コロナ禍の今、外出時にマスクは手放せない。仕事やプライベートで接する人の顔の下半分が隠されていることが、もはや当たり前となりつつある。その一方で、視線が顔の上部に行きやすくなることで普段よりもさらに髪の印象、つまり「上顔(うえがお)印象」が重要になるといえる。
そんなマスクをしている際の印象や視線に関する意識調査がこのほど、大正製薬株式会社により実施された。
新生活様式において人の視線は顔の上半分へ
調査結果によると、マスクなしありに関わらず6割近くの人が「顔の上半分」が大切と回答しているが、マスク着用のニューノーマル時代においては、9割を超える人が「顔の上半分」が大切だと感じていることが分かった。
また、「顔回りで相手の第一印象を決めるパーツはどこか」という質問に対して、1 番は目元であり、髪、眉と続く。多くの人が顔の上半分に視線をむけており、「上顔」が人の印象を決めるのに重要な役割を果たしていることが分かった。
髪への注目も集まる
コロナ禍ではオンラインによる会議や商談、オンライン飲み会など新しいコミュニケーションの方法が生まれた。オフラインでのコミュニケーションにおいては人の顔はもちろんのこと、しぐさや動き、資料やホワイトボード、プレゼン画面など多くのものにも視線が向けられていた。
しかし、オンラインではパソコンの画面を見る時間が長くなり、画面に映る自分の顔に注目が集まっていると気になっている方も多いかもしれないが、実は「オンライン環境下で、相手の顔をこれまでより見る機会が減った・変わらない」と回答した人が約7割と、多くの人が「顔」には注目していないことが分かる。
しかし一方で、「オンライン環境下で、自分や相手の髪の毛を気にするようになったか」という質問に対しては、「自分の髪の毛を気にするようになった」と回答した人は約6割、「相手の髪の毛を気にするようになった」と回答した人は約5割と、共に高い割合で「髪」に注目が集まっていることが分かった。
新生活様式ではスッピンでも髪は整えてお出かけ
新生活様式では、外へ出かける時「すっぴんでも髪は整える人」が「すっぴんで髪も整えない人」よりも多いことが分かった。このことから、多くの人が髪を意識しており、見た目の印象もが変わると考えていることが分かる。
マスク姿に似合う髪を意識している人は意外と少ない
これまでの調査により、コロナ禍において髪への意識が高まっていることが分かった。しかし、「マスクに似合う髪型・映える髪型を意識していますか?」という質問に対して、「意識している」と回答した人は2割以下という結果になった。現状、新生活様式では、髪までは対応しきれていないということも今回の調査によって浮き彫りになった。
ヘアライター 佐藤友美氏 「コロナ禍で増したヘアスタイルの重要性」
佐藤友美(さとうゆみ)氏 プロフィール
日本初のヘアライター&エディター
1976年、北海道知床半島生まれ。20年弱のヘアライター人生で、約4万人、200万カットのヘアスタイル撮影に立ち合う。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、日本はもとより、海外でも美容師向けの講演を行い、セミナーを受けた美容師はのべ3万人を超える。
歯切れのいい解説で、テレビ、ラジオ番組などで活躍する一方、ヘアアドバイザーとして全国の女性の髪の悩みにこたえ、高い満足度を得ている。
著書に、シリーズ10万部突破のベストセラーとなった『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、『女は、髪と、生きていく』(幻冬舎)などがある。
■第一印象も第二印象も最終印象も髪が決める 最初に意識すべきは髪
人の第一印象において髪が与える影響はとても大きいといわれています。アイドルや政治家、キャスターなどは髪型によって印象を演出しています。例えば、女性政治家はショートヘアーで後頭部にボリュームをもたせています。
こうすることにより、知的さを演出しています。髪型の印象が全体の印象も決めているのです。人の第二印象、既に会ったことがある人の印象も髪が重要です。普段の生活の中では、正面から顔を見られることよりも、横顔や後ろ姿を見られていることが多いです。例えば、会社でデスクに座っている際、多くの場合、人から話しかけられるのは横から後ろからになります。
したがって多くの人は、ほとんど髪しか見ずに、人を認識していることが分かります。また最終印象も髪が決めています。誰かを思い出す時、髪の毛の印象で人を覚えていることも多々あるでしょう。このように人の印象は髪が決めているため、意識するべきは髪なのです。
■マスク着用によるヘアバランスの変化
コロナ禍ではマスクより上の顔の印象が記憶に残りやすくなります。美容業界では、マスクを着用したときにバランスが良く見える髪型などヘアデザインを変える必要があるという意識が急速に広がっています。
インスタグラムなどの SNS でも「マスクヘア」の投稿が増えており、注目が集まっていることが分かります。
