小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

森永乳業の大人用粉ミルクが「宇宙日本食」認証を取得、骨粗鬆症が懸念される宇宙飛行士の健康をサポート

2020.10.06

宇宙飛行士の野口 聡一さんが搭乗するSpaceXの宇宙船「クルー・ドラゴン」の打ち上げを10月31日に実施することを米国航空宇宙局(NASA)が発表した。野口さんは国際宇宙ステーション(ISS)に半年間滞在する予定だ。日本人宇宙飛行士のISS滞在は2年ぶりで、宇宙でのクオリティオブライフを大きく左右する「宇宙食」にも注目が集まっている。

「ミルク生活」のおいしさを片岡愛之助さんと毛利宇宙飛行士が太鼓判

「おいしい牛乳」や「ビヒダスヨーグルト」などで親しまれている乳製品メーカーの森永乳業株式会社は、今年6月に「ミルク生活」が「森永ミルク生活(宇宙用)」として宇宙日本食の認証を取得したことを発表した。宇宙日本食とは、ISSに長期滞在する宇宙飛行士のストレス緩和や仕事の効率維持のために開発されているもの。ミルク生活は栄養をバランス良く取れるよう開発された大人用の粉ミルクで、骨粗鬆症が懸念される宇宙空間で手軽にカルシウムを摂取できるようになるのではないかと期待されている。有用宇宙飛行士の野口さんも「森永ミルク生活(宇宙用)」をISSに持ち込む予定だ。

JAXAから日本宇宙食として認定を取得した「森永ミルク生活(宇宙用)」

9月に開催された「粉ミルク製造100周年『森永ミルク生活(宇宙用)』宇宙日本食認証取得、宇宙打ち上げ記念イベント」では、同社のイメージキャラクターを務める歌舞伎役者の片岡 愛之助さんと宇宙飛行士の毛利 衛さんがゲストとして登場し、トークショーが行われた。二人は今回のイベントが初共演。片岡さんは「子どもの頃から拝見している毛利さんとご一緒できて光栄です」と宇宙柄のネクタイを見せながら宇宙への関心の高さをアピールした。

トークショーの様子。左から毛利宇宙飛行士と片岡さん

毛利さんによると宇宙食は、缶詰とレトルト食品、フリーズドライ食品に分類されると言う。中でも、ロケットでISSに輸送するには重量を抑える必要があるため、フリーズドライ食品が重宝されているそうだ。無重力下でも水が散らばらないよう、注射器のようなもので水を注入する作業が宇宙でできる唯一の料理なのだとか。また、毛利さんがISSに滞在した際は、ロシアやアメリカの宇宙食が中心だったが、今では宇宙日本食が40種類以上に増えたため、半年間の滞在でも飽きないのではないかとのことだ。

実際にミルク生活を試飲した片岡さんは「普通の牛乳よりも飲みやすいかもしれない」「歌舞伎では重い衣装を着るので骨は大事ですし、手軽に飲めるのはありがたいですね」とコメントした。毛利さんは、「日本人は味にうるさいので、他国よりも宇宙食として認定を取得するハードルが高いかもしれませんね」と笑った。

宇宙と言えば、俳優のトム・クルーズがISSでの映画撮影に挑むというニュースが話題になった。片岡さんに尋ねてみると「さすがトム様だと思いました」「僕も宇宙で歌舞伎をやってみたくて、どうすれば良いのか毛利さんに伺ってみたいと思います」と話した。訓練を受けた宇宙飛行士以外にも、映画撮影をはじめとする商業利用のためのスタッフや民間の旅行者がISSに滞在するようになれば、宇宙食の需要は一気に増加するのではないかと考えられる。

森永乳業担当者が語る宇宙食認定までの道のり

さらに記念イベントには、森永乳業 マーケティング統括部の小菱 悟さんが登壇した。宇宙用のミルク生活を開発するきっかけは、2017年11月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)より声をかけられたことだと言う。宇宙は未知の分野だったが、宇宙飛行士に話を聞く中で、宇宙飛行士が行うミッションの重要さや過酷な環境の中での生活の様子、そして筋力やカルシウムの低下など宇宙ならではの課題を知り、宇宙用ミルク生活の開発に挑むことになったとのことだ。「必要な方に商品を届けるのが私たちの使命」と言う言葉が印象的だった。

森永乳業 マーケティング統括部の小菱 悟さん

宇宙食の開発にあたりネックとなるのは、長期間の保存試験をクリアすることだと言われている。粉末状のミルク生活は18カ月の保存が可能であり、JAXAの基準も満たしていたことから、宇宙用ミルク生活は通常販売しているミルク生活の粉末をJAXA指定の容器にそのまま移し替えているそうだ。それでも日本宇宙食として認定取得までには2年半を要し、申請書は1,063ページに及んだという話から、宇宙食を開発するハードルの高さが伺えた。

森永乳業は1920年に「森永ドライミルク」の製造を開始し、同社の粉ミルク今年で製造100周年を迎える。小菱さんは、「宇宙食として認定を取得ができたのは、お客様に寄り添い続け、日々の研究開発を重ねてきた結果」だと説明し、次の100年に向けてもおいしさと健康を届けたいと意気込みを語った。

左から、宇宙飛行士の毛利さん、森永乳業 営業本部長の兵働さん、マーケティング統括部の小菱さん、イメージキャラクターの片岡さん

取材・文/井上榛香

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。