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素人でもこだわりのコーヒーを淹れられるレコルトのおしゃれなコーン式全自動コーヒーメーカー

2020.10.07

レコルトといえば、ホットプレートやトースター、コンパクトなミキサーなどで人気の家電ブランド。同社の特徴はポップなデザインと、家電ぽくないスタイリッシュなカラーリング。値段もリーズナブルで手ごろな製品が多いため、20〜30代のファンも多い家電ブランドだ。

そんなレコルトがなんとコーヒーの美味しさにこだわった「コーン式全自動コーヒーメーカー(品番:RCD-1)」(以下、RCD-1)を10月下旬に発売する。レコルトといえばデザイン家電という印象があるが、どこまでコーヒーに「こだわっている」のか? レコルトの新製品発表会で実際にチェックしてみた。

最小限の手間で最大の美味しさを目指す

コーン式全自動コーヒーメーカー RCD-1の説明は、蒲田にあるスペシャリティコーヒー専門店「マメーズ焙煎工房」店主の椎名 香氏が行った。

椎名氏によると、最近は少し高級なコーヒー豆を購入するなど、自宅でのコーヒー体験にこだわる人が増えている。ただし、コーヒーというのは生鮮食品。いくら高い豆を購入しても、古い豆では美味しいコーヒーにはならない。そして、コーヒー豆は挽いて粉状にすると空気に触れる面積が増え、急速に酸化して鮮度が落ちる。多くのコーヒー愛好家が「コーヒー豆は抽出直前に挽け」と提言するのはこのためだ。

とはいえ、忙しい朝にゆっくり豆を挽き、蒸らし時間や抽出時間にこだわってコーヒーを淹れるのは相当な情熱がないと難しい。もっと気軽に、そして一定レベル以上の美味しさのコーヒーを楽しみたいというユーザーをターゲットにしたのがRCD-1だ。「誰でも簡単に美味しい」を実現するため、操作方法は非常にシンプル。必要量の豆と水を供給し、あとは本体の操作ボタンで抽出杯数(1〜4杯まで)を選択してスタートするだけ。

今どき全自動コーヒーマシンはグラインダーにこだわりあり

RCD-1の最大の特徴ともいるのが、名前にもあるように「コーン式」のグラインダーを採用していること。コーン式とは、すり鉢状の固定された刃と円錐(コーン)形状の刃の間で豆を粉砕するグラインダーのこと。グラインダーにはさまざまなタイプがあるが、コーン式は安定して粉が均一に挽ける。このため、多くのコーヒー愛好家に支持されている形だ。ただし、加工などの複雑さからコストがかかるというデメリットもある。

じつは、日本は数年まえより「サードウェーブコーヒー」と呼ばれるコーヒーブームが継続している。サードウェーブの特徴は、厳選された豆を使い、一杯一杯を丁寧に淹れるコーヒー。このブームをうけてか、この数年は家庭用のコーヒーマシンにも「こだわり機能」を搭載する製品が増えた。なかでも全自動コーヒーメーカーは、今回発表されたRCD-1のようにグラインダーにこだわった製品が続々と登場している。

従来の全自動コーヒーマシンに搭載されていたのは、コストの安いプロペラ式(ブレンダーのように高速回転する刃で豆を粉砕する方式)ばかりだった。しかし、最近はツインバードの全自動コーヒーメーカーのようにフラットカッター式(2枚の刃で豆を挟んで粉砕する方式)や、今回の新製品のようなコーン式などの高コストのグラインダー搭載機が少しずつだが増えている。

写真はツインバードの「全自動コーヒーメーカー」

ただし、グラインダーにこだわるとコーヒーメーカーはどうしても高価格になりやすい。今回発表されたRCD-1は、コーン式ながら希望小売価格が2万円というコストパフォーマンスの良さも魅力のひとつだ。

使いやすさを重視して、あえて味の調整機能は絞る

「こだわり」の全自動コーヒーメーカーは、抽出設定を細かく設定できるものも多い。一方、RCD-1は「設定項目が増えると、コーヒーの知識がないユーザーにとって敷居が高くなる」という理由により、ユーザーが調整できるのは、豆の量と豆の粒度、そして湯量の3項目だけだ。

