関西でメジャーな電子マネーといえば、電車に乗れて買いものもできるICOCA(イコカ)でしょう。iPhoneユーザーならSuica同様にApple Payに登録して使うことを期待してしまいますが、残念ながら2020年9月中旬現在、ICOCAはApple Payに対応していません。Apple Payに対応しているのはSuica。そして、Suicaは実は関西でも意外に使えます。関西でSuicaを使う方法を紹介します。
Apple PayでICOCAは使えない
電車に乗れて、買いものもできる交通系電子マネーは便利ですね。関東ではSuica、関西ではICOCAがメジャーですが、SuicaがApple Payに対応し、iPhoneをかざして使える一方、ICOCAはApple Payに対応していないので、iPhoneでは利用できません。
Apple PayにICOCAが対応するのはいつ?
関東の私鉄・バス事業者が取り扱っている「PASMO(パスモ)」が2020年中にApple Payに対応すると発表していますので、ICOCAのApple Pay対応にも期待している人は多いことでしょう。しかし現在、ICOCAの対応については残念ながら何も情報がありません。
Apple Payに対応しているSuicaを利用
iPhoneに対応している交通系電子マネーは、2020年9月中旬現在、Suicaのみです。SuicaはJR東日本が発行しているので主に関東で使われていますが、エリアをまたがなければ関西でも改札を通過できますし、買いものも可能です。SuicaはiPhoneのアプリ内で新規発行できますので、関西にいても簡単に持つことができます。
Apple PayのSuicaを関西で使う方法
Suicaのプラスチックカードがなくても、iPhoneで直接Suicaを新規発行できます。iPhoneにプリセットされている「Wallet」アプリ、またはApp Storeから「Suica」アプリをダウンロードし、そこからSuicaを発行できます。
Apple PayにSuicaを登録する
ここでは、Walletアプリを使ってSuicaを発行する方法を紹介します。iPhoneでSuicaを使えるのはFeliCaに対応したiPhone 7/7 Plus以降です。
Walletアプリを開き、画面右上の「+」をタップします。
「続ける」をタップ。
「Suica」をタップ
「¥1,000」「¥3,000」「¥5,000」をタップするか、好みの金額をテンキーで入力し、「追加」をタップ。
利用規約を確認し「同意する」をタップ
Walletアプリに登録しているクレジットカードで入金額の支払いをすると、チャージされたSuicaが発行されます。有効な支払いカードがWalletアプリに登録されていない場合はカードの登録が促されます。
Apple PayのSuicaにチャージする方法
関西でSuicaを使う場合、一定の金額になったときに自動でチャージされる「オートチャージ」が使えません。手動によるチャージが必要なので、チャージ方法を把握しておきましょう。
Apple PayのSuicaに現金をチャージする
Apple PayのSuicaへの現金でのチャージは、交通系ICカードの使えるコンビニのレジ、セブン銀行のATMでできます。また、JR東日本のモバイル端末対応Suicaチャージ専用機でも現金でのチャージが可能です。
Apple PayのSuicaにクレジットカードでチャージする
WalletアプリやSuicaアプリにクレジットカードを登録すると、いつでもチャージできて便利です。ここではWalletアプリでチャージする方法を紹介します。
WalletアプリでチャージしたいSuicaをタップして選び、「チャージ」をタップ。
チャージしたい金額をタップして選ぶか、テンキーで入力し、「追加する」をタップ
Walletに登録されているカードで支払いするとチャージされます。
Apple PayのSuicaで改札を通過する
画像はAppleのサイトより
Apple PayのSuicaで改札を通過する際には、読み取り機にiPhoneの先端部分をかざすようにします。きちんと読み取りされるとiPhoneが鳴動します。
Apple PayのSuicaで貯まるポイント
Apple PayのSuicaを使うことで貯まるポイントは、チャージで使うクレジットカードのポイント、SuicaでJR東日本の鉄道を使ったり、電子マネーを使って買いものをしたりしたときに貯まる「JRE POINT」があります。関西で使っている限りでは、JRE POINTはそれほど貯まらないかもしれませんが、クレジットカードをチャージで使うことで、集めているポイントを貯めることができます。
Apple Payの対応カードは?
Apple Payは、多くのクレジットカード、プリペイドカード、一部デビットカードに対応しています。Walletアプリを使ってカードを登録し、Suicaのチャージに利用しましょう。iPhone 8/8 Plus以降では12枚までカードを追加できますので、手持ちのカードが登録できるか試してみるといいでしょう。
Walletアプリのカードの追加で「クレジットカード/プリペイドカード」を選ぶと、カメラが起動。カードの券面を写し、カード情報を簡単に入力することができます。
これからカードを作る場合は、目当てのカードがApple Payに対応しているかどうか、カードのサイトで確認することをおすすめします。
Apple Payの対応カードにVisaブランドは含まれない?
Walletアプリにカードを登録する場合、Visaブランドのカードは少し注意が必要です。Visaブランドのカードは、お店のレジでiPhoneをかざして支払うには問題ありませんが、Webサイトやアプリ内でApple Payで支払う際に選択することができません。つまり、WalletアプリでSuicaにチャージする場合、Visaブランドのカードは使えません。
ただし「Suica」アプリにはVisaブランドのカードも登録でき、チャージに問題なく使えます。Visaブランドのカードしか持っていない場合は、Suicaアプリにカードを登録し、Suicaアプリでチャージするといいでしょう。
機種変更する際にApple PayのSuicaはどうしたらいい?
まず、Apple PayのSuicaからAndroidの「モバイルSuica」には情報を引き継ぐこと(機種変更)はできません。この場合、Apple PayのSuicaは一旦退会することになります。
iPhoneから新しいiPhoneに機種変更するのは簡単です。古いiPhoneでWalletアプリを起動し、Suicaを選択してカードを削除します。こうすることでSuicaの情報はサーバに退避されます。
WalletアプリでSuicaカードを選び、画面右上の「…」をタップ
カードの詳細画面を下にスクロールし「このカードを削除」をタップ。Suicaの情報がサーバに退避されます。
その後、新しいiPhoneで自分のApple IDとパスコードでiCloudにサインイン。その後、Walletを起動し、Suicaを追加する手続きをすると、退避させていたSuicaが表示されるはずです。選択し、指示に従って手続きを進めると、Suicaが新しいiPhoneに再登録されます。
Suicaの定期券は無理ですが、関西でもApple PayのSuicaで電車に乗って、買いものができ、カードでチャージはいつでも可能で、利用分のポイントも貯まります。関西でも便利なApple PayのSuicaを使ってみてはいかがでしょうか。
※データは2020年8月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
※本記事はカードの利用を推奨する目的はありません。あくまで自己責任にてお願いします。
文/房野麻子