UMAの代表格だったチュパカブラ、正体は犬だった!?
突然だが、あなたは未確認生物……通称UMAの実在を信じているタイプだろうか。
筆者はイエティとかネッシーといった謎の生物についての書籍を読むのが昔から大好きだ。
だから心のどこかではその実在を信じている節がある。
もちろん、その真相は捏造だったり、違う動物をUMAと見間違えているだけというパターンばっかりなんだけど……。
一頃昔には日本でも話題になることが多かったUMAのチュパカブラもまた、そういうパターンの一種であることが近年では有力視されつつある。
チュパカブラをおさらいしよう!
本題に入る前に、まずはチュパカブラというUMAについて、軽く振り返ってみたい。
チュパカブラは主に南米で目撃報告があがっており、これまでに1000件もの被害が発生しているという。
その被害とは、吸血。
恐ろしいことにチュパカブラは家畜を襲い、その血を吸うと言われていたのだ。
しかも、襲われるのは家畜だけではない。ペットも狙われることがあったし、人間が襲われたというケースも報告されている。
容姿も独特で、身長はおよそ1〜1.8メートル。全身は緑色とも黒ともされており、カンガルーのように直立歩行やジャンプをする。瞳の色は赤で、場合によっては飛行すらも可能と考えられてきた。
そして背中にトゲが並んでいたという報告もあり、まるで怪獣のようである。
90年代の初頭から立て続けに南米で目撃されるようになり、実に多くの人々が「実際に見た」と主張している。
チュパカブラ、その容姿の変遷
先ほどの項目で、チュパカブラの大雑把な容姿についても説明したところだが、実はその容姿というのは、90年代初頭に目撃されたケースに合致するものだ。
不思議なことに、以降に目撃されるチュパカブラともなると、四足歩行になっていたり、急に血を吸わないパターンが増えてしまう。
90年代も後半になると、大体がこのタイプとなってしまう。これは現在でも変わらない。
四足歩行で、トゲもなく、目も赤くなく、ただただ目撃者を驚かせるだけ。
これが現状のチュパカブラである。
その正体についてはそもそも捏造という説もあれば、現地の悪魔崇拝者のコスプレだという説もある。
完全なる未知・未確認の生物という主張が、今ではあまり盛んに叫ばれてはいない。
それどころか、チュパカブラの正体はイヌ科の動物であり、それを誤認したものだという説まで浮上し、しかもこれがかなり根強い。
現地では野犬も多く、コヨーテなども生息している。しかもそういった動物の健康状態もあまり良くはないようで、疥癬で体毛が抜け落ちてしまい、一見すると怪物のように見える個体もいるそうだ。
そのような動物が家畜を襲うことも現実的には考えられること。
遠目に見ると、まるで未知の生物が牧場を襲撃しているように見えないこともないのかもしれない。
おわりに
チュパカブラが実は犬を誤認したものだとしたら、大変に残念な話ではある。
ただまあ、現実的に考えればトゲの生えた緑色の吸血生物なんているわけがないので「そりゃそうでしょ」って話なんだけど……。
それにしても、UMA情報って基本的には、どんどん話が盛られてスケールが大きくなるものだ。
しかしチュパカブラについては全く逆を行っている。ここは面白い。
話に尾ひれがついて盛られるパターンはあるけど、逆に時間が経つにつれて過剰装飾が失われていくパターンは滅多にない。なにせあれだけ世界中で話題になっていながら「正体は犬説が有力視されている」なんだもん。
思わず「チュパカブラ 正体見たり 野良の犬」と一句詠んでしまった。
文/松本ミゾレ(PETomorrow編集部)
参考資料/「猫好きが気になる50の疑問」(加藤由子著・サイエンス・アイ編集部編・ソフトバンク クリエイティブ刊)
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