「ラジオを聴く」という行為が、脳の成長に有益な働きをもたらす?
普段からラジオを聴いている人に朗報だ。脳の学校はradikoと共同で、MRI脳画像診断を用いて、ラジオの継続的な聴取が脳に与える影響を世界で初めて検証した。
その結果、ラジオを聴き続けることで、記憶系脳番地において最大で2.4倍、聴覚系・理解系脳番地において最大で2倍成長したことが明らかになり、「ラジオを聴く」という行為が、脳の成長に有益な働きをもたらしていることが実証された。
右記憶系脳番地の活性エリアが最大で2.4倍に拡大
聴覚系脳番地の活性エリアが最大で2倍に拡大
※脳番地とは:弊社代表加藤俊徳医師が提唱する脳の分類法。左脳・右脳を合わせて約120区画に分かれている脳を、聴覚系/記憶系/思考系/視覚系/理解系/伝達系/感情系/運動系の8系統のエリアに大別する。
これまで、マスメディアと脳の成長の関係は、複雑な要因が関わるため、脳研究の対象として扱うことは非常に困難とされていた。そのため実験は、ラジオ聴取と脳の成長の関係をMRI脳画像診断で解析した世界初の実証実験となる。
調査結果に対する加藤俊徳医師の解析・コメント
脳を鍛えるにはラジオの継続的な聴取が有効
ラジオを聴き続けることが、左脳の言語記憶を刺激するという予測を超えて、視覚的な想像力をも喚起しながら、右脳の記憶系脳番地を成長させることが明らかになりました。脳番地は相互に連携しており、特に聴覚系は、視覚系と並んでほかの脳番地と密接なかかわりをもっています。ラジオ聴取と脳の成長の関係を検証した研究は世界初で、今回の調査でラジオの継続的な聴取が脳を鍛える有効なツールであることが示されました。
ラジオ聴取により脳が活性化した理由とは?
聴覚系脳番地は脳へ情報をインプットする入り口として、ほかの脳番地とも強力なネットワークを築いています。例えば、わたしたちは人の話を聞くと、まず聴覚系で音声としての言葉を認識し、理解系でその意味を理解します。
そして、思考系や感情系で判断を下し、伝達系を通して自分の意思を伝えたり、運動系で行動を起こしたりする。人間のコミュニケーションの出発点となる聴覚系が継続的に刺激されることによって、それ以外の脳番地も活性化されるのです。
モノの形や人の顔といったイメージ記憶にかかわる右脳の記憶系脳番地が特に活性化した理由とは?
イメージ記憶は、「見ること」と関係する働きですが、直接的な視覚の入力がなくても、脳の中にイメージとして視覚情報が構築され、刺激が与えられます。音声情報だけのラジオを聴き続けることにより、言葉を想像力で補完する脳の働きが強化されることで、未発達の人が多い右脳の記憶系脳番地が活性化した、と考えられます。
「子供の学習力アップ」や「脳の老化防止」の方法とは
学ぶためには「聴く力」を向上させることが重要です。学校の授業では、情報は主に音声で伝えられます。言葉を耳で聴いて理解できなければ学習にも支障が出てしまいます。
「聴くこと」への注意力を高め、脳の聴く力を高めるツールとして、ラジオの継続的な聴取が有効です。また、脳の成長は小さい頃のほうが大きいため、早ければ早いほど効果が高く、4,5歳くらいまでに始めるのが理想的です。「見ること」と「聴くこと」を上手に結びつけながら学びに取り入れることで学力の形成に繋がります。
一方、高齢者では聴覚の衰えが脳の「聴く力」の衰えを引き起こし、認知症の進行につながることが指摘されています。諦めずにラジオをコツコツ聴き続けることで、脳の継続的に成長を促しましょう。
調査内容
①大学生8名が1日合計2時間以上、1ヶ月間にわたりラジオを聴取。聴く番組の内容や場所、時間帯などは指定せず、生活スタイルに合う形で継続して聴き続ける。
②ラジオを聴き始める前と後の脳画像を撮影。
脳画像診断・機能解析を専門とする弊社代表 加藤俊徳医師が独自開発した国際特許技術を使用し脳画像を解析。
構成/ino.