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仕事でよく聞く「コンセンサス」とは?知っているようで知らない言葉の意味と正しい使い方

2021.01.03

ビジネスシーンだけでなく、ニュースでもたびたび耳にする「コンセンサス」という言葉。わかっている”つもり”でなんとなく使っているという人も多いのではないだろうか。

最近になって一般的に使われるようになってきたカタカナ語の場合、間違った解釈のまま使用してしまうと、社会人として恥をかくだけでなく、時には信頼度を下げてしまうことにもなりかねない。

そこで本記事では、コンセンサスの正しい意味、ニュアンスを解説する。この機会に正しい使い方を理解して、胸を張って使えるようにしよう。

コンセンサスとはどんな意味?

コンセンサスは、英語の「consensus」に由来する。馴染みのある“多数決”とは似ているようで、その意味、性質が異なる。まずは正しい意味とコンセンサスの方式について理解を深めよう。

正しい意味は「複数人の意見の一致、合意」

コンセンサスの本来の意味は、「複数人の意見の一致、合意」。注目したいのは、“複数人”である点。合意を得る対象が一人の場合には使用しないので注意したい。

決議や決定に関わる人すべての合意を得る、いわゆる“全会一致”が原則で、一人でも反対する人がいる場合は、“コンセンサスが得られた”とは言えない。

コンセンサス方式、ネガティブ・コンセンサス方式とは

“全会一致での決議”を目的とする会議方式を「コンセンサス方式」という。多数決の場合、多数の合意は得られても、少数の反対派からは不満が生まれる点にデメリットがある。コンセンサス方式は、そういった状況が適さないシーンで採用される。国連の安全保障理事会(UNSC)でも、このコンセンサス方式が採用されている。

コンセンサス方式は、“全参加者が賛成する”ことが条件で積極的に賛成意思を示す全会一致方式なのに対し、“全参加者が反対しない場合は決議される”の方式を「ネガティブ・コンセンサス方式」と呼ぶ。つまりその場合、反対者が手を挙げない限り、全員賛成と見なされる。こちらは、世界貿易機関(WTO)で採用されている方式だ。

「段取り」「根回し」のニュアンスも

人にはそれぞれの事情、意見がある。そのため“全会一致で合意を得る”のは、たとえ少人数のグループであっても、なかなか難しい。例えば、会議で参加者全員の賛同を得るために重要な要素の一つが、「会議までにいかにうまく段取りをするか」つまり“根回し”だ。

根回し、というと聞こえはよくないが、あらかじめ疑問点や不満を聞き出し、事前に解消しておくことによって、決議の納得度が高まりやすくなる。納得度が高いほど、プロジェクトの実行がスムーズになったり、チーム一丸となって意欲的に取り組めたりと、実はメリットも多い。全会一致に向けて事前交渉し、合意形成を図ることを「コンセンサスを取る」と表現する。

対象が一人の場合は「アグリーメント」

合意を得る対象が一人の場合は、英語で「同意」「賛同」を意味する「agreement」を由来とする「アグリーメント」(「アグリー」と略される場合もある)を使用する。アグリーメントは、対象が一人でも、複数人でも使用可能だが、ここには「根回し」のニュアンスは含まれない。

どんなシーンで使われる?それぞれの意味と具体例

さまざまな場面で登場する「コンセンサス」だが、使われ方によって微妙なニュアンスの違いもある。使用例を確認しながら細かく意味の違いをチェックして、実践で使えるように備えよう。

ビジネスシーン

ビジネスシーンにおいては、さまざまな会社や部署が共同でプロジェクトを進める際によく使われる。

例:次の会議でコンセンサスを得られれば、プロジェクトが動き出す。

*この場合は、会議で全会一致の合意を得ることを意味する。

例:クライアントのコンセンサスを取っておく。

*事前にクライアントに企画内容を確認してもらい、合意に向けてあらかじめ話し合っておくことを意味する。

金融、経済界

株やFXをする人にとっても、「コンセンサス」は重要ワードの一つだ。投資をする時には、証券アナリストたちの業績予想を参考にすることがあるが、できるだけ多くの意見を参考にしたいところ。そこで注目されるのが「コンセンサス予想」だ。

複数のアナリストの予想値を平均化した数値を「コンセンサス予想」と呼び、その予想と実際に公表された業績がかけ離れていた場合、株価が大きく変動するケースが多い。

例:コンセンサス予想を参考に投資先を決める。

政界

「コンセンサス」の本来の意味は全会一致だが、対象人数があまりにも多い場合には、それは現実的ではない。政治の場面で使われる場合、合意対象となるのは地域住民や国民がほとんどで、全員一致の同意は不可能に近い。

この場合の「コンセンサス」は、「民意」「大多数の同意」「総意」の意味となる。対象が国民であるときは「ナショナルコンセンサス(国民的同意)」とも呼ばれる。

例:民主主義国家である以上、総理は国民のコンセンサスを得るべきだ。

医療

その時点で医学的に議論されるべき事象について、最先端の知識を持つ専門家たちの科学的根拠に基づいた総意や公式発表のことを「医学的コンセンサス」という。

例:腰痛治療における医学的コンセンサスを示す。

文/oki

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