■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所
ミラーレスの活用で高画質を実現しよう
テレワークの定着でWebカメラの売上が伸び人気モデルは品切れになることも。その後、一部の一眼レフやミラーレスをPCと接続できることが判明、高画質な動画が配信できるようになった。カメラメーカーもPC用接続ドライバーを開発して無償で提供し始めている。本サイトも6月に「FUJIFILMのミラーレスをWebカメラ化する」を公開している。残念なことに私が所有する「X-E3」は該当機種ではないため使えなかった。
そんな中、サンコーレアモノショップがHDMI出力があるデジカメなら何でもWebカメラ化できる「HDMI to USB WEBカメラアダプタ」を発売。価格は何と2980円のハイコスパだ。早速、借用して検証した。
紙パッケージを開けると日本語説明書、デモソフトCD、カメラアダプタが入っていた。
設定はカンタンで効果は抜群!
ミラーレス側の設定は不要で、PC側もドライバーなどは不要、とりあえずケーブルを接続するだけで認識される。テレワーク用アプリを起動したら、カメラの設定画面でUSB Videoを選択すると、接続したミラーレスの画像が表示されるはずだ。Zoomの場合は元の比率を選択すると左右が欠けなくなる。背景を合成する場合は16:9のままでも構わない。
実際にZoom接続してみて分かったのだが、モニター画面の画像がそのまま反映されるので、絞り値やシャッター速度などの撮影データが表示される。つまり撮影情報は非表示にする必要がある。グリッドもOFFにする。これだけやってもAFフレームが写り込むミラーレスがあった。FUJIFILMは自動的に消えるのだが、OLYMPUSではフレームが残るので、気にならない位置に移動するか、MFに切り換えて非表示にする。
Zoomの場合は設定のビデオからUSB Videoを選択、元の比率をにすると左右が欠けない。
ミラーレスならズームレンズを使っても絞り開放にすると背景がボケた映像になる。
こちらがフルHDのWebカメラの映像。背景はボケずにコアラの毛並みもザラザラになる。
背景合成画面でも違いは歴然だ
Zoomを使う場合、背景は合成することが多いが、人物を切り抜く際にもミラーレスを使った方がメリットがある。まず、画質の向上、さらに明るさが自由に調整できる。ズームレンズを使えば人物の大きさも調整できる。特にLEDライトなどを使わなくても、露出補正だけで人物を明るくできるのは有り難い。特に拙宅は後ろが窓なのでWebカメラを使うと明るい窓に露出が調整され人物は暗くなってしまうのだ。また、Webカメラでは画像が粗く、背景との合成が不自然に見えたが、ミラーレスを使えばより自然な感じになった。
明るい単焦点レンズを使えば、背景を完全にぼかせるので、部屋をかたづけなくても、どこからでも背景合成なしでZoomが始められる。カメラ側の電源供給さえ気を付ければ、ミラーレスをお手軽にWebカメラとして使える極めてハイコスパなアダプタと言える。
フルHDのWebカメラを使って背景を合成、人物が暗くなってしまった。
ミラーレスを使えば露出補正で人物を明るくして、サイズも調整できる。
OLYMPUSの単焦点レンズ25mmF1.8の背景のボケ味。マイクロフォーサーズでもかなりボケる。
APS-CサイズのFUJIFILM「X-E3」と単焦点レンズ7Artisan 35mmF1.2の背景のボケ味。
写真・文/ゴン川野