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仕事も〝ときめくかどうか〟が重要!こんまり流片づけメソッドをオフィスで活かす方法

2020.09.24

公開型の集合研修サービス「リクルートマネジメントスクール」で、2020年7月28日からはじまった新コースに『ビジネスで活かす「こんまり(R)メソッド」~“ときめき”基準で考え・決断し・行動する「片づけの魔法」実践法~』。“片づけたら二度と散らからない”魔法の片づけ術として世界的に人気のメソッドを、ビジネスに活かすというのだ。

片づけ術をビジネスに活かすということ自体、なんだか新しい。今回は、そのメソッドの特徴と概要と共に、ビジネスに活かす方法の概要や効果を紹介する。

「こんまり流片づけメソッド」とは

「こんまり流片づけメソッド(以下、こんまりメソッド)」とは、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんが提唱した片づけ法だ。片づけに対して、精神性を持たせるなど新しいアプローチをとり、日本だけではなく世界中で注目を集めている。

近藤麻理恵さん

その「こんまりメソッド」普及のための啓蒙活動などを行うKonMari Media Japan株式会社 代表取締役社長の砂子貴紀さんは、このメソッドの特徴について次のように解説する。

【取材協力】

砂子貴紀(まなご・たかのり)さん
KonMari Media Japan(株)代表取締役社長
三重県生まれ、横浜市在住、3児の父。早稲田大学卒業後、3M Japan(株)に入社。その後 プルデンシャル生命保険(株)に入社し、営業職、マネージャー職を経て、歴代最年少の32歳で支社長に就任する。2019年7月KonMari Media Japan(株)代表取締役社長に就任。こんまり(R)メソッド(TM)(KonMari Method(TM))をベースにした商品開発・研修事業等を牽引し、自社組織経営においてもティール組織経営、ホラクラシー経営を実践するなど経営手法においても注目されている。早稲田大学やリクルート社において講師としても登壇している。
企業向け研修、セミナー実施に関する問い合わせ先:event@konmari.com

「特徴の一つは、片づけ中にモノを『捨てる』のではなく『選んで残す』こと。そして、必要性や機能性で選ぶのではなく、自分の感情である『ときめき』で選ぶこと。そうした片づけの過程を通じて、仕事、人間関係など、人生全般に変化が起こるライフチェンジングメソッドとして、世界中で感動と共感を得ています」

「こんまりメソッド」の実践ルール5つ

自宅が散らかしっぱなしで、こんまりメソッドを知りたいと思った人も多いだろう。そこで今回は、こんまりメソッドのもっとも大事なルールを見ていこう。

ルール1:「理想の暮らし」を考える。

まずは「自分が片づけをしようと思ったきっかけ」、つまり「片づけの目的」をじっくり考えることに取り組む。

その片づけが終わった後、自分が「片づいた部屋で生活している様子」がありありとイメージできるくらい、具体的に考えるのがポイントだ。

ルール2:「モノ別」に片づける。

片づけるときには「場所別」ではなく「モノ別」に片づけていく。

片づけられない原因は、モノが多いから。モノが増えてしまう原因は、自分が持っているモノの量を把握できていないからだという。モノの量を把握するためには、自分の持っているモノをカテゴリー別に収納から出して見てみることが重要だ。

ルール3:触った瞬間に「ときめき」を感じるかどうかで判断する。

「何を捨てるか」ではなく「何を残すか」で判断する。モノを一つひとつ手にとって触れ、体の反応を感じて、ときめくモノは残し、ときめかないモノは手放す。

こうすることで、自分にとって「持っていて幸せになる」「心がときめく」モノだけに囲まれた生活を手に入れることができる。

ルール4:正しい順番で片づける。

片づけをするときは「衣類→本類→書類→小物類→思い出品」の順番で進めていく。

この順番で片づけることで、「ときめきでモノを選ぶ」ための判断力や感性が少しずつ磨かれ、スムーズに片づけを進めることができる。

ルール5:家にある「あらゆるモノの定位置を」決める。

選んだ「ときめくモノ」すべてのモノの定位置を「一つ残らず」決める。

一つでも住所不定のモノがあると、散らかる可能性が一気に高くなる。モノの定位置さえ決まれば、使った後は定位置に戻すだけで、片づいた状態をキープできるようになる。

「こんまりメソッド」をビジネスで活かす

こんまりメソッドは、ビジネスに活かす方向性もあり、このほどリクルートマネジメントスクールの研修に取り入れられた。

ビジネスにおいては、「物理的な片づけ」と「非物理的な片づけ」でこんまりメソッドを応用できるという。

●物理的な片づけ

「物理的な片づけはオフィス空間などで、通常の自宅の片づけと同様、本類・書類・小物の順で片づけをしていきます」(砂子さん)

●非物理的な片づけ

「オフィス領域では特に、データやスケジュールといった非物理的なテーマにも直面します。こんまりメソッドは『時間・人脈・チーム・会議』などの非物理的な片づけにおいても業績や業務効率を上げるほどの効果を及ぼします。具体的には売り上げや利益の増大、コストカット、並びに社員同士のコミュニケーションの円滑化などが実例としてあがっています」(砂子さん)

具体的には、どのように『時間・人脈・チーム・会議』などの非物理的な片づけへメソッドを活かすのだろうか? リクルートマネジメントスクールで当研修を担当するHRテクノロジー事業開発部公開サービス開発グループの渡部数満さんは次のように解説する。

【取材協力】

渡部 数満さん
リクルートマネジメントソリューションズ HRテクノロジー事業開発部公開サービス開発グループ
リクルートマネジメントスクールの商品企画・サービス開発およびラーニングテクノロジーに関する新事業の企画・開発を担当。「学びのテーマパーク」をコンセプトに、1人でも多くのビジネスパーソンが楽しく学べる場の提供に注力している。

「私たちは仕事の中で日々、判断や選択、意思決定を行っていますが、そうした決断業務というのは、人によってはストレスフルであったり、難易度が高かったりするものですよね。特に昨今のような大きな環境変化が起こり、ルールが変わった状況ではなおさらです。そうした答えの見えない中で意思決定するためには何をよりどころにすればよいのか、そんな問いや悩みに答えてくれるのが、実はこんまりメソッドなのではないかと思います。

こんまりメソッドの判断軸はシンプルで、『ときめくかどうか』です。ときめきと聞くと、人によってはメルヘンな印象があるかもしれませんが、実は奥深い概念で、要は“自分が一番大切にしている価値観”のことを示しています。“自分軸”とも言いますよね。そのため、ときめきに照らしてみると、判断軸が明確になり、実にシンプルかつスピーディに意思決定を行うことができるようになるのです。

単にモノやコトが片づくということに留まらず、シンプルに考え決断していく思考法や思考習慣を手に入れることにつながるととらえれば、それは立派な汎用ビジネススキルなのではないかと思います」

ビジネスに「ときめき」の判断軸を持ち込むというのは画期的だ。まずは自宅やオフィスのマイデスク周りの片づけから取り入れてみるのもいいだろう。そしてビジネスに応用することで、“魔法”の効果を得られるかもしれない。

【参考】
こんまりメソッド「5つの原則」
https://konmari.jp/about/

リクルートマネジメントスクール「【新研修】ビジネスで活かす「こんまりメソッド」~“ときめき”基準で考え・決断し・行動する「片づけの魔法」実践法~」
https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000314/?adid=200702list494&cp1=200702list494

取材・文/石原亜香利

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