
Apple Payでは、Visaブランドのクレジットカードが使えないといわれることがあります。本当でしょうか。
Visaブランドのクレジットカードは、ちょっと使いにくい部分はありますが、日本ではiPhoneを読み取り機にかざして支払う方法には対応しています。また、デビットカードの多くはApple Payに登録できませんが、ごく一部は対応していますし、Suicaアプリを介することで、実質的にデビットカードをApple Payで使えるようにする裏技もあります。
ここではVisaクレカとデビットカードをApple Payで使う方法をご紹介します。
VisaブランドのクレカもApple Payに対応しているが……
基本的に、Visaのブランドが付いたクレジットカードも、iPhoneの「Wallet」アプリに登録してApple Payで使うことができます。ただし、リアルなお店でかざして支払う時のみです。
Apple PayでVisaクレカはiDになる
日本では、VisaブランドのクレジットカードをWalletアプリに登録すると「iD」の機能が付きます。iDはかざして支払う決済のブランドなので、iPhone内に登録されてiDとなったカードは、コンビニやカフェなどで、かざして支払うことしかできません。WalletアプリでSuicaにチャージしたり、アプリ内課金で支払う場合に選ぶことはできません。
日本のリアルな店舗では問題なく使えますが、ウェブサイトやアプリ内では使えないので、Apple Pay用としては、ちょっと工夫が必要なブランドではあります。
VisaデビットカードはApple Payに対応している?
銀行口座から即時引き落としになるため、使いすぎの心配がないデビットカードも、Apple Payでは使えないと言われることがあります。確かに銀行が発行するデビットカードのほとんどはWalletアプリに登録できません。
みずほ銀行が発行している「Smart Debit」など、一部のデビットカードは登録できるようになってきました。ただし、Visaブランドのデビットカードは2020年9月現在で、日本でのApple Pay対応はないようです。
みずほ銀行のSmart Debitは、バーチャルなデビットカード。みずほ銀行のアプリ「みずほ Wallet」から発行できます。電子決済サービス「QUICPay+」と「JCB コンタクトレス」の加盟店で利用でき、銀行口座から即時に支払い額が引き落とされます。また、プラスチックカードの「みずほJCBデビット」もApple Payに対応しています。
三菱UFJ銀行のVisaデビットはApple Payに対応している?
「三菱UFJ-VISAデビット」は、Google Payには対応していますが、残念ながらApple Payに対応していません。Apple Payに対応しているのは「三菱UFJ-JCBデビット」となります。
三井住友、JNB、りそなのVisaデビットはApple Payに対応していないの?
三井住友銀行の「SMBCデビット」、ジャパンネット銀行の「JNB Visaデビットカード」、りそな銀行の「りそなデビットカード(Visaデビット)」も、Apple Payには対応していません。Google Payには対応しているので、Androidスマホに登録して使うことはできます。
Apple PayでVisaクレカやデビットを使いたいなら「Suica」アプリに登録
VisaブランドのクレジットカードやデビットカードをApple Payで使いたいと思っているなら、「Suica」アプリにそれらのカードを登録して、Suicaにチャージするカードとして使ってみてはいかがでしょうか。Apple PayのSuicaにチャージされることになるので、Walletアプリに登録できなくても、実質的にApple Payで使っているも同然です。
Suicaアプリには多くのVisaクレカ、Visaデビットが登録できます。
SuicaアプリにVisaクレカやデビットを登録してApple PayのSuicaにチャージする
SuicaアプリにVisaブランドのクレカやデビットカードを登録すると、Suicaアプリを使ってSuicaにチャージができます。アプリを開いてチャージしたいSuicaを選択。画面下部にあるメニューの「チケット購入Suica管理」内に「登録クレジットカード情報変更」という項目がありますので、そこからクレジットカードやデビットカードの情報を登録します。
Suicaアプリの「チケット購入Suica管理」から「登録クレジットカード情報変更」をタップ。
クレジットカードの情報を入力します。
チャージする際は、Suicaアプリを開き、「チャージ」をタップしてクレジットカードを選ぶだけです。
Visaブランドのクレジットカードが登録されており、チャージできます。
オートチャージに対応した「ANA Visa Suicaカード」がおすすめ
Suicaアプリに登録するなら、一定額になったときに自動でチャージされる「オートチャージ」に対応したビューカードがピッタリ。中でもカードの利用でマイルを貯められる「ANA VISA Suicaカード」が便利です。ANA VISA Suicaカードは年会費が2200円(税込)かかりますが、クレジット機能、ANAマイレージカード、Suica機能の3機能が1枚になったカード。買いものや食事などANA VISA Suicaカードによる支払いで貯まったVポイントをマイルまたはSuicaへ移行できます。
ANA VISA SuicaカードのApple Payへの登録方法
また、ANA VISA SuicaカードをiPhoneのWalletアプリにクレジットカードとして登録すると、VisaブランドがiDに変わり、コンビニやカフェでiPhoneをかざして支払えます。このiDとしての利用でも、もちろんVポイントが貯まります。
登録方法は簡単です。Walletアプリを開いて画面右上の「+」をタップすると、カメラが起動するので、指定された枠内にANA VISA Suicaカードを入れると、カード番号を読み取られ、すぐに登録できます。
iPhoneのWalletアプリを開き、画面右上の「+」をタップ。
「カードの種類」で「クレジット/プリペイドカード」を選ぶとカメラが起動。枠内にカードを入れると番号が自動で読み取られます。
Apple Payで「Visaのタッチ決済」は使えない
なお、VisaクレカがiDブランドになり、iPhoneをかざして支払えるのは、一部ハワイなどで可能ですが、基本的に日本のみです。一方、Visaブランドでかざして支払える「Visaタッチ/Visaのタッチ決済」もあり、海外では広くVisaのタッチ決済が浸透しています。日本でも、延期になった東京オリンピックに備えてVisaのタッチ決済が利用できる場所が増えてきています。
ただし、日本のVisaクレカは、Apple Payに登録するとiDブランドになってしまうので、iPhoneをかざしてVisaタッチ/Visaのタッチ決済で支払うことはできません。Visaのタッチ決済を使いたい場合は、プラスチックのVisaカードを用意しましょう。その際には対応マークの確認をお忘れなく。
Visaのタッチ決済ができる店舗には、読み取り機にこうしたマークが表示されています。
対応カード券面にはWi-Fiのようなマークが付いています。これがタッチ決済に対応している印。
Apple PayとVisaブランドは、若干相性が悪いものの、日本ではiDとしてお店でiPhoneをかざして使えます。また、Suicaアプリに登録すれば、Suicaにチャージして使うことができます。工夫次第で、実質的にApple Payで使うことができますので、ぜひ試してみてください。
※データは2020年8月下旬時点での編集部調べ。
※本記事はカードの利用を推奨する目的はありません。あくまで自己責任にてお願いします。
文/房野麻子
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