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『奇天烈(きてれつ)』という言葉を知っていますか?奇天烈という言葉の意味や使いどころ、言い換えられる類語について紹介します。言葉を理解しておくことで、思いがけないときに役立つかもしれません。これを機に覚えてみましょう。
奇天烈の意味と使われるシーン
『奇天烈(きてれつ)』という言葉は歴史上の人物評などで使われることがあります。「彼は奇天烈な人物だった」といった具合です。奇天烈という言葉がどのような意味で使われるのか、使用シーンと共に確認していきましょう。
とても変わっている様を表す
奇天烈とは、江戸時代から使われている言葉と言われています。奇(珍しい、不思議)という文字が使われていることから推察できるとおり、「とても変わっている、珍しい様子」を表す言葉です。普通では見かけることのない、珍しい出来事や様を表します。
より強調する形で『奇妙奇天烈』などと使われることもあります。
独創的な作品の表現にも使われる
奇天烈という言葉は、他には類を見ない、独創的な作品に対する表現として使われることもあります。
絵画やファッション、文芸作品、はては漫才に至るまでさまざまです。
- この絵画は奇天烈な作風だ
- あんな奇天烈なファッションを着こなすなんて、すごい人だ
といったような使い方をします。良い意味でも悪い意味でも使われる言葉です。
日常的な会話の中で使われる機会は多くはありませんが、書評やレビュー、芸術作品への評価などで時折目にすることがあります。
奇天烈なことをする人の特徴
奇天烈という言葉は、人物評や人物の行動に対する評価としても使われることがあります。
奇天烈な行動を取る人物には、どのような特徴があるのかをまとめました。
面白い仰天エピソードを持っている
奇天烈と評される人々は、特殊な行動を取る傾向にあるようです。一般人からすると、「どうしてそんな行動を取るんだ?」と思われるような行動を取ったりもします。
その点から、普通の人は持っていないような、変わったエピソードや面白いエピソードを持っていることがあります。
変わったエピソードだけでなく、会社を立ち上げたり、珍しいことに挑戦していたりとアクティブに活動している人も少なくないようです。面白い話をたくさん知っていたり、変わった価値観を持っていたりするので、一緒にいて退屈しません。
芸術家向きの型破りな性格
他人とは違う視点や価値観を持っていることも多く、『型破り』な作品を発表する芸術家向きの性格の人も多くいます。
他人には決して踏み込むことができない自分だけの世界を大切にしていたり、他人に理解できないこだわりを持っていたりします。そうした精神性が作品に表れ、評価されるケースも少なくはありません。
歴史上の芸術家や発明家の中には、こうした独自の価値観や、自分だけの特別なこだわりによって成功した人も多く見られます。
ラテラルシンキングが身に付いている
『ラテラルシンキング』とは『水平思考』という意味の言葉です。1967年にエドワード・デボノが提唱した思考法で、思考の制約となってしまう既存の価値観や理論、概念を取り払い、水平方向にアイデアを広げる方法です。
よく耳にするロジカルシンキングは『垂直思考』と呼ばれ、対義的に用いられる言葉です。ロジカルシンキングの場合、帰結する結論はおよそ一つですが、ラテラルシンキングの場合はさまざまなアイデアや発想が生まれます。
斬新なアイデアや企画を生み出す際に必要な能力で、人間がAIに勝る点とも言われています。奇天烈と評される人は、このラテラルシンキングの思考法が身に付いている傾向にあります。
枠にとらわれない新しい発想を生む「水平思考」が注目される理由
奇天烈を別の言葉で表現すると?
奇天烈を別の言葉で言い換えた場合、どのように表現できるのでしょうか。別の表現方法を紹介します。
エキセントリック
エキセントリックは、元々は『eccentric』という英語ですが、和製英語として使われています。「風変わりな様子、変人、奇矯」といった意味で用いられる言葉です。
「中心」という意味を持つ『centric』と、単語の冒頭に付けることで「外」という意味を与える『ec』という言葉から成り立っています。「中心から外れている」という意味が転じて「普通と違う様子」という意味で使われるようになりました。
一般の人に用いる場合、あまり良い意味で使われないこともありますが、芸術作品や音楽に対して用いる場合は『独創的な』という意味で用いられることもあります。
奇想天外
『奇想天外』とは、『奇想天外より落つ』という言葉を略してできた四字熟語です。天外とは、はるか遠くという意味です。奇想天外とは、『普通ではありえないような出来事や考えが、はるか遠くから降りてきた』という意味に由来します。
現在では『誰も思いつかないようなことを思いつき、それが突拍子もない様子』という意味で使われています。「奇妙」や「風変わり」よりも、より変わった様を表すのに用いられる言葉です。
構成/編集部