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みずほ銀行が統計データの販売を開始、利用者が知っておくべきことは?

2020.11.24

 みずほ銀行が11月10日から統計データ販売サービスを始めた。「Mizuho Insight Portal」(呼称:Mi-Pot/ミーポット)という名称で、法人を対象に販売する。邦銀では初のデータ販売ビジネスである。

 2020年5月の銀行法改正で業規制が緩和され、データ提供ビジネスを銀行で扱えるようになったことが契機となった。新たな収益源として期待が高まる。

引用元:ミーポットサービス開始プレスリリース資料/みずほ銀行

■集計対象のデータ数

みずほ銀行の個人顧客数約2400万人が日々行う莫大な取引データが集計される。
引用元:ミーポットウェブサイト/みずほ銀行
以下、引用元表記が無い画像は同ウェブサイトより引用。

 銀行のデータ関連ビジネスには、他にも三菱UFJ信託銀行の情報銀行サービスがある。顧客の個人情報を預かり、同意の元で企業に提供する情報銀行というビジネスで2021年春を目途に始める予定。今後その他の銀行も含めて多様なデータサービスが提供されそうだ。

■情報銀行のイメージ

引用元:データ流通ビジネス「情報銀行」サービスとは?/三菱UFJ信託銀行

マーケティングや事業戦略に役立つ信頼度が高いデータ

 提供するデータは、みずほ銀行が保有している顧客データを加工して個人を特定できなくしたもの。地域ごとの顧客の年収や、ATMの利用実態、振込データなどの入出金関連のデータから支出・消費の状況をそれぞれ整理したものが提供される(下図)。このように加工したデータで、元のデータに戻して個人を特定できないデータのことを「匿名加工情報」という。

 主に企業のマーケティングや事業戦略の策定のために活用できるデータで、消費動向の見える化などによって、出店計画立案などに役立ててもらうのが狙い。我々の消費行動に直結する金融サービスから生まれる統計データは、調査会社が販売するデータよりも信頼度が高そうだ。

■Mi-Potで提供されるデータの例

□年収(手取)統計

エリア毎に年収別でまとめた性別・年代別の構成比がわかる。

□ATM利用実態統計

駅周辺、半径500m以内にあるATMの利用状況を時間帯や居住地域ごとに整理。エリアマーケティングなどに活用できる。

□支出・消費統計

口座振り込みや振込のデータなどを統計課して支払金額を町単位での整理や、業種別の支払額や支払者の割合を整理。

データ管理や顧客からの除外申し入れの対策を講じていて大きな心配は無用だが……

 個人が特定できないとはいえ、自分のデータが売り物になることに嫌悪感を示す顧客は少なくないはず。GAFAに代表されるネット系企業がサービスを無料提供する代わりに個人情報をビジネスに活用していることが一昨年頃から各国政府で問題視されはじめ、プライバシー意識が高まっている。銀行内にあるデータが第三者に流通・拡散することを想像すると恐怖すら覚えるかもしれない。

 まして公共性の高い銀行が行うデータ販売は、高い堅牢性が確保された環境で扱われているとはいえ、加工中のデータが流出したり誤加工により意図せず個人が特定できる状態になったりするリスクが気になることだろう。

 ミーポットのウェブサイトでは、個人の特定が可能な情報がない旨が大きく示されており、個人顧客から統計対象への除外申し出も可能になっているが、事故や悪用は防ぎようがない。

 また情報銀行のように個人が提供するデータを自ら選択し、提供したデータに対して対価を得る仕組みとはなっておらず、いつどのようなデータが統計加工され、誰に提供されたかを提供者は知ることができない。

プライバシーを考える上で、個人情報を悪用されてしまうリスクと提供する情報の自己決定権の2つがポイントとなる。

みずほ銀行では当然対策を講じているものの、不安が拭えない場合には同行の利用を検討する必要がある。利用者へのメリットをしっかり示すことも必要だろう。

文/久我吉史

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