名作映画『カッコーの巣の上で』の衝撃的な前日譚が、Netflixに登場。
9月18日(金)より全世界独占配信がスタートした、オリジナルドラマシリーズ『ラチェッド』だ。
主人公は、『カッコーの巣の上で』の中で主人公たちを苦しめた、精神科病院の看護師長ラチェッド。ラチェッドがいかにして冷酷なモンスターへと変貌を遂げたのか、その知られざる過去を描いている。
主演・製作総指揮は、『アメリカン・ホラー・ストーリー』『アメリカン・クライム・ストーリー / O・J・シンプソン事件』のサラ・ポールソン。
ショーランナー・製作総指揮は、『アメリカン・ホラー・ストーリー』『glee/グリー』のライアン・マーフィー。
その他、出演者にシャロン・ストーン、シンシア・ニクソン、製作総指揮にマイケル・ダグラスと、キャスト・制作陣ともに豪華な顔ぶれだ。
あらすじ
「軍では1人の命を救えばヒーロー、100人を救うのが看護師よ」
1947年、北カリフォルニア。当時としては最先端の精神科病院である州立病院ルシアに、元従軍看護師のミルドレッド・ラチェッド(サラ・ポールソン)がやってくる。
「人手が足りているから」と一度面接を落とされたのだが、ラチェッドは“裏技”を使い、ほぼ無理やり自分を採用させたのだ。
この病院で行われているのは、精神病患者の性格を治療する“ロボトミー手術”の実験。
病院の経営者であるドクター・ハノーバーは、空想癖、同性愛、そう病、記憶障害などの“病気”が、ロボトミー手術によって治療可能だと主張する。
ラチェッドが病院に採用された直後、神父殺しの殺人鬼エドモンド・トールソン(フィン・ウィットロック)が精神鑑定のため入院した。
檻の中に入れられたエドモンドに対面したラチェッドは、謎の涙を流す。
ラチェッドはなぜ、涙を流したのか?なぜ、この病院にそこまで執着するのか?
精神科病院で過酷な業務を行う日々の中、次第に彼女の過去と目的が明らかになる。
見どころ
孤独な生い立ちを抱えたラチェッドは、厳格な性格の中に、看護師としての誇りと患者への慈悲の心を併せ持つ女性だ。
でも何かがおかしい。どこかズレている。
ほとんど笑顔がなく、いつもこわばった表情。頑なで、融通が利かない性格。何か小さなきっかけで爆発しそうな、一触即発の雰囲気を常に醸し出している。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズでライアン・マーフィーから絶大な信頼を寄せられているサラ・ポールソンは、「ラチェッドを深く掘り下げて演じる機会を得た私は、なぜ彼女はこれほど冷酷なのか、どうして孤立しているのかを理解しようとしました」と語っている。ポールソンの卓越した演技力には、今回も圧倒されるばかりだ。
そして、『アメリカン・ホラー・ストーリー: 怪奇劇場』で、マザコン白ブリーフ快楽殺人鬼お坊ちゃまダンディ・モットとして怪演を見せた、演技派俳優フィン・ウィットロックが本作でも殺人鬼役で大活躍。端正な顔立ちに尋常でない目つきが光る演技が、相変わらず怖い。
毒々しい色鮮やかな映像もまた、いい感じに不気味さを増している。『アメリカン・ホラー・ストーリー』らしさが随所に散りばめられており、“アメホラ”ファンにはたまらないはずだ。
Netflixオリジナルシリーズ『ラチェッド』
独占配信中
文/吉野潤子