぐコミュニケーションロボット。公式サイト

毎朝、なぞなぞを出してあげるとおじいちゃんが元気になったり、結構(BOCCOが)喋るんで、人に活力を与えたりすることができるんだなっていうのが分かってですね。お年寄りも「生きいてるか、死んでいるか」だけじゃなくて、「楽しく生きているか」っていうのが、コミュニケーションするとわかるので。そういう使い方もあるんだなっていうのがだんだん分かってきたところです。

中村:例えば「薬を飲みなさい」って家族に言われると角が立つけれども......。このロボットから言われると「まぁ、飲むか」みたいな、そんな感じにもなるってことですよね。

青木:はい、そうですね。子供から言われるとやっぱりおじいちゃんおばあちゃんも「うるさいわね!」ってなっちゃうんですよね。

中村:小さいお子さんなんかもね、「勉強しなさいよ」って親に怒られるよりは、「勉強してね」くらいのことロボットから言われればやるかもしれないですよね。

青木:はい、「歯磨いてね」「そろそろお風呂に入んなさい」とか、親が言うと動かないんだけど、「このロボットに言わせると動くから」というご家庭は結構あってですね(笑)。

中村:なるほど。では、続いて林さんよろしくお願いします。

:LOVOT(※6)も比較的、同じく新型コロナの自粛で注文されたのかなと思ってます。例えば、ワンちゃんとか猫ちゃんを飼えるご家庭というのは、どうも日本では”幸せな家庭”とも言えて、全世帯のうちの4分の1くらいしか飼っている人はいないという統計もありまして。

※6 LOVOT(ラボット):林要さんが代表取締役を務めるGROOVE X株式会社で開発された家族型ロボット。公式サイト

LOVOTユーザーの実に8割の方が「ペットを飼いたいんだけど飼えない方々」で、1割の方はペットを飼っているけど、さらにLOVOTを飼っている方。なぜかというと、その1割の半分の方は、「LOVOTには寿命がないから飼っているんだ」という話をされています。

やはりワンちゃん猫ちゃんすごく可愛い分だけ、「喪われてしまった時の辛さ」に構えるという意味でも、LOVOTを飼っていただいている方は多くて。特にこのコロナ禍の中で「未来が先回ししてやってきた」というか、今まではロボットと一緒に生活をするっていうのを考えられなかった方々も、ちょっと選択肢に入ってきたのかなっていう気はしますね。

ロボットが人と人とのコミュニケーションの場を作る

中村:LOVOTは、日記も書くんですよね? 

林:そうなんですよ。ペットってすごくオーナーのことを理解していて、色んなことを感じている。LOVOTの場合は、ペットほどではないかもですが、それでも色々と感じています。LOVOTがペットに対してアドバンテージがある部分の一つに、そうした情報を、クラウドやアプリでシェアできること。LOVOTがオーナーについて感じたことをリアルタイムで日記として表現するので、結果的に「見守り」なんかにも使われています。

「人を見かけた」「撫でてもらった」みたいな情報は日記に出していますが、「誰々に」まで出しちゃうと個人情報なので、プライバシー侵害にならない範囲を線引きしながら、緩やかな見守りに使えるような機能にしています。

中村:実家にLOVOTがいると、息子さんとかお孫さんがその日記を見ると「あぁ、ちゃんと暮らして元気だな」っていうのがわかるわけですね。

林:やっぱり高齢の方の使われ方の一つはそれです。また、その他の効能として、特に高齢の方はしゃべること、触れること、歩くことが減る。これが、LOVOTがいるだけで全部増えるんですよね。あと「笑顔が増える」という統計データもあって、精神的にも肉体的にも良い刺激になるようです。

そのような触れ合いの情報を先程の日記機能で、遠隔地にいるご家族も見られて「あれ、今日抱っこしてないね」とわかると、電話をするきっかけにもなる。QOLっていう観点で言うと、高齢者の方は、コロナ禍において今「お孫さんに会えない」「人に会えない」「恐くて外出できない」という方も多く、これが相当ストレスになっているようなので、LOVOTが救いになっているというお声はいただきます。

中村:「飼い主対ペット」だけじゃなくて、その周りにいるちょっと離れている家族だとか、知り合いだとか、そことの関わりが大事だっていうことですかね。

林:そうですね。例えば、ペットがいると家族の会話って圧倒的に増えるじゃないですか。それはすごく良いことで、LOVOTがいてもやっぱり会話は増えるんですね。共通の話題としてのLOVOTの情報をシェアすることで、他の人とのコミュニケーションが発生するキッカケになるっていう副次効果は、相当大きいかなとは思いますね。

後編へ続く。

取材・文/久我裕紀

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