会議中、「なかなか発言ができない」「気の利いたうまい発言ができない」。そんな会議中の発言のタイミングや評価の上がるコツを押さえて、積極的に発言できるようになるためのポイントをビジネスコーチに聞いた。
■会議中に発言できない原因
会議中、なかなか発言ができない、もしくは、評価が上がるようないい発言ができないのはなぜか。主な原因を日本コーチ協会 京都チャプター 副代表を務める若狭 喜弘さんに聞いた。
●今回の「会議」の定義について
会議の「目的・テーマ・その日のゴール」が明確であり、「創造の場」「具体的な対策検討の場」である。また、会議における役割、会議後に責任を果たすべき役割が明確である会議。
●会議で発言できない主な原因
1.準備ができていない
「会議の目的、テーマ、ゴール、自分が果たすべき役割などの事実関係を十分に理解していないケース。口頭に上らない共通認識を理解していないため、どのレベルから話していいかわからないといったこともあります」
2.正しいことを言おうとしている
「正しいことを言おう、もしくは間違ったこと、恥ずかしいことを言いたくないという思いは、発言をとどまらせることがあります」
3.不利になること・責任が発生することが言えない
「個人、もしくは自分の部署や会社を守るために会議に参加している場合には、自分、もしくは自分の部署や会社が不利になることや責任が発生することが言えないこともあるでしょう」
4.自分の中でまとまっていない状態で話している
「結論がわかりにくい。話す順番が適切でないといった評価を受ける場合、自分の中でまとまっていない、完全に理解できていないことも原因です」
5.自分が選択する立場、判断する立場になろうとしている
「学校のテストのように与えられた選択肢の中から選ぼうとしている、もしくは教えてもらおうとする気持ちから、発言が積極的にならないこともあります」
●ファシリテーター(司会者)に原因があることも
場合によっては、出席者だけでなく、会議の進行役であるファシリテーターに原因があることもあるという。
「時に、ファシリテーターが意見を引き出す司会進行をしていない、会議の目的・テーマ・ゴールの事前告知が不十分で、その日のゴールに向けた準備をしていないことも、出席者が発言しにくい原因となります。結論が最初から決まっているかのような誘導的な進行、役職者、権限を持つ人の動向にだけ注目するような進行も、発言は限られた人になってしまうでしょう」
■会議で好まれる発言のタイミングは?
では会議中、評価が上がり、好まれるタイミングはどのようなときなのか。若狭さんは次の3つを挙げる。
1.会議の口火を切るとき
会議開始後の最初の発言。出席者みんなが警戒しあっているときに口火を切る。
2.議論が停滞したとき
・議論が停滞したとき、新しい視点から眺めた意見を投下する、もしくは終了を促す。
・停滞していて緊張を緩める必要があるとき、笑える具体例を話す。ただし、空気が重苦しいからと、真剣な話をしているときにそれを茶化すようなことはNG。
3.話が脱線したとき
(特に上位役職者が)長い話、関係の薄い話をして時間を独占しているとき、上手にまとめて本線に戻す。