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好きな人とうまく付き合うことができない「蛙化現象」が起こる原因と解決策

2020.10.03

© 2008 Studio Ghibli・NDHDMT

『蛙化現象』という言葉を知っていますか? 好きな人とせっかく両思いになれたのに「あまりうれしくない」「むしろ気持ち悪いと思ってしまう」という場合は、蛙化現象かもしれません。蛙化現象になりやすい人の特徴や対処法を紹介します。今後、恋愛をしていく上で参考にしましょう。

蛙化現象とはどんな現象?   

蛙化現象(かえるかげんしょう)とは、片思い中は相手のことが好きなのに、両思いになった途端に相手に対して興味がなくなったり、気持ちが冷めてしまったりする現象のことです。心理学用語の一つとして知られています。

では、具体的にどのような現象が起きるのでしょうか?

両思いの異性を気持ち悪いと感じてしまう    

多くの場合、片思い中の相手から好意を持ってもらえたらうれしく感じるものでしょう。受け入れてもらえた喜びで心が満たされると同時に、今後も2人の関係を深めていけるからです。

一方で、同じシチュエーションでも、両思いになった異性に対して、なぜか「気持ち悪い」と感じてしまうケースがあります。どうして好きだった相手なのにそのような気持ちになってしまうのか、本人も周りも理解しがたいかもしれません。しかし、この心の動きこそ蛙化現象なのです。

目が合ったり近くを通るだけで嫌悪感を抱いたり、LINEが来ても返信をためらったりと、とにかく相手を避けようとしてしまいます。自分がこのような行動を取ってしまうことに「申し訳ない」と思いつつも、拒否反応が出てしまうのです。

片思い中の相手に冷めてしまうことも

恋人関係ではなくても、一気に興味がなくなって気持ちが冷めてしまうこともあります。昨日まで「好き」だったはずが、突然「もう好きじゃないかもしれない」と感じるのです。

極端な気持ちの変化に、本人すら戸惑ってしまうケースは少なくありません。本来ならうれしいはずのシチュエーションに、全く喜べない自分がいるからです。

このような場合、相手が悪いわけではないと理解していることもあって、自己嫌悪に陥り自分自身を責めてしまう人も多いです。

蛙化現象という名前の由来   

蛙化現象という言葉は、どのようにして生まれたのでしょうか? 蛙化現象という名前がついた由来について解説します。

元ネタはグリム童話「カエルの王さま」     

蛙化現象は、グリム童話『カエルの王さま』が由来といわれています。このストーリーは、ある国のお姫さまが森の泉に金のまりを落としてしまい泣いているところから始まります。

そこへ一匹のカエルが現れ「僕と友達になって寝食を共にしてくれるなら、まりを取ってきてあげよう」というのです。お姫さまは約束を守る気はありませんでしたが、大事なまりのために了解しました。

カエルは見事にまりを取ってきましたが、お姫さまはカエルを置いて逃げてしまいます。その後、カエルはお姫さまのいる城を訪れ約束を守るよう要求します。

その内容を聞いた王さまから約束を守るよう命令されたお姫さまは、仕方なくカエルを受け入れましたが、ベッドで一緒に寝ることだけは我慢できずとうとうカエルを壁に叩きつけてしまうのです。

すると魔法がとけて、カエルは美しい王子さまの姿になりました。その後2人は恋に落ちて結婚し、末長く幸せに暮らしたということです。

これはおとぎ話で、現実はそう甘くありません。蛙化現象という言葉は、このストーリーとは真逆で、王さまのように『かっこいい』と思っていた人のことを、急にカエルのように『気持ち悪い』と感じてしまうことを意味しているのです。

心理学の論文から生まれる

蛙化現象という言葉は、当時大学教授であった藤澤伸介氏によって名付けられたといわれています。藤澤氏は2004年に蛙化現象をテーマにした心理学の論文を発表しました。そのとき実施したアンケート調査によると、交際経験のある女性の約7割が蛙化現象を経験したことがあると答えたようです。

異性に対して嫌悪感を抱きやすい女性の特徴   

異性に対して嫌悪感を抱きやすい女性には、いくつか共通点が見られます。自分に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

