■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
2020年9月19日から21日、幕張メッセで「東京キャンピングカーショー」が開催された。
ビルダー自慢の新型車両がズラリ並ぶ中、今回は数が少ないもののキャンピングトレーラーの存在感が増していた。
軽自動車でも牽引可能
山小屋をイメージした軽キャンピングカー「レジストロ」が話題のMYSミスティックが牽引免許不要のトレーラー「レジストロクコ」を発表。全長3525mm、全幅1700mm、全高2240mm、重量480kg。軽自動車でも牽引できるかわいいサイズだ。
内装はレジストロ同様、山小屋風。小さいけれども室内高は1690mmでまずまず行き来できる高さを確保している。3名就寝。
コンロ、シンクなども装備。オプションでソーラーパネルやリチウムバッテリーセットなどを追加できる。
前方の壁はヘッド車側に傾斜しており、その分ゆったり。どことなく幌馬車に似たデザインだ。
より防災機能を意識
全長5500mm、全幅2100mm、高さ2580mmで、重量750kg。普通免許で牽引できるサイズに、灯油式FFヒーター、バッテリー充電用ソーラーパネル、ポータブルトイレなどいざというときに役立つ装備を搭載している。
インディアナRV/エメロード406Vエディションプレミアム(288万円〜)
U字型ラウンジソファーは2人用ベッドに展開する。ほかにもベッドがあり、就寝定員は最大5名。二重窓、そして屋根と壁は30mm・床には42mmの断熱材を使用しており外気の影響を受けにくいことも頼もしい。
エントランスが右側に付いたエメロード376Vエディションプレミアム(288万円〜)。ソファーが対面式で、トイレなど仕様が異なるものの、こちらも牽引免許不要だ。
インドア派のためのトレーラー
エアストリームのようなメタリックのアルミボディは普通免許で牽引できる重量700kg。「キャンプブームに乗っかりたいけれどインドア派」のためのトレーラーを目指したという。
全長4520mm、全幅2110mm、全高2160mmで、就寝定員は2名。
ゴリゴリのアウトドア派がターゲットではないので、スッキリとした都会的なインテリアになっている。エアコン、ソーラーパネル、FFヒーターヒーターなど快適装備の搭載も可能だ。
上の丸いキャップを外すとシャワーを引き出せるので、バーベキューやペットとの旅に役立つ。下側のディスクはタンクに水を入れるためのもの。
ゴージャス装備で500万円以下
全長7310mm、全幅2320mm、全高2570mm。重量1240kg。牽引免許が必要だが、トイレもギャレー(キッチン)もゆったり。同クラスの装備を搭載したキャンピングカーなら600万円以上は必要だ。
インディアナRV/クナウス スポーツ500EU シルバーセレクション(388万円〜)
ツインベッドは間を埋めてキングベッドとしても使える。2〜3名利用ならソファを展開不要ですぐにベッドに寝転べるのがいい。就寝定員5名。
ダブルベッドに展開できるラウンジソファー。右側のドアがトイレで、シャワールームとしても使える。
牽引免許(750kg以上のトレーラーに必要)、高速料金(中型または大型扱いにワンランクアップ)、保険(一般に、連結時の事故はヘッド車の保険が適用されるが、トレーラーの車両保険は別途必要)、駐車スペースの確保(ヘッド車と連結させて動かすので出入り口が広いほうが便利)などいくつか注意すべき点はあるが、キャンピングトレーラーは、エンジンがない分、車両価格や重量税、車検費用が抑えられるし、室内のレイアウト自由度も高い。
運転、とくにバック時にコツが必要だが切り離せば小さな部屋になる。キャンプ旅はもちろん、テントなどの準備がいらないのでワーケーションの基地としても使いやすいのだ。近年は山を手に入れるキャンパーをちらほら見かけるが、開拓のベースにもなり得る。
さらには、災害時には避難中でもプライベート空間を得られるし、ソーラーパネルとバッテリーで最低限の電気を確保できる。この点はキャンピングカーと同じだが、キャンピングトレーラーのほうが低予算で豪華な設備をいれられる。
ベースとなる場所を中心にヘッド車だけであちこち巡りたい人、より設備を充実させたい人は、キャンピングトレーラーが狙い目だ。
取材・文/大森弘恵