外出自粛にマスクの着用、三密回避など……何かと縛りの多いコロナ影響下。溜まったストレスを解消すべく夜のお店に行くことすらも、現状では憚られる。
そこで今回、株式会社TENGAによる、20代~50代の男女計960名を対象にした「コロナ禍とストレス解消法」に関する意識調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。
「マスターベーション」は、「オンライン飲み」と同等のストレス解消効果?
緊急事態宣言中における行動で「気晴らしになった/まあなった」と答えた人が多い項目は、「動画や映像コンテンツの視聴(64.2%)」「美味しいものを食べる(60.4%)」「ネットショッピング(55.8%)「読書やゲーム(55.2%)」など。
その中で、「マスターベーション」が気晴らしになったと回答した人は29.5%で、「人とのオンラインでの会話(31.6%)」とほぼ同等の割合だった。
SEXやマスターベーションについて男女別の結果を見てみると……
男性:「SEX」はおよそ4人に1人(26.1%)、「マスターベーション」はおよそ3人に1人(38.1%)が「気晴らしになった/まあなった」と回答。
女性:「SEX」はおよそ5人に1人(20.6%)、「マスターベーション」もおよそ5人に1人(20.9%)が「気晴らしになった/まあなった」と回答。
全体的には、男性の気晴らしとしてより効果的だったのは「マスターベーション>SEX」、女性は「どちらも同程度」という結果となった。
ちなみに、SEXが気晴らしになった男性は「既婚・子あり」層に多く、マスターベーションが気晴らしになった男性は「独身・同居人あり」層に多かった。また、女性でSEXが気晴らしになったという人は「既婚・子なし」層に多く、マスターベーションが気晴らしになったという人は「独身・1人暮らし」層が多かった。
男性は女性に比べて、SEXやマスターベーションができないことにストレスを感じがち
「SEXが思うようにできないこと」に対し、ストレスを感じていた人(「非常にストレスだった」もしくは「ストレスだった」と回答した人)は、男性で25.0%、女性で14.8%。
そして「マスターベーションが思うようにできないこと」に対して「非常にストレスだった/ストレスだった」と回答した人は、男性19.4%、女性6.5%となった。
性生活が思うようにできないことに対しては、男性の方が比較的ストレスを感じやすいようだ。
ただし、同じ男性でも生活環境によって傾向がやや分かれる。マスターベーションが思うようにできないことにストレスを感じた男性は「既婚・子なし」層で最も多く、25.0%。これは「独身・1人暮らし」層(8.3%)の約3倍にあたる。
マスターベーション増加理由を日米比較、「暇」「ストレス発散やリラックスのため」が上位に
TENGAで毎年行っている世界調査のアメリカの結果と、今回の日本の調査結果を比較。「マスターベーションの回数が増えた」という人に、その理由を聞いてみたところ、日本人男性にある特色が見られた。
日本人女性およびアメリカ人男女では、「ストレス発散やリラックスのため」という理由が、それぞれ6割前後で1位となった。だが、日本人男性のみ「暇な時間が増えた」という理由が約8割(78.1%)で圧倒的1位となっている。
ただし、日本人男性の中にもやはりマスターベーションの頻度が増えた理由として、「ストレス発散やリラックスのため」と考える人は多く、過半数にあたる50.7%の日本人男性がその項目を選んでいる。
マスターベーション減少理由を日米比較、「プライバシーがない」「ストレス過多」など
逆に「マスターベーションの回数が減った」理由では、日本人女性の回答に特徴が見られた。
日本人男性およびアメリカ人男女では、「プライバシーがなかったから」「他の人に途中で入られたり聞こえたりする恐れがあったから」など、プライベートな環境に関して理由を挙げる人が多い。
一方、日本人女性のマスターベーションが減った理由は、「その他」(41.5%)が圧倒的1位となった。これは日本人男性の約2倍、アメリカ人女性の約4倍の値となり、日本人女性からのフリーコメントには、「乳児を含めた4人の母で、普通の生活に必死でそれどころではなかった(39歳・埼玉県)」「時間が出来たがその他の趣味を始めたので、特に性生活については考えることはなかった(41歳・茨城県)」といった声が寄せられている。
ちなみに、国籍・性別を問わず全ての層の3位以内にランクインしているのは、「ストレスが多すぎて」というもの。生活にかかるストレスが過度になると、緩和手段としてのマスターベーションすら困難になることが分かった。
海外の政府や自治体が推奨した新しい性生活方式は感染対策にどれくらい有効だと思う?
海外の政府や自治体が発表したコロナウイルス対策の中には、性生活と関連が深いものもある。中でも3つの対策について「感染対策としてどれくらい有効だと思うか」を聞いてみた。
■同居人以外とは性的な行為をしない(イギリス政府)
イギリスでは6月から、「異なる世帯の人同士が、正当な理由なく同じ屋内に集まること」が禁止された。違反すれば罰金100ポンド(約1万3000円~1万4000円)が科される。これを受け、「恋人同士のSEXも違法になってしまうのか」と抗議する声も多く、SNSで「#セックスバン(性交禁止)」のハッシュタグがトレンド入りするなど物議をかもした。
イギリス政府によるこの対策を「有効だと思う/まあ思う」と答えた人は、回答者の72.0%。心情はともかく、有効性は認める人も多いようだ。
■人とSEXをせず、性的欲求はマスターベーションで解消する(ニューヨーク市保健局)
こちらは、アメリカ・ニューヨーク市保健局より3月に発表された、「セックスと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」というガイダンス文書にて推奨された対策。同局は、文書の中で「マスターベーションには感染リスクがない」とし、合わせて「前後に石鹸で20秒間手を洗うこと」も推奨している。
この対策を「有効だと思う/まあ思う」と答えた人は、回答者の54.9%。半数以上が有効性を感じている。
■性的な行為は、特定のパートナーやセックスフレンドとだけ行う(オランダ政府)
この対策を発表したのは、オランダの国立公衆衛生環境研究所。ロックダウン中の独身者に向けて「特定のセックスパートナー」を見つけることが、公式に推奨された。この対策を「有効だと思う/まあ思う」と答えた人は、回答者の59.2%。約6割がこの対策を「有効」と判断している。
※TENGA調べ『新型コロナウイルスと性生活に関する調査』
<「新型コロナウイルスと性生活に関する調査」 調査概要>
調査元:株式会社TENGA
対象:計960名
実施日:2020年7月22日(木)~27日(月)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない場合がある。
<「2020年マスターベーション世界調査」(TENGA 2020 Self-Pleasure Report)調査概要>
実施国:アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン
対象:
・実施国別の人数:各国N=1000名、合計5000名
∟ USの年齢:18~54歳(GenZ n=169, Millenial n=449, GenX n=382)
∟ USの割付:男女の割合50%(non-LGBTQIA+ n=869, LGBTQIA+ n=131)
実施日:2020年5月6日(水)~10日(日)
出典元:株式会社TENGA
構成/こじへい