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【時候の挨拶・12月編】ビジネスとプライベートでも使い分けられる上旬、中旬、下旬、時期別の挨拶

2023.12.19

手紙やはがきを出す機会がめっきり少なくなり、年賀状を出す人も年々減少しているという。ほとんどがメールやアプリでのやり取りになっている今だからこそ、手書きの手紙やはがきをもらうと嬉しいものだ。

本記事では、メールや手紙を書く時に知っておくと便利な12月の時候の挨拶について、例文を交えて紹介する。ビジネスシーンにおいても使う機会が多いのでぜひ覚えておきたい。コロナ禍でなかなか会えない友人や家族に、今だからこそ手紙を送ってみては。

ビジネス・フォーマルシーンで使える12月の時候の挨拶例

「時候の挨拶」というのは、手紙の書きだしで使うその季節の心情や天候などを表す言葉のこと。日常の会話でも、「今日は暑いですね」「雨ばかり続いて困りますね」など、共通の話題として季節のことを用いることがあるが、それを手紙上(文章上)で行うようなものだ。

仕事の取引先とのやり取りやお礼状、結婚式の招待状といったフォーマルな場面においては、「漢語調」と呼ばれる少しかしこまった表現を用いるのが一般的。なお、お詫びやお見舞いの目的で送る手紙の場合、時候の挨拶は省いた方がよい場合もある。状況に応じて上手に使い分けよう。

ビジネス・フォーマルシーンで使える12月の時候の挨拶例

上旬

二十四節気でいうと「小雪」(11月22日頃~12月6日頃)にあたるのが12月上旬。名前の通り少しずつ雪がちらつき始め、本格的な冬の到来を感じる時期。

<適した挨拶>

冬の訪れを迎えたという意味の「初冬」や、12月そのものを表す「師走」、そろそろ雪が降りそうな季節という「初雪」などに、「候」「折」「みぎり」などの言葉を組み合わせて使うとよい。

例)「師走の候、貴社におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます」

中旬

地域によっては本格的に雪が降り始め、鰤(ぶり)などの冬の魚の漁が盛んになる「大雪(たいせつ)」(12月7日頃~12月21日頃)がちょうど中旬ごろ。南天の実が赤く色づく時期。

<適した挨拶>

冬至が近づき、日の短さが目立つという意味の「短日」、二十四節気にもなっている「大雪」、年内もいよいよ終わりが近づいてきたという「月迫(げっぱく)」など。

例)「大雪の折、皆様にはなお一層ご盛栄のこととお喜び申し上げます」

下旬

いよいよ年の終わりが近づく下旬は、二十四節気では「冬至」(12月22日頃~1月4日)の頃にあたる。一年で一番夜が長く昼間が短い時期で、街全体がどことなく年末の慌ただしさに包まれる。

<適した挨拶>

やはり、年末や年の暮れを表す「歳晩」「歳末」や、「冬至」をそのまま挨拶として用いるのがよい。お客様などには、一年の締めくくりとして今年一年の感謝の言葉などを添えるとよりスマート。

例)「歳末のみぎり、○○様にはいよいよご健勝のことと存じます。今年も一年、格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます」

プライベート・カジュアルなシーン向け12月の時候の挨拶例

親しい友人や家族など気心の知れた相手に送る手紙や、学校や保育園などの季節のおたよりの場合は、季節のイベントや花、食べ物など季節感を感じさせる単語を折りこみ、より話し言葉に近い「口語体」を用いると、柔らかく温かみのある文章になる。

プライベート・カジュアルなシーン向け12月の時候の挨拶例

上旬

本格的な冬の始まりの時期。日毎に増していく寒さを表現したり、冬ならではのアイテムを文章の中に用いるとよい。

例)「色鮮やかなポインセチアの鉢植えを花屋で見かける季節になってきましたね。お元気でお過ごしですか」

中旬

年の瀬が近づき慌ただしくなる中旬。クリスマスなども季節を表す言葉として使いやすい。忙しくなる時期なので、相手の体調を気遣うような言葉を添えるとなお良い。

例)「クリスマスも目前に迫り、街も賑やかになってきました。お忙しいと思いますが、お風邪などひかれていませんか」

下旬

いよいよ年末。より一層寒さも厳しくなり、何かと用事も増え、慌ただしくなりやすい時期。そういったことを表現しつつ、一年の締めくくりの挨拶を添えるのがおすすめ。

例)「ずいぶんと寒くなりましたね。年越しの準備はいかがですか?今年も一年お世話になりました」

12月に使える季語一覧

ここまでに挙げた言葉以外にも、季節を表す「季語」は数多くある。送る相手や状況に合わせて、文章の中に取り入れてみよう。

時候:冬将軍、年の暮れ、大晦日
生き物:白鳥、鶴、熊、兎、鮟鱇(あんこう)、河豚(ふぐ)、牡蠣
花:寒椿、シクラメン、クリスマスローズ
生活:おでん、熱燗、炬燵、セーター、コート、鍋、スキー
イベント:柚子湯、年越しそば

12月の結びの言葉

12月は本格的な寒さが訪れると同時に、年末に向けて会社も個人もさまざまなことで忙しくなる月。相手の健康を気遣い、翌年の繁栄や幸福を祈るような言葉で締めくくろう。

ビジネス・フォーマル

「霜寒の折、ご自愛専一にてご精励くださいますようお願い申し上げます」
「来る年の貴社のますますの繁栄と皆様のご多幸を心よりお祈りいたします」
「ご多用な歳末のみぎり、皆様のさらなるご健勝とご活躍をお祈り申し上げます」

プライベート・カジュアル

「皆様お揃いで、よき春を迎えられますようお祈り申し上げます」
「寒い日が続いておりますので、体調に気をつけて健やかな新年をお迎えください」
「今年も残りわずかとなりましたね。皆様でよい新年をお迎えください」

文/oki

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