軽自動車なのに停まっている車両に近づくと、驚くほど大きく感じるスーパーハイトワゴン。中に乗り込めば、さらにその広さ、大きさに驚かされる。人気の4台を乗り比べてみた。
【スーパーハイトワゴン】
軽ハイトワゴンの中でも、車高の高い1700mm以上のジャンルを指す。リアドアがスライドドアになっているものが多い。
スーパーハイトワゴンが切り開いた新境地
ハイトワゴンがブームになり、各社が新型車を投入し競っていた2003年、ダイハツが『タント』という新型車を発売した。それがハイトワゴンよりさらに全高の高い「スーパーハイトワゴン」の始まりだった。全高が1.7m以上で、2代目『タント』は後席用ドアにスライド式を採用した。
それまで軽自動車のスライドドアといえば、商用車系1BOXにしかなかったが、1BOXミニバンの便利なスライドドアを軽ワゴンにも応用した。当時の開発コンセプトは「身長140cmの子供が立ったまま着替えられる」だった。
狙いどおり『タント』はファミリー層にヒット。各社、柳の下を狙い、1750mm前後の全高とスライドドアを組み合わせた超高ハイトワゴンを市場に送り込んだ。
先陣を切ったのは2017年発売のホンダ『N–BOX』。2020年1〜6月の販売ランキングでも10万1454台でダントツ1位。2018年発売のスズキ『スペーシア』、2019年のダイハツ『タント』と続く。今、最もアツいのが、このスーパーハイトワゴンだ。
国内新車販売台数3年連続1位のベストセラーカー
ホンダ『N-BOX』
Specification
■全長×全幅×全高:3395×1475×1790mm
■ホイールベース:2520mm
■車両重量:900kg
■排気量:658cc
■エンジン形式:直列3気筒DOHC
■最高出力:58PS/7300rpm
■最大トルク:65Nm/4800rpm
■変速機:無段変速CVT
■燃費:21.8km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:174万6800円
※「カスタムG-L ホンダセンシング」FF車
ノーマル仕様は丸目のフルLEDヘッドライトだが「N-BOXカスタム」は流れるように点滅する方向指示灯と9灯式LEDライトを採用。
ホイールベースは4車の中で唯一の2500mmを超え、全高も1790mmという高さで設計されている。最低地上高は145mmで低重心。
ホンダが提唱する低床のクルマ造り思想から生まれた開口部の低いリアゲート。路面から約470mmで圧倒的に低い。
多彩なシートアレンジと圧倒的な後席のスライド量
三菱『ekクロススペース』
Specification
■全長×全幅×全高:3395×1475×1780mm
■ホイールベース:2495mm
■車両重量:970kg
■排気量:659cc
■エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ+交流同期モーター
■最高出力:64PS/5600rpm+2.7PS
■最大トルク:100Nm/4000rpm+40Nm
■変速機:無段変速CVT
■燃費:18.8km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:185万9000円
※「ハイブリッドT」FF車
『ekスペース』はボディー同色かブラックグリル。『ekクロススペース』は薄いヘッドライトと縦長デザインの補助ライトを採用。
リアで上に切れ上がったウインドウラインが他車とは異なり独特。ボディーカラーは7通りのモノトーンと6通りのツートーン。
メッキ部分を多用するのは三菱のRV車に共通する特徴。リアゲートは大きいが、閉める時に途中で手を離すとドアの重さで閉まる。