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起源は?最初にかけた日本人は?奥深きメガネの歴史

2020.09.25

視力補正器具として多くの人に使われている「眼鏡」は、最近では「アイウエア」としておしゃれアイテムの1つにも数えられています。そんな眼鏡の歴史は古く、その起源は13世紀後半まで遡るといわれています。今回は、そんな眼鏡の歴史を、東京メガネの協力で探っていきましょう。

【参照】東京メガネ公式サイト
東京メガネ メガネの歴史

眼鏡の歴史

それでは眼鏡に関する歴史を時系列順に見ていきましょう。

眼鏡の歴史:紀元前「レンズの起源」

視力補正器具として用いる際、眼鏡にとって重要なものの1つが「レンズ」です。

このレンズが歴史上に初めて姿を現したのは、眼鏡の登場より遙か前となる紀元前700年頃と伝えられています。発見された場所は現在のイラクでした。

ただし、この頃のレンズは「視力補正器具」としてではなく、主に太陽の光を集めて火を起こすための器具として用いられていたようです。

皇帝ネロも眼鏡をかけていた!?

1世紀頃のローマにて、皇帝ネロは闘技場において、決闘者同士の戦いを観戦する際に「エメラルドのレンズ」を用いていたと伝えられています。これは視力補正器具としてではなく、光線から目を保護するという目的があったそうです。

つまり、皇帝ネロが使っていたレンズは、眼鏡というよりもどちらかというとサングラスに似た役割だったようですね。

眼鏡の歴史:11世紀頃「光学レンズに視力を補助する役割が発見される」

物理学者でもあり、天文学者でもあったアラビアの数学者「アルハーゼン」は、紀元11世紀頃になると「適度に加工された光学レンズには視力を補助する可能性がある」と発表しました。その約200年後の13世紀頃、彼の著書に影響を受けた人々が眼鏡の開発を進めます。

眼鏡の歴史:13世紀〜14世紀頃「視力補正器具としての眼鏡が開発される」

13世紀後半になると、ようやく私たちが知る「視力補正器具としての眼鏡」が発明されました。

1350年頃に使われていた象牙製のリベット眼鏡(東京メガネミュージアム<S・T・A・G・E>所蔵)

ただし、詳しい発明者はわかっておらず、発明された時期もだいたい1285年頃といわれています。場所はガラスの製造技術に定評があったイタリアのベニス地方。当時の眼鏡の形状を、今の眼鏡と比較すると、かなり異なっていることがわかります。テンプル(耳にかける部分)や鼻パッドがなく、手で持って利用していました。

眼鏡の歴史:15世紀〜16世紀頃「日本にも眼鏡が伝来」

16世紀中頃になると日本にもようやく眼鏡が伝来します。

室町幕府12代目将軍 足利義晴が所持していたといわれている眼鏡 (東京メガネミュージアム<S・T・A・G・E>所蔵)

宣教師として有名なかの「フランシスコ・ザビエル」が周防の国主「大内義隆」に寄贈したものが、日本における最初の眼鏡といわれています。ただし、この大内氏の眼鏡は現存しておらず、現存する中で日本最古の眼鏡は、京都大徳寺大仙院に所蔵されている、室町幕府12代目将軍「足利義晴」がかけていた眼鏡ではないか、という説が有力です。

眼鏡の歴史:17世紀頃「スパニッシュイタリアン型が登場。日本でも眼鏡が製造される」

これまでの眼鏡はテンプルのような耳掛け部分がなかったため、手で持ったり慎重に鼻の上に乗せるしかありませんでした。

17世紀頃に使われていたとされるスパニッシュイタリアン眼鏡(東京メガネミュージアム<S・T・A・G・E>所蔵)

しかし、17世紀頃になると「スパニッシュイタリアン」と呼ばれる眼鏡が開発されます。これは左右のレンズの外枠に紐がついており、耳にかけて使うものでした。

スパニッシュイタリアンは日本にも伝来しますが、鼻が西洋の人々と比べて低かった日本人にとって、スパニッシュイタリアンは、レンズの部分が顔に当たって使いづらかったようです。そこでこのスパニッシュイタリアンをより使いやすくするため、日本人によって開発されたのが「鼻パッド(鼻当て)」なのだそうです。

このように17世紀頃の日本でも、徐々に「国産眼鏡」が作られるようになりました。

眼鏡の歴史:18世紀「眼鏡は博学のシンボル」

18世紀に入ると日本においても様々な眼鏡が登場します。この頃より「眼鏡は博学のシンボルであり、高水準の教育を受けた証」としての認識が広まっていたようです。

1700年代に使われていたとされる「はさみ眼鏡」(東京メガネミュージアム<S・T・A・G・E>所蔵)

眼鏡の歴史:19世紀〜「様々な眼鏡が登場」

1800年代に入ると、さらにバリエーション豊かな眼鏡が多く登場しました。

長柄手持ち式の眼鏡「ローネット」(東京メガネミュージアム<S・T・A・G・E>所蔵)

あの吉田茂首相もかけていた「パンスヌ」という鼻眼鏡が登場したのもこの頃。欧州の貴婦人たちの間では、長柄手持ち式の眼鏡「ローネット」が愛用されていたようです。そのほか、フランスでは射撃時に眼鏡が用いられたり、アメリカでは鉄道の機関士が煤をよけるために眼鏡を使ったりと、様々な用途や目的に合わせて眼鏡が使われていました。

眼鏡の今後

レンズの登場から約2700年。視力補正器具としてレンズの有用性が発見されてから約1000年。最初の眼鏡が開発されてから約700年。スマホやPCなど、普段から目に負担を多くかけてしまう私たち現代人は、その遍歴を知っておいてもよいのかもしれません。

将来的には、視力の補助やおしゃれのみならず、スマホやAIなどと連携した、よりハイテクノロジーな眼鏡が発売されるかもしれません。眼鏡の今後から「目」が離せませんね!

文/髙見沢 洸

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