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仕事でよく聞く「コンプライアンス」とはどんな意味?覚えておきたい言葉の由来と正しい使い方

2021.01.08

ここ数年、「コンプライアンス」という言葉が急激に広がり、さまざまなメディアで用いられるようになった。なんとなく理解はできるこの言葉だが、正確な意味をご存知だろうか?

本記事では、コンプライアンスの言葉の由来、意味、広まったきっかけなど、あらゆる角度からコンプライアンスを解説する。「パワハラとの関係」や「医療用語としてのコンプライアンス」もぜひチェックしてほしい。

コンプライアンスとは何か?言葉の由来と意味

はじめに、コンプライアンスという言葉がどういうきっかけで広まったのか、また本来はどういう意味なのかを見ていこう。日本のカタカナ語の多くは英語を基にしているが、コンプライアンスも同じ読み方の英語から生まれた言葉だ。

コンプライアンスの由来は英語の「compliance」

コンプライアンスは、「compliance」という英単語が由来。これは、動詞「comply=応じる、守る、従う」の名詞形で、直訳すると「要求や命令に従うこと」を意味する。ここから派生し、日本語では「法令遵守」と言い換えられていることが多い。

なお、「コンプライアンス遵守」とも言われることがあるが、もともとコンプライアンスに遵守という意味も含まれているため、厳密にはこの表現はトートロジー(同語反復)となる。

一般的なコンプライアンスは「法令遵守」の意味

先述の通り、コンプライアンスは「法令遵守」の意味で使われることが多いが、そもそも法令遵守とは一体どういうことを指すのだろうか。

法令とは公に決められた掟、つまり法律と同義。しかし、ただ単に法律を守ればコンプライアンスに沿っているかというと、決してそうではない。企業に求められるのは倫理や社会的規範、良識を守って運営を行うことであり、法律で裁かれないからといって、道義的に許されないことを行うのは避けなくてはならない。

わかりやすく言えば、社会的に「おかしい」と見なされ、信用を損なうような行為を全面的に排除する、というのが企業におけるコンプライアンスであると言える。

コンプライアンス意識が重視されるようになった背景

では、現在のようにコンプライアンスに向けた取り組みが広まった背景には、一体どのようなきっかけがあったのだろうか。

さまざまな要因が考えられるが、一つは2000年代に行政改革に伴う規制緩和が行われたことで、企業に「自己責任体制の確立」や「情報公開の動き」が強まったことにあると言われている。

また、これに前後する形で、食品偽装問題や粉飾決算といった企業の不祥事が相次いで報道されるようになったこと、SNSの普及により消費者の監視の目が厳しくなり、炎上や不買運動などの形で企業に対する信用が損なわれやすい環境になったことなども挙げられる。

海外では日本以上にコンプライアンスに沿った経営を求める動きが進んでおり、「コンプライアンスを重視して経営を行っている会社は信頼できる企業」としてブランドが確立されている。こうした会社を中心に投資を行う方法も近年注目されているようだ。

パワハラとコンプライアンスの関係

パワハラとは、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であり、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるもの」と厚生労働省は定義している。

パワハラとコンプライアンスには密接な関係があり、企業におけるコンプライアンス対策研修にもパワハラに関する項目が含まれることが多い。例えば、予算を不正に改ざんすることを強要したり、業務上の事故を隠蔽させられたりするといった違反行為を行う事例は、パワハラでありコンプライアンス違反となる。

こういった事例に限らず、パワハラやコンプライアンス違反に遭遇した場合は、会社の専用窓口に相談するのが大切だ。中小企業の場合、相談窓口を自社社員が兼務していることもあり、相談内容が社内に漏れる危険性もある。そういった時は、労働局など外部の機関に相談することも選択肢の一つだ。

医療用語として使われるコンプライアンス

ここまで、「法令遵守」という意味でのコンプライアンスについて解説してきたが、実は医療の現場では、コンプライアンスを少し違う意味で用いられている。

服薬、治療の方針に従うこと

医療の現場では、コンプライアンスは「医師の指示通りに治療を受けたり、服薬を行ったりすること」を指す。以前はこの考え方が主流だったが、近年では治療や服薬に関して患者自身も積極的に関わり、その決定に伴った治療が行われるという「アドヒアランス」という考え方が推奨されており、コンプライアンスはあまり使用されなくなりつつあるようだ。

肺の膨らみやすさ

英語の「compliance」には、「外力が加えられた時の物質の弾力やたわみ強度」という意味もある。ここから、「肺の膨らみやすさを表す指標」を指す言葉としてコンプライアンスが使われている。

人間は横隔膜などを動かすことで肺を収縮させ空気を取り込んで呼吸をしているが、肺の収縮力がなんらかの疾患によって阻害されることで、コンプライアンスが低下する。肺コンプライアンスとも呼び、人工呼吸管理の際などによく使用される言葉。

文/oki

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