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キャッシュレス決済利用者の7割が「使えないお店は利用意欲が下がる」

2020.09.04

コロナ禍のくらしにおいて、ますます存在感を増すキャッシュレス決済。実際のところ、キャッシュレス決済を利用する一般消費者と、利用される事業者は、どのような変化を体感しているのだろうか?

そこで今回、株式会社ジェーシービーによる、全国の20代~60代のキャッシュレス決済を利用している一般消費者1,000名と、コンビニ勤務者・居酒屋勤務者・タクシードライバーのいずれかで会計業務に携わっている人300名(各100名)、小売店または飲食店を経営する経営者・自営業者100名を対象にした「キャッシュレス決済に関する調査」が行われたので、その結果を紹介していきたい。

「1日に1回以上キャッシュレス決済を利用する」キャッシュレス決済利用者の32%

キャッシュレス決済を利用している20代~60代の一般消費者1,000名(以下、「キャッシュレス決済利用者」)に、キャッシュレス決済の利用状況について質問した。

まず、キャッシュレス決済利用者(1,000名)に、キャッシュレス決済の利用頻度を聞いたところ、「1日に1回以上」は32.0%、「週に1~3回程度」は46.6%、「月に1~3回程度」は16.8%となった。

過去の調査結果(※)と比較すると、「1日に1回以上」と回答した人の割合は、2019年7月調査26.8%→2020年3月調査31.0%→今回調査32.0%と、上昇傾向となった。

※2019年7月調査 「キャッシュレス決済に関する調査」 https://www.global.jcb/ja/press/00000000162841.html
2020年3月調査 「【2020年3月版】キャッシュレス・ポイント還元事業に関する調査」 https://www.global.jcb/ja/press/00000000162995.html

現在利用しているキャッシュレス決済 「クレジットカード」が83%でダントツ

次に、2019年10月1日~2020年6月30日の間(キャッシュレス・消費者還元事業実施期間中)と現在の2つの時期について、それぞれ利用しているキャッシュレス決済を聞いたところ、いずれの時期も「クレジットカード」の利用率が最も高く、キャッシュレス・消費者還元事業(以下、「還元事業」)実施期間中では76.4%、現在では82.5%となった。

利用率の変化をみると、「電子マネー決済」は還元事業実施期間中53.1%→現在62.6%と、9.5ポイント上昇し、上昇幅が最も大きくなった。還元事業開始以降、電子マネー決済の需要が特に高まっていることがうかがえる結果となった。

キャッシュレス決済と現金払いの使い分け実態 「お店によって使い分ける」67%

続いて、キャッシュレス決済と現金払いの使い分けについて質問した。

キャッシュレス決済利用者(1,000名)に、お店によってキャッシュレス決済と現金払いを使い分けることがあるか聞いたところ、「ある」は67.4%、「ない」は32.6%となった。キャッシュレス決済利用者の多くは、利用するお店によって、決済方法を使い分けているようだ。

性年代別にみると、使い分けをすることがあると回答した人の割合が最も高くなったのは30代女性(77.0%)だった。

また、金額による使い分けについても聞いたところ、「ある」は57.1%、「ない」は42.9%となった。性年代別にみると、使い分けをすることがあると回答した人の割合は20代女性(65.0%)と30代女性(64.0%)が高くなった。

では、使い分けをする目安はいくらくらいなのだろうか。

金額によってキャッシュレス決済と現金払いを使い分けることがある人(571名)に、いくらくらいからキャッシュレス決済を利用しているか聞いたところ、「千円くらい」(26.6%)に最も多くの回答が集まった。

また、『500円以下(計)』は49.8%、『千円以下(計)』は76.4%と、金額によって決済方法を使い分ける人の多くが、低額からキャッシュレス決済を利用していることがわかる結果となった。

「キャッシュレス決済が利用できないとわかったらお店の利用意欲が下がる」69%

キャッシュレス決済に対応していないことが、消費者のお店選びにどの程度影響しているのだろうか。

キャッシュレス決済利用者(1,000名)に、キャッシュレス決済が利用できないとわかった店舗について、利用意欲が下がるか聞いたところ、「とても下がる」は15.0%、「どちらかというと下がる」は53.5%で、合計した『下がる(計)』は68.5%となった。

過去の調査結果と比較すると、利用意欲が下がると回答した人の割合は、2019年7月調査53.5%→2020年3月調査59.6%→今回調査68.5%と、大幅に上昇した。

また、飲食店などでキャッシュレス決済が利用できないとわかって、お店の利用をやめたことがあるか聞いたところ、「頻繁にある」は6.5%、「時々ある」は19.0%、「まれにある」は22.9%で、合計した『ある(計)』は48.4%となった。

過去の調査結果と比較すると、2019年7月調査39.3%→2020年3月調査42.2%→今回調査48.4%と、こちらも上昇傾向がみられた。

「コロナ禍のくらしでオンライン決済を行うことが増えた」59%、20代では72%

続いて、オンライン決済やオンラインでの申し込み・手続きの利用状況について質問した。

キャッシュレス決済利用者(1,000名)に、コロナ禍のくらしでオンライン決済を行うことが増えたか聞いたところ、「非常にあてはまる」は18.3%、「ややあてはまる」は40.2%で、合計した『あてはまる(計)』は58.5%となった。普段キャッシュレス決済を利用している人の中には、感染症対策として意識的にオンライン決済をするようになった人がいるのではないだろうか。

