東南アジア、タイ・バンコク。
”微笑みの国”として知られるタイ。
筆者もそうだが、この国にハマる日本人が多いことは周知の通り。
美しくもありながら、どこかで昔ながらの”アジアの臭い”を感じさせるのがタイ。
”時間の交差点”ともいうべき、いろいろな顔を持っているところに沢山の人が惹かれるのだろう。
実際、バンコクの街を歩いていると日本人の姿を見かけないことはないといっても過言ではないのですが、いま、現地では日本人に知られていない”新しいタイ”の世界が広がっている。今後、何回に分けてご紹介したい。
今回のキーワードは、”オーガニック”。
タイで広がるオーガニックブームは日本にも商機!
いま、バンコクの富裕層、いや富裕層には限らず中間層もしかり。空前のオーガニックブームが起きていること、ご存知だろうか。
筆者がこの状況を初めて知ったのは2年前になる。
とある高級タイ料理店で現地の富裕層のマダムと会食していたときだ。ちなみに、ミシュランの星も獲得するほどのお店である。
”クニヒロサン、トムヤンクンのエビ、私は食べないからあなたが食べてね”
”え? ありがとうございます。でも、なぜ食べないのですか?”
”テレビで見たのよ。エビの養殖場って化学品をたくさん使ってるところが多いし、場合によっては発がん性物質が含まれることもある、って。あなたも水産業の仕事やってるから本当は知ってるんでしょう?”
”ええ、確かにそういう養殖場があるのは事実ですが、全てがそうではないですが・・・”
”いずれにせよ、ここバンコクでは、安全は自分で求めないといけないの。だから、私は食べないわ。”
ここでビビッと来た私。会食はそそくさと終わらせ、マダムに案内されるがままに街の中心部に戻った。
案内された先は、”レモンファーム”と呼ばれるオーガニックスーパー。バンコク市内で20店舗弱展開している。
マダムは言う。
”私はレモンファームでしか購入しない。しかも、バンコクは渋滞が多いから、全部GRABなどで配達してもらってるわ。渋滞にハマる時間がもったいないから、時間をお金で買う感じね。”
中にはタイ産はもちろんのこと、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド産を中心としたオーガニック食品。
あまりの日本産の少なさに、これ以来、日本国産のオーガニック野菜の輸出業を始めたことは拙著『なぜ僕は「ケニアのバラ」を輸入したのか?』でも記した通り。
経済成長著しいタイが見せる新しい姿
実際、今のバンコクにはこうしたナチュラル・オーガニック系のカフェが急増している。
日本人を見かけることもあるが、顧客層の大半はタイ人や現地在住のヨーロッパ人などである。
有名なところでは、タイの有名な女優、スリリタ・ジェンセン(Sririta Jensen)の運営するOrganika Caféや、
ヴィーガンカフェとして人気を誇り、実際に沢山のグルメアワードを受賞しているVEGANERIE Conceptなど。
コロナが明けてまた旅できる日がきたら、是非タイでそんな場所を訪れてほしい。
決してオーガニックが好き、ヴィーガンが好き、でなくて構わない。
ここでは、”タイの新しい姿”を体感できるのである。
文/小林邦宏
旅するビジネスマン。これまで行った国は100ヶ国以上。色んな国で新しいビジネスをつくるおじさん。
現在は新型コロナウィルスの影響で海外渡航制限中により国内で活動中。
オフィシャルサイト:https://kunihiro-kobayashi.com/
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Twitter: @kunikobagp
著書:『なぜ僕は「ケニアのバラ」を輸入したのか?』(幻冬舎)