■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
仲間とともにキャンプ場でバイトしながら日本全国を旅してきたブロガー、ライターの佐久間亮介さんが考案したソロ用ロッジ型テントが発売されると聞き、一足早く見学させてもらった。
「森の中にたたずむ、自分だけの宝物を詰め込んだ小さなガレージ」をイメージしたそうで、名前はズバリ「ガレージテント」。
一時は姿を見かけなくなったが、その居住性の高さから老舗メーカーが今また積極的に取り扱うようになったロッジ型だ。
「日本一周をしていたときに、キャンプの師匠から譲り受けたのがogawaのミネルヴァⅡです。はじめて使ったとき、その居住性の高さに感激しました。ソロキャンプ用のテントは軽く、背が低いものが多いんですが、僕は出入りするときにいちいちかがむのが好きではなくて。だから、ちょっと重いんですがあえてロッジ型にしました」(佐久間さん)
インナーテントは吊り下げ式で、ソロには十分な広さ。カップルや親子2人でも眠れるほどだ。前後のドアパネルは大きく開くので夏も涼しそう。高さがあるのでコットをいれても使いやすい。
寝室側のパネルを斜めに張り出せば、雨を気にせず湿度をコントロールできる。温かい季節は心地よい風を感じつつ眠れそう。
前後・左右にキャノピー(ひさし)が付いており、これも雨の日の蒸し暑さを軽減してくれるありがたい機能だ。
リビング部分はテーブル、チェアを置いて余りある広さ。大きなサイドドアにはメッシュを搭載しており、夏ならインナーなしでコットを置いて寝てもよさそう。広く、通気性も考慮されているのでペットとのキャンプでも活躍するだろう。
サイドドアパネルに比べるとクリアウインドウは小さめだが、その真上にワイドなベンチレーターが搭載されており、熱と湿気をガバッと排出する。
正面のドアパネル上部にも三角形のベンチレーターがある。バックルで隙間をあけておけるので、雨や雪の浸入を受けずに換気できる。1年を通して2泊以上のキャンプを楽しんでいる佐久間さんらしいこだわりだ。
佐久間さんが一番悩んだのがカラーだという。
「明るいオレンジでは悪目立ちするし、ナチュラルカラーも違う。森の中にぽつんとたたずんだ小屋っぽくしたくて、ちょっとだけくすんだオレンジにしています」(佐久間さん)
ファミリー用のロッジ型に比べれば軽量だが、一般的なソロ用テントと比べるとなかなかの重量感だ。
ひとりの設営は大変そうに思えるが、ロッジ型テントは直線的なフレームで構成されるので骨組みを組んだら生地をかぶせてフレームを1本ずつ立ち上げるだけ。重量はあるが、設営にはそれほど力をいれることはなく、建てやすい。そう考えると“漢のガレージ”だけではなく、“女子のカントリーなおうち”にもなり得る。
発売時期、価格はテンマクデザインのWEBサイトで発表されるので、期待して待ちたい。
取材・文/大森弘恵