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「序破急」とはどういう意味?ビジネスに上手に活かすヒント

2024.04.29

『序破急』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?仕事をする上では、この序破急を意識しておくとよい場面があります。序破急とはどのような意味なのか、また仕事にはどのように生かしたらよいのかを紹介しましょう。

序破急の意味とは?

序破急は、『じょはきゅう』と読む単語です。日常生活ではあまり耳にする機会はないかもしれませんが、書物や仕事で見聞きした経験がある人もいるのではないでしょうか?まずは、序破急の由来や言葉の意味を見ていきましょう。

もとは芸道用語

序破急は、もとは雅楽の世界で使われていた言葉です。雅楽は日本の古典音楽の一種で、琴や琵琶、太鼓などを用いて演奏しますが、その音楽の構成を表わす言葉でした。能作者・世阿弥の能楽論を記した『風姿花伝(ふうしかでん)』でも序破急について語られており、雅楽だけでなく芸道一般に通じる言葉として知られるようになったのです。

『風姿花伝』に記されている考え方は仕事にも通じるとして、ビジネス書として扱われるケースがあります。このような経緯があり、序破急はビジネスでも覚えておきたい言葉の一つとなっているのです。

3部構成を指す

序破急は3部構成を表わし、『序』『破』『急』に分けられます。『序』は始まりを意味し、雅楽では無拍子でゆっくりとスタートしていくパートです。『破』は静けさを破り、拍子が加わります。最後の『急』は、さらにクライマックスに向けて盛り上がって速度が速くなり、締めくくるイメージです。

このように、序・破・急という順序で緩急をつけることによって、音楽でも物語でも最後まで相手を飽きさせない構成を作り出せます。

起承転結は4部構成

物事の展開を表わす言葉としては、序破急以外に『起承転結』という言葉もあります。中国の漢詩が元になっている構成方法の一つで、序破急が3部構成であるのに対し、起承転結は4部構成です。

最初の『起』で、話をするにあたって必要な情報を提示し、『承』が物語の導入部分となります。そして『転』で話が大きな展開を迎え、『結』で最終的な結論に至るという構成です。

序破急と比較すると、序に当たる部分が起・承、破が転、急が結に当たるといえるでしょう。

序破急、それぞれの役割

序破急が3部構成を表わすことは分かりましたが、それぞれのパートにはどのような役割があるのでしょうか?序・破・急、それぞれの役割を詳しく見ていきましょう。

導入部になる「序」

序には始まりという意味があり、物語の導入部を指します。話を始める前に、その前提となる情報を聞く人や読む人に与えておかなければいけません。登場人物の説明や時代背景、簡単な状況説明をこの段階で済ませておきます。

そして、物語の中心となる出来事を発生させて世界の広がりを表現し、伏線を張っておくところまでが序に含まれる部分です。物語の導入として必要な情報を説明した上で、読者の興味を引き付けるのが、序の役割になります。

普段よく使っているのにほとんどの人が読めない言葉「序に」の読み方

展開、転換部分「破」

破には破るという意味があり、ここでは物事に大きな展開や転換を加えます。主人公が大きな障害にぶつかって挫折したり、精神的に葛藤したりといった展開を盛り込むことで、物語に変化を与えるのです。

物語のメイン部分に相当し、この展開によって読者をどのくらい話に引き込めるかが決まるといっても過言ではないでしょう。

結末部分である「急」

急は結末に当たり、破で発生した障害や問題を収束させ、物語を終わらせます。どのように問題を解決しエンディングを迎えるのかにより、その物語の印象は違ってくるものです。

感動的なのか、幸福感を得られるのかなど、最終的な物語の印象を左右する点が、急の持つ役割といえるでしょう。

序破急を仕事で生かすには?

雅楽や物語における序破急について説明してきましたが、これを仕事で生かすにはどのように使えばよいのでしょうか?序破急を仕事で活用する際の、具体的な考え方を紹介します。

構成作りで起承転結と使い分ける

ビジネスにおいて文章を作成するときは、まず全体を物語と見立てた上で構成を考えます。このとき、起承転結を意識するのか、序破急を意識するのかを念頭に置いて始めましょう。

起承転結は、序盤の説明である起から内容をふくらませる承の部分を構成することで、転での意外性が生きる構成です。途中で大きな展開や意外性をアピールし、最後に結論を示したい場合には向いています。

序破急の場合、結論が最後に来る起承転結と違い、最初に結論を持ってくることも可能です。序の部分で大きなテーマを示し、その後に詳しく説明したい場合などは、序破急の構成を意識するとよいでしょう。

序破急の考え方をプレゼンに盛り込む

企画書やプレゼンは、相手に対して簡潔にアピールポイントを伝えることが大切です。そのためには、序破急の考え方を採用するとよいでしょう。

序ではプレゼンに意識を集中してもらえるよう、興味を引くようなキャッチコピーを示します。破では、序で示した内容を実現するための提案内容を具体的に解説していくのが基本です。最後の急では、予算やスケジュールなど補足したい情報を示し、破の内容をシンプルにまとめて締めくくります。

このように、話の流れを序破急に沿って組み立てることで、聞きやすく理解しやすいプレゼンの構成になるでしょう。

構成/編集部

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