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「ねこ=寝る子」説が有力?覚えておきたい「猫」の由来と言葉の成り立ち

2024.06.29

『猫』は動物の名前ですが、どのような経緯で付いた名前なのでしょうか?由来は諸説ありますので、有名なものからあまり知られていないものまで紹介します。また、漢字の成り立ちについても知っておくと、マメ知識として役立つこともあるでしょう。

日本語「ねこ」の語源は寝子から?

猫の名前について、どのような由来があるのかは定かではありませんが、有力だとされる説はあります。その語源について、まずは有名な説から見ていきましょう。

寝る子=ねこが有力

最も有力だと考えられている由来が、『寝る子』です。猫といえば、日なたぼっこをしながらウトウトと寝ている姿を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?

猫は、通常14時間近く寝るといわれています。子猫の場合は約20時間で、ほぼ1日中寝て過ごしていることになります。そのため、寝る子と呼ばれるようになり、それが『ねこ』に変化したという説です。

寝姿はかわいらしく癒しにもなりますが、ものぐさで怠けているイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、これには『薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)』という習性が関係しています。本来は昼間は寝ていて、明け方と夕方に狩りをするなど、効率よく狩りをするために活動的になる時間が限られている動物なのです。

ペットとして飼われるようになり、狩りをする必要はなくなっても、野生の頃の習性が残っていると考えられています。

寝と子以外の当て字

平安時代の書物によると、猫は『ねこま』と呼ばれていました。ねこまには、いくつもの当て字が使われていたようです。

例えば、『鼠神』『鼠小待』『鼠好』などがあります。どれも『鼠(ネズミ)』という漢字が使われているのが、気になる人もいるのではないでしょうか?後ほど詳しく紹介しますが、猫がネズミを追い回して捕獲する習性が関連しています。

他にもある猫の由来諸説

紹介した以外にも、猫の由来はいくつもあります。今も昔も猫は人々にとって、なじみ深い存在であったといえるでしょう。具体的にはどのような説があるのでしょうか?

ねうねうという鳴き声が由来説

鳴き声から名前が付いたとされる説もあります。現在は『ニャーニャー』と表すのが一般的ですが、かつては『ねうねう』と表現されていました。

鳴き声に小さいものという意味の『子(こ)』を付けて、『ねうねうこ』と呼ばれていたのです。それがいつしか短縮されて、『ねこ』になったと考えられています。

かつては、小さいものには語尾に子を付ける習慣があり、愛称のような意味合いがあったようです。現在も親しみを込めて『にゃんこ』と呼ぶのと同じような感覚だったのかもしれません。

「ねこま」が由来説

平安時代の書物には、『ねこま』と記されているため、ねこまが由来とする説もあります。寝るのが好きという意味の『寝』と『好む』を組み合わせた『ねこむ』から『ねこま』になり、『ねこ』になったと考えられているのです。

また、『鼠』と『神(こま)』を組み合わせて『鼠神(ねこま)』としたという説もあります。猫がネズミを捕まえる習性があるのは、よく知られています。近年は、家庭でネズミを見掛けることはほとんどありませんが、昔の人はネズミから大切な食べ物を守ってくれる猫を守り神の様に大切にしていたようです。

寝るのを好む魔物という意味から『寝小魔(ねこま)』や、標的のネズミをじっと待っていることから『鼠子待(ねこま)』という当て字も使われていました。

ネズミが好きだから説

江戸時代の書物には、ネズミを捕まえるのを好むという意味の『鼠を好む』が、ねこという言葉に変化したと記されているようです。

多くの国で、猫がネズミを追い回して捕まえることは広く知られています。大切に育てて収穫した食料を食べられてしまうなど、生活に支障をきたすネズミを駆除するために一役買っていたという歴史もあるほどです。

猫とネズミの関係性を題材にした物語やアニメが多いので、猫は『ネズミ好き』としてよく知られるようになりました。

猫の漢字の成り立ち

漢字には、さまざまな意味が込められています。『けものへん』と『苗』が組み合わさった猫には、どのような意味が込められているのでしょうか?

苗は猫の鳴き声にちなむとされる

犬の形が元になっている『けものへん』は、犬と似ている動物や狩猟に関連する言葉に使われています。その観点からすると、猫という漢字にけものへんが使われているのは、理にかなっているといえます。

それでは、なぜ『苗』という漢字が使われているのしょうか?実は苗は、『びょう』もしくは『みょう』と読み、猫の鳴き声を表しているのです。

元々、猫は中国から日本に渡来した動物です。国によって動物の鳴き声が違って聞こえることはよく知られていますが、中国での鳴き声は『びょう』や『みょう』と表現されています。

しなやかな体型を表したという説も

苗という漢字が使われるようになった背景には、もう一つの説があります。猫の特徴を表したというものです。

土から出てきたばかりの苗は、か細くしなやかなで、猫の特徴や動きと似ているということから、この漢字が選ばれたと考えられています。

猫は高い場所から落ちてもしっかり着地できたり、足音を立てずに素早く高い木に登れたり、他の動物と比較すると動きもしなやかなことが特徴です。その優雅な動きを表した漢字が苗であり、けものへんと組み合わせて、『猫』という漢字になったといわれています。

「猫」がつく苗字

猫が好きなら「猫」がつく苗字にあこがれるかもしれません。

全国的にも珍しいのですが「猫」がつく苗字には「猫田」「猫塚」「猫本」「猫宮」「猫島」などがあるようです。

地名に由来している場合が多いようです。

構成/編集部

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