<1.前髪(目元=目+前髪)>
目元周りの印象とはアイメイクだけでなく、「目と前髪」の印象だと考えられます。マスク時代では、前髪はとても重要な要素となっています。もともと前髪は、ヘアスタイルの中でもとても重要とされており、8割は前髪の印象で決まると言われていました。
目元(目と前髪)のバランスでも印象は大きく変わります。例えば、重めの前髪はモードな印象、斜めに流した前髪はフェミニンな印象を与えます。このように、前髪の形を変えることにより人の印象は大きく変わるのです。また、コロナ禍の今、顔の下半分がマスクで隠れてしまうため、前髪の印象は更に重要となっています。
<2.輪郭>
人の印象は髪のシルエット・輪郭も大きく影響します。オンラインの場やマスクを着用しリアルで会う際、コロナ前より髪の輪郭・シルエットが重要になっています。輪郭はカットラインとボリュームで構成されています。
カットラインには、大きく分けて、前上がり、前下がり、水平の 3つがあります。前上がりは可愛らしく見え、前下がりはクールな印象を与えます。また、水平なカットラインはモードでお洒落な印象を与えます。同じ長さのボブでもカットラインが異なることで印象が変わります。
それだけでなく、シルエットで必要な要素にボリューム感もあります。タイトにまとまっている髪なのか、ふんわりした髪なのかも重要な要素になっています。
■ヘアスタイルに重要な3つの要素
ヘアケアはヘアデザインやスタイリングの土台になっています。人から見られるのは髪の「形」や「色」ですが、それらの元となるのは「素材」になります。髪の「素材」がしっかりしていると好みのヘアデザインにでき、スタイリングも自由自在に変えることができます。前髪の印象や輪郭をつくるうえで、髪のヘアケアはとても大切な要素です。
ヘアライター 佐藤友美氏と大正製薬 落合由起子氏 トークセッション
■コロナ禍で高まる髪の重要性
落合氏によると、髪の毛のお悩みランキングは『1位.白髪、2位.ツヤ・パサつき、3位.毛量・立ち上げ・ボリューム』となっています。「最近髪が細くなった、ボリュームが出づらい、ハリやコシがない・・・こんなお悩み感じたことはありますか?」という質問に対しても約73%の人が「感じたことがある」と回答しているそうです。
佐藤氏も大正製薬の調査結果と同様「30代後半以降の悩みは3つに集約されており、ツヤ、白髪、ボリュームとなっている」と語りました。ツヤや白髪に関しては美容院や自分のヘアケアでなんとかすることができるが、ボリュームに関しては美容院や自分でも対処が難しいと感じる人が多く、一番深く深刻な悩みとなっているとのこと。そんな悩みに対して佐藤氏は「髪のボリュームをコントロールするうえでツヤやハリに影響する『髪密度』と、最近キーワードとなっている『頭髪密度』が重要だ」と話しました。
『頭髪密度』とは、単位面積あたりに生えている髪の本数のことで、人によって違いはありますが、日本人女性の髪の本数は1cm² あたり約180本以上が正常とされています。具体的には、『頭髪密度』の減少とは次の3つのことをいいます。
『頭髪密度』が減少するのは、ヘアサイクルの短縮化により、髪と毛包が十分に成長できなくなり、太く健康な髪に育たなくなってしまう現象が起きているからです。
■髪のボリュームに関する悩みとは?
年を重ね髪のボリュームが減少することにより髪の変化を感じる人は多く、『ボリューム感、抜け毛の量、ハリ・コシ、分け目の広さ』といったお悩みがあり、それらは「スタイリングが決まらない」、「ペタンとつぶれる」ということで実感する人が多いことが分かっています。
■頭髪密度をチェックする方法は?
女性の髪の悩みに寄り添ったヘアケア商品も発売する大正製薬の落合氏によると『頭髪密度』をチェックする一つの指標として普段生活している中でのちょっとしたことの変化を気にかけることで、『頭髪密度』の変化に気付くことが出来るそうです。
■『頭髪密度』ボリュームを保つうえで大切なこと
「多くの人は髪の「毛」を気にしてケアしており、良いトリートメントを使うことを重視しているが、「頭皮」のケアをしていない人が多い印象がある」と佐藤氏は話しました。頭皮と顔は一枚の皮膚でつながっているため、スキンケア同様しっかりケアをする必要があります。
新生活様式において『上顔(うえがお)印象』が重要 改善には髪のボリューム『頭髪密度』と『髪密度』
今回の調査により、コロナ禍において顔の上半分「上顔」すなわち『上顔印象』に注目が集まっていることが分かった。人の第一印象も第二印象も最終印象も髪が決めており、ヘアケアが重要となっている。
また、ヘアケアの悩みでは髪のボリュームの悩みが多いことも分かった。髪のボリュームをコントロールするうえで『頭髪密度』とツヤやハリに影響する『髪密度』を上げることが大切で、ヘアケアと頭皮のケアをすることでこれらを改善することができる。
出典元:大正製薬株式会社
構成/こじへい