
クラウドサービスより便利で早いNASを使え!
●前編はこちら
前回の記事で設定が完了した「DiskStation DS720+」を自分専用のクラウドサービスのように使いこなしてみよう。用途に応じた専用アプリが用意されているので、やりたいことを明確したら、パッケージセンターからアプリをダウンロード。
設定を済ませて、スマホとタブレットにアプリをダウンロードすれば、いつでも、どこでもNASに保存した、画像、音楽、動画、PDF、テキストファイルなどにアクセスできる。
iPhone11Proで、よく使うSynologyのアプリをまとめて表示
とりあえずDS fileがあればOK
スマホからNASに保存したデータにアクセスする方法は複数あるが、私のオススメは専用アプリ「DS file」だ。共有フォルダとか同期設定など不要で、QuickConnect IDとログインアカウント、パスワードを1度入力すれば、次回からは自動的にログインできる。
これでNASに作ったフォルダがツリー構造のまま表示され、ファイルの閲覧、ダウンロード、編集、コピー、削除などができる。未対応ファイルは別アプリを使って開ける。つまり自分専用の8TBのクラウドが使えるのだ。接続環境に左右されるが一般的なクラウドサービスより速度も速く快適に操作できる。
DS fileを起動するとNASのフォルダがツリー表示される
画像はサムネイル付きで、html、PDF、ExcelやWordのファイルも扱える
Crowd Syncというアプリを使えばDropBoxやAmazonドライブとも同期できる
音楽データもDS Audioで容量を気にせず楽しめる
スマホで音楽を楽しんでいる人は多いと思うが、iPhoneは外部メモリーが使えないため、保存できる音楽データの量は限られている。NASに保存した音楽データが再生できれば自宅と同じライブラリで外出先でも音楽が楽しめる。それを実現するのがDS Audioだ。
アプリを起動するとホーム画面はオススメのジャンル表示、ここからアルバム、曲名、アーティストなどソートできる。表示はアルバムアートが使われる。あとは普通に再生するだけ。ピンを使ってお気に入りを集めたり、再生回数順や評価によるプレイリストも表示できる。
写真をAIが整理してくれるMoment
膨大な画像データを整理してくれるアプリがDS photoとMomentである。より新しいのがMomentでAIが画像を自動的にジャンル分けしたり、顔認証を使って人物アルバムを作成する機能が充実している。フォルダ単位で画像を表示させるならDS fileで充分である。ここでは探したい画像を素早く見つけだすためにMomentを使ってみよう。
アプリをインストールしたら、Momentというフォルダが出来るので、ここに全ての画像データを集合させよう。あとは待っていればMomentが分析してサムネールとアルバムを自動的に作成してくれる。私の場合はiPhone関連だけで130万枚も画像があったため、解析終了まで23日間掛かった。作業中はHDDにアクセスするためカリカリという音が常に発生、NASを仕事部屋に置かなくてよかった。
解析が終わると、撮影年月日、撮影場所、人物、テーマ(主題)などに画像が自動的に整理され、自分でも忘れていた画像が表示される。何かの話題でバイクの画像が見たいとか、北海道の画像だけなどをカンタンに見せられる。これは便利。テーマとはAIによる被写体の分類で犬、猫、鳥、山、海外、湖、スポーツ、食事、クリスマス、ハロウィン、雪、サンセット、虹、遊園地、観覧車、塔、飛行機、自転車、バス、鉄道、オートバイ、ケーキ、アイスクリーム、ステーキ、刺身などかなり多岐にわたって分類され、現在95のアルバムに分類されている。テーマにない単語を入力しての画像検索も可能だ。
場所による分類。一丁目は省略形で開くと千代田区などと、その前の住所から表示
オートバイの認識率はほぼ100%だが、全くダメなテーマもある
なぜか食べ物に関しては細かく分類される。パスタにはうどんと冷やし中華があった
複数の画像を選んでダウンロードサイトを作成できる!
Momentを使えば複数の画像を選択して、ダウンロード用サイトを作り、送りたい相手にURLを伝えることでクラウドサービスのように画像を共有できる。PCはもちろん出先から、スマホを使って設定できるで、急に大容量の画像データを送る必要に迫られたとき非常に便利なのだ。次回はNASをバックアップする方法について考察する。
アイコンをタップしてアクションの画面から「リンクの共有」を選択する
共有リンクが作成されるので、ダウンロードを許可。共有をタップしてURLをコピー
リンク先にアクセスすると共有アルバムから画像をダウンロードできる
写真・文/ゴン川野