要チェック!年賀状の基本的な書き方
年賀状を書くのは1年に1度です。基本的なことは分かっているつもりでも、『実はマナー違反だった』というケースもあるかもしれません。
年賀状を受け取った上司が違和感を覚えないよう、今一度年賀状の基本的な書き方を確認しておきましょう。
宛名書きで困る「敬称」「肩書」
年賀状の書き方で迷うのが、宛名ではないでしょうか。『肩書+敬称なのか』『敬称は必要なのか』など、迷うポイントが複数あるためです。
上司への年賀状を会社宛に送るときは、肩書は名前の上に記載します。そして、名前にのみ敬称を付けるのが一般的です。
例えば、○○株式会社・□□部の××部長に会社宛で年賀状を送る場合は、以下のような宛名になります。
- ○○株式会社 □□部 部長××様
肩書に『様』などを付けるのは違和感がある上、不適切です。『□□部長様』などと記載するのは避けましょう。
ただし、上司の自宅に年賀状を出す場合は、肩書は不要です。名前に『様』だけを付けます。
賀詞の選び方
賀詞とは、年賀状の始めに入れるお祝いの言葉です。種類はさまざまですが、『目上の人に使えるもの』『使ってはいけないもの』があります。
例えば、『寿』『賀正』などの1~2文字の賀詞は、上司への年賀状では不適切とされます。年賀状には以下のような4文字賀詞がおすすめです。
- 謹賀新年
- 恭賀新年
- 謹賀新春
ただし、4文字賀詞は一般に『男性が使うもの』とされています。女性の部下が上司に年賀状を送る際は『謹んで新年のご挨拶を申し上げます』とした方が、違和感がありません。
また、賀詞の後に『あけましておめでとうございます』と加えるのは『二重賀詞』になります。賀詞を記載する場合は、重複する言葉を入れないよう注意が必要です。
年賀状を書く上で避けたい表現
日本では縁起の悪い言葉を『忌み言葉』といい、慶事には避ける習わしがあります。年賀状も新年をお祝いするおめでたいものですから、縁起の悪い言葉は記載しないようにしなければなりません。
年賀状では意外な言葉も忌み言葉とされます。具体的には、以下のような言葉です。
- 去
- 終
- 失
- 流
- 絶
- 衰など
このうちうっかりしがちなのが『去』です。去には『離れる』『別れる』などの意味があります。年賀状では『去年』を『旧年』『昨年』などと言いかえるのが一般的です。
上司に近況を報告する一言を添える場合などは、忌み言葉を使っていないか十分にチェックしましょう。
上司へ送る年賀状の注意点
上司への年賀状は言葉の選び方の他にも、注意したい点がいくつかあります。配慮のない年賀状で上司を不快にさせないよう、細かい点にも気を使いましょう。
写真入りの年賀状は避ける
上司へ送る年賀状では、写真入りの年賀状は避けた方が無難です。家族の写真やかわいがっているペットの写真などを入れるのは、親しい間柄だけにしておきましょう。
上司の中には独身の人や動物嫌いの人もいるかもしれません。
人によって事情は異なるため、なるべく無難なデザインを選ぶのがベターです。
ただし、家族ぐるみで親しく付き合っている上司なら、そこまで気にする必要はありません。プライベート感の強い写真入りの年賀状を送っても喜ばれるでしょう。
年賀状に句読点は使用しない
年賀状に限らず、敬意を払うべき目上の人への文書では、句読点は使用しません。どうしても必要なときは、スペースなどを空けて調整しましょう。
そもそも『、』や『。』は、文章を読みやすくするために使われます。改まった文書に使われることはなく、句読点を入れることは失礼にあたると考えられているのです。
また、句読点は『切れる』『終わる』などを示すと考えられるため、慶事では一般的に忌避されます。年賀状も慶事のごあいさつなので、句読点は使いません。
薄墨、赤ペンの使用はNG
年賀状に文字を記すときは、薄墨と赤ペンは避けましょう。
薄墨は、弔事に使われるべきものです。おめでたい新年のあいさつにはふさわしくありません。薄墨で書かれた年賀状は大変なマナー違反となるため、必ず黒いインクを用意しておきましょう。
また、「おめでたいことだから赤ペンを使おう」と考える人もいるかもしれません。賀詞を書くときに赤字にするのは問題ありませんが、普通の文章を赤で書くのは失礼です。地の文を書くときも、黒いインクを使うのがマナーにかなっています。
構成/編集部