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報連相研修のプロが解説!仕事の報告が苦手な人のための7つのヒント

2020.11.17

はっきりとミスを報告できない、報告がだらだらと長くなるなど、いつも「報告」がうまくいかないーー。日々、そんな悩みを抱えていないだろうか。上司に対する報告や、チームメンバーに対する報告など、仕事の場面で報告は重要なコミュニケーションの一つだ。報告に苦手意識があると、仕事がやりづらくなる。

そこで報告が苦手な人が持ちがちな悩み、それぞれについて、原因と解決策を企業研修講師で、「報連相研修」もよく行うという小林良子さんに聞いた。

報告が苦手な人のよくある悩み別解決策

【取材協力】

小林良子さん
株式会社スマイル・フォスター 代表取締役
企業研修講師・経営コンサルタント(営業・人財育成) スマイル事業塾・塾長。
ワークマインド・バランスアドバイザーR(商標登録済み)として女性の活躍支援をスタート
https://smile-foster.tokyo

1.伝えたいことを頭の中で整理して発言するのが苦手

「伝えたいことを整理して発言するのが苦手という方はたくさんいます。言葉の整理は物の整理と共通しています。物の置き場所を決めておくように、報告も置き場所が決まっていないと、頭の中で整理することできないものです」

●解決策

「ポイントは、あらかじめ頭の中でレイアウトを描くこと。話をシンプルに整理する『SDS法』を使うといいでしょう」

●SDS法

S(Summary)
全体:何を伝えるか要約して説明する。

D(Details)
詳細:本論を具体的に詳しく伝える。

S(Summary)
全体:何を伝えたのかをまとめる。ポイントを強調する。

「このSDSを頭の中で描いて順番に話します。D(Details)の詳細のところで、話の内容を3つくらいに分類してみると、スムーズに話しやすくなります」

2.相手からの反応が怖くて報告できない

「特に、自分のミスを含む報告は、相手が怒るなどの反応を考えてしまうと報告できないという方が多いですね。これは、報告した後の怒られるというイメージが先行してしまうのが原因です」

●解決策

「人は感情と思考が同時に働いたとき、感情が優位に反応し、行動に移しやすいのです。この場合の感情は『怒られると嫌な感情を味わい、傷つくのが嫌だ』、思考は『報告しないといけない』です。

例えばダイエットしているときに大好物のケーキが目の前にあったら、『食べたい』という感情が『ダイエット中だから食べてはいけない』という思考を上回り『明日からダイエット』なんて言い訳した経験はありませんか?

思考を優先させるためには、明確な目的が必要なのです。目的が明確であれば思考が感情を抑えて、優位に立ちます。ダイエットなら『お腹を凹ませて理想的な体型になる』などの目的が明確であればあるだけ、食べたい気持ちを抑えられます。報告についても『ミスを最小限に抑えるために遅れないようにする』という目的を明確にすると良いでしょう」

3.どこからどこまでを報告すればいいのかわからない

「自分にベクトルが向いているのが原因です。自分にベクトルが向いていると自分の考えをどこからどこまで伝えればよいのだろう?と迷い始めてしまいます」

●解決策

「相手にベクトルを向けると、相手が欲しがる情報や内容がイメージできてくるはずです。その上で、1のSDS法や5でご紹介するPREP法などを活用して話すとよいでしょう」

4.報告のタイミングがわからない

「報告するタイミングが早すぎて怒られるケースはあまり聞きません。遅くて怒られるケースが圧倒的に多いのではないでしょうか? 自分が『あっ、報告しなくちゃ』と思ったとしにはタイミングがすでに遅いという場合が多いようです」

●解決策

「まずはタイミングがわからないと思った時点で現状報告をしておくと、スムーズにいきます。また、相手に『今よろしいですか?』とタイミングを相手にゆだねるのもひとつの方法です。すべてを終えてから報告するという習慣でうまくいっていない方のほとんどは、中間報告や見込み報告ができていないことが原因かもしれません。完了報告の前に『いつぐらいに目処(めど)がつきそうです』と報告するだけで、相手も自分の仕事への影響度合いがわかるので、中間報告は重要になります。さらに期限に間に合わないときは、それがわかった時点で、遅れる目処も含めて、早めの報告が大切です」

5.「で、結局何が言いたいの?」と言われる。

「これは多いパターンですね。『プロセス』から話をしてしまうと、このワードが返ってくるようです」

●解決策

「下記のPREP法を活用してみると、まず結論を伝えるところからスタートするので、理解を促しやすいです」

P(Point)ポイント
伝えたい結論の要約を伝える。

R(Reason)理由
なぜ、その結論を伝えるのか、理由付け。
ただし、理由は多くても3つまで。

E(Example)例示
実例、エピソード、データ(数値)など
ただし、多くても2つまで。

P(Point)
伝えたい結論を強調する。

6.話がだらだらと長くなってしまう。

「だらだらと長くなってしまうのは、時間に対する意識が低いからとも言えます。『時間は共有物』という意識が持てているか?と自分に問いかけてみてはいかがでしょう」

●解決策

「相手の時間を奪っていないか?という観点で見てみると、効率の良い報告の仕方もスキルのひとつということになります。TPOに応じて1でご紹介したSDS法や5でご紹介したPREP法を活用してみてはいかがでしょうか」

7.時系列にまとめるのが苦手

「思ったことを頭で考えながら時系列に話すのは、慣れていても至難の業だと思います」

●解決策

「まずはメモの活用が一番です。文章ではなく、箇条書きで書き出してみるのがおすすめ。

時系列も最新のことからさかのぼって話したほうが印象的か、スタートからゴールまで順に話したほうが効果的か、もしくは伝わりやすいかを考えてみることもポイントです」

「報告」が得意になるメンタル面のコツ

報告に苦手意識があると、克服する意欲もわいてきづらいだろう。メンタルとしてどんなことを思うといいだろうか? 小林さんは、次のようにアドバイスする。

「報告の『言葉』は自分のためではなく『相手へのプレゼント』ということを意識してみると良いでしょう。自分が欲しいもの(言葉)を発信するのではなく、相手が望むもの(言葉)を差し上げるイメージをすると、相手は受け取りやすく『そう~これが欲しかったの。』と喜んでくれるのだと思います。そこには相手への思いやりが自然についてくると思います。『報告』というプレゼントを渡していくという意職になると、きっと職場でのコミュニケーションが円滑になるのではないでしょうか」

報告は相手へプレゼントを渡すつもりで、目的を明確にし、できるだけ早く、気づいたときに、型やメモを活用しながら行うと良いようだ。

取材・文/石原亜香利

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