異性や性行為に嫌悪感がある   

蛙化現象が起きやすい女性の特徴として、異性や性行為に嫌悪感を抱きやすいことがあげられます。片思い中は純粋な気持ちで相手のよいところだけが見えるのですが、両思いになるとリアルな男女関係を想像して不快に感じてしまうのです。

例えば、手をつながれたときに本来なら「うれしい」と感じるはずが「気持ち悪い」と感じてしまったり、ふとした瞬間に彼の自分を見る目がいやらしく思えて嫌悪感を覚えてしまうのです。

片思い中のドキドキした気持ちからは一転、「近づかないほしい」とさえ思ってしまうケースも少なくないでしょう。

これは過去の恋愛経験によるトラウマや性行為に対する羞恥心が関係しているとされています。さらに、恋愛における経験不足が影響している場合もあるでしょう。

自己評価が低い   

自分に対する評価が低い、というのも蛙化現象が起きやすい女性の特徴です。自分の存在や価値を自身が積極的に認められていないため、異性から好きといわれても「私にはそんな価値はない」「どうせうまくいかないだろう」と捉えてしまいます。

自己評価が低いがゆえに、相手に対して「私のことがいいと思うなんて、この人もおかしい」「ロクな人じゃない」と考えてしまうケースもあります。相手のことをよく知ろうとすることなく、拒否反応を示してしまうのです。

恋に恋する傾向がある

恋をしている自分が好き、片思い中のドキドキが好きなだけ、という人も多いです。この場合、実はフォーカスしているのは好きな異性ではなく、恋をしている自分です。恋愛ドラマのヒロインになっているような気分を味わっている、ともいえるでしょう。

片思い中は、目が合ったり会話ができたり、そんな小さなことでドキドキしてうれしくなるものです。また、自分の起こしたアクションによって相手がどのような反応をするか、というハラハラ感を楽しんでいる人も多いようです。

相手から冷たくされたときでさえ、そんな自分を愛おしく感じてしまう一面もあります。

蛙化現象は恋愛経験が乏しい人に起きがち   

実は、蛙化現象は「これまでどれだけ恋愛をしてきたか?」が関係しています。恋愛経験が豊富な人は蛙化現象になりにくく、反対に乏しい人ほど起きやすい傾向があるのです。蛙化現象と恋愛経験のつながりについて解説します。

恋愛に自分の幻想を求める   

恋愛経験が乏しいと、ドラマや漫画などから得た情報や周りから聞いた話によって、無意識のうちに「恋愛とはこういうもの」というイメージを作りがちです。自分のいいように作られたイメージは、もはや幻想ともいえます。

リアルな恋愛に自分の幻想を求めると、その違いに違和感を覚えたり落胆したりしてしまうでしょう。その結果、好きだった相手に対して気持ちが冷め、それだけでなく「気持ち悪い」とさえ感じるようになるのです。

現実の恋愛経験が少ないからこそ、理想とのギャップに「こんなはずじゃなかった」と感じてしまうのかもしれません。

相手のスペックや外見だけで好きになる   

恋愛経験が豊富だと実体験として色々なことを学んでいるため、好きになる相手を自分の基準で選ぶようになります。しかし、経験が乏しいと「ハイスペックだから」「かっこいいから」というだけで好きになってしまう傾向があるのです。

つまり自分の心の準備ができていないまま、相手のことをよく知らないまま、自分の中で恋愛が始まってしまうのです。その結果、いざ両思いになって交際が始まると「あれ?」と思うことが出てきます。

例えば、相手の積極的な姿勢に戸惑ったり、それまで気付かなかった相手の嫌なところを知って気持ちが冷めたりするでしょう。

恋愛を重ねて克服することが近道

恋愛の経験不足によって蛙化現象が起きてしまう場合は、恋愛経験を重ねて克服していくことが近道になります。リアルな恋愛を通して「恋愛ってこういうものなんだ」という感覚が分かってくれば、蛙化現象に悩まされることもなくなるでしょう。

自分の中の理想と現実のギャップを少しずつ埋めていく、というイメージです。周りから「理想が高い」とよく言われる場合は、特にこの作業をしていく必要がありそうです。

ただし「克服しなければ」と深刻に捉えず、「今は恋愛に慣れていないだけ」と気楽に考えるようにしましょう。

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