豆の量は、標準量である「0」を基準に、豆の量を約10%単位で5段階で増減可能。豆の量が増えれば濃い味になり、減らすことでスッキリとした味が楽しめる。豆の粒度とは、グラインダーの挽き目のこと。豆タンク内にあるダイヤルで「細挽き」から「極粗挽き」まで好みや豆にあわせて粉の大きさを変更できる。

RCD-1の説明をする袴田氏は「最近はお湯の温度や蒸らし時間、抽出時間などを細かく変更できるコーヒーメーカーもあるが、コーヒーの粒度と水の量を変更するだけでも驚くほど味のバリエーションが楽しめる」とコメント。気軽に楽しむべき自宅のコーヒーマシンには、設定項目は多すぎない方が使いやすいのではないかと語った。

また、実際に味の違いを体験するため、2台のRCD-1を使って同じ豆、同じ設定で挽き目だけを変更したコーヒーを振る舞った。

左が一番粒度が大きい設定の粗挽き、右は一番細かな粒度に設定した細引きの豆で抽出したコーヒー。まず最初に違いがわかるのがコーヒーの色。粗挽きは透明感のある赤みがかった色をしており、細引きは黒に近い濃い色。味も細引きのほうが苦みが強くドシンと重みがあり、ミルクと割ってカフェオレにしたら美味しいだろうと感じる味。一方、粗挽きはフルーティーで酸味が強く、そのままストレートで爽やかに飲める印象だ。粒度を変更するだけで、まったく違う豆のコーヒーを飲んでいるかのような試飲体験ができた。

グラインダー以外にも細かなこだわりが詰まっている

RCD-1は、蒸らし時間をコーヒー抽出量によって細かく変更するなど、グラインダー以外にもさまざまな工夫がある。たとえば、ガラス製付属サーバはフタに細長いノズルを搭載。抽出したコーヒーはノズルを通過してサーバ内で自然に対流するので「ドリップしたコーヒーの上の方だけ薄かった」という失敗がなくなったという。

目立たない部分にもこだわりを感じる。たとえば、必要な量のコーヒー豆を挽いたあとはグラインダー下にある白いパーツがスライド。これによりグラインダーへと続く粉の排出口が閉じる。抽出したコーヒーの湯気がグラインダー側に入り込まないので、グラインダーが湯気で濡れて劣化したり、本体上部に保存しているコーヒー豆が湿気るといった心配がない。

使いやすさと美味しさ、価格のバランスが良い製品

コーン式の全自動コーヒーメーカーということで、最初はコーヒーを趣味的に楽しむユーザー向けの製品かと思ったが、本製品は設定項目の少なさなどなどからむしろコーヒーマニアにはむいていない。どちらかというと、手軽に時間や手間をかけずに一定レベルの美味しさのコーヒーを飲みたい! という美味しさと手間、そして価格のバランスを重視する人に向いている製品だと感じた。

ちなみに、筆者が本製品をみて驚いたのは製品デザイン。レコルトといえば、赤やベージュといった「家電らしくない」カラーの製品が多いのだが、本製品は黒を基調とした落ち着いたシルバー色。ポップな印象を受ける同ブランドの従来製品と比較すると、高級感のあるデザインである。レコルトファンにとっては「レコルトらしさがない」と賛否ありそうなデザインだが、主張しすぎないデザインのため、どんなキッチンにも違和感なく設置しやすそうではある。

また、全自動コーヒーメーカーでありながら本体サイズは他社製品より比較的コンパクト。設置面積は約幅15×奥行き30cmとほぼB5ペーパーサイズなので、今まで全自動コーヒーメーカーは設置場所がなくて諦めていた人も要チェックだ。

製品情報

・希望小売価格:税別2万円
・製品サイズ:約幅15×奥行き30×高さ34.5cm
・製品重量:3.4kg
・豆ホッパー容量:60g
・容量:560ml
・抽出量目安:1〜4杯

取材・文/倉本 春

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