年代別にみると、『あてはまる(計)』と回答した人の割合は若年層ほど高い傾向がみられ、20代では71.5%だった。

また、コロナ禍のくらしでサービスの申し込み・手続きをオンラインで行うことが増えたか聞いたところ、『あてはまる(計)』は62.5%となった。年代別にみると、『あてはまる(計)』と回答した人の割合は、こちらも若年層ほど高い傾向がみられ、20代では78.0%だった。

「コロナ禍のくらしで、これまで現金で支払っていたお店でもキャッシュレス決済を利用するようになった」66%

コロナ禍のくらしで、これまで現金で支払っていたお店でも、キャッシュレス決済を利用するようになったか聞いたところ、『あてはまる(計)』は65.5%となった。

年代別にみると、『あてはまる(計)』と回答した人の割合はいずれの年代でも半数以上となっており、最も高くなったのは20代(74.5%)で7割半、最も低くなった60代(58.5%)でも約6割だった。若年層だけでなく、シニア層においても“現金決済からキャッシュレス決済”への移行が進んでいるのではないだろうか。

また、コロナ禍のくらしで、これまで現金で支払っていた金額でも、キャッシュレス決済を利用するようになったか聞いたところ、『あてはまる(計)』は65.5%となった。

「“新しい生活様式”でキャッシュレス決済の利用が推奨されていることを知っている」73%

厚生労働省が今年5月に発表した“新しい生活様式”の実践例では、電子決済(キャッシュレス決済)の利用が推奨されている。キャッシュレス決済利用者(1,000名)に、このことを知っていたか聞いたところ、「知っていた」は73.4%、「知らなかった」は26.6%となった。

「今後もキャッシュレス決済を利用したい」93%、50代では97%

今後のキャッシュレス決済利用について質問した。

キャッシュレス決済利用者(1,000名)に、今後もキャッシュレス決済を利用したいと思うか聞いたところ、『利用したい(計)』(「非常に利用したい」「やや利用したい」の合計、以下同じ)と回答した人の割合は93.0%となった。普段キャッシュレス決済を利用する人の大多数が、これからも引き続きキャッシュレス決済を利用していきたいと考えていることがわかった。

年代別にみると、『利用したい(計)』と回答した人の割合が最も高くなったのは50代(97.0%)、次いで60代(95.5%)だった。

今後もキャッシュレス決済を利用したいと考えている人(930名)に、その理由を聞いたところ、「ポイントがよく貯まるから」(63.2%)がダントツだった。

以降、「会計がスピーディーだから」(40.8%)、「キャッシュレス決済対応のお店が増えたから」(39.9%)、「少額でも気にせず使えるようになったから」(34.7%)、「現金を持ち歩かないため安心だから」(31.4%)、「衛生的だから」(28.2%)が続いた。

「仕事中、お客さんと会話をするとき、コロナ感染しないか不安」レジ・会計担当の75%

コンビニ・居酒屋で働く人やタクシードライバーとして働く人は、コロナ禍における仕事の中で、感染リスクをどの程度感じているのだろうか。

レジ・会計業務に携わっているコンビニ勤務者・居酒屋勤務者・タクシードライバー300名(各100名)に、仕事中、新型コロナウイルス感染に対してどのくらい不安を感じるか、接客時と会計時の2つのシーンごとに聞いた。

お客さんと会話をするときにどのくらい不安を感じるか聞いたところ、「非常に不安を感じる」は33.0%、「やや不安を感じる」は41.7%で、合計した『不安を感じる(計)』は74.7%となった。

会計で現金の受け渡しをするときにどのくらい不安を感じるか聞いたところ、『不安を感じる(計)』は61.7%となった。会話の際の飛沫感染リスクに不安を抱く人や、現金を介することによる接触感染リスクを恐れている人は多いようだ。

「コロナ感染拡大でキャッシュレス決済をするお客さんが増えた」レジ・会計担当の64%

コロナ禍により、消費者の決済方法に変化はみられたのだろうか。

レジ・会計業務に携わっているコンビニ勤務者・居酒屋勤務者・タクシードライバー(300名)に、新型コロナウイルス感染拡大によって、キャッシュレス決済を利用するお客さんが増えたか聞いたところ、「非常に増えた」は18.3%、「やや増えた」は46.0%で、合計した『増えた(計)』は64.3%となった。

「キャッシュレス・消費者還元事業を機にキャッシュレス決済を導入した」小売店・飲食店の経営者の14%

小売店や飲食店の経営者に、キャッシュレス決済の導入状況とメリットについて質問した。

小売店または飲食店を経営する経営者・自営業者(100名)に、自身の経営するお店ではレジ(会計)にキャッシュレス決済を導入しているか聞いたところ、「2019年10月より前から導入していた」は29.0%、「キャッシュレス・消費者還元事業を機に初めて導入した」は14.0%、「新型コロナウイルス感染拡大を機に初めて導入した」は1.0%で、合計した『導入している(計)』は44.0%となった。他方、「導入していない」は56.0%だった。

自身の経営しているお店のレジ(会計)にキャッシュレス決済を導入している人(44名)に、キャッシュレス決済を利用・導入してよかったことを聞いたところ、「サービス向上につながった」(40.9%)が最も高く、以降、「会計トラブルが減った」(36.4%)、「お客さんの新型コロナウイルス対策になった」(31.8%)、「従業員の新型コロナウイルス対策になった」(27.3%)が続いた。

サービスの向上や会計トラブルの減少など営業面でのメリットを感じた人や、感染症対策になったと感じた人が多いようだ。

注:本稿の百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、単一回答形式の質問の場合、内訳の計と合計が一致しない場合や、全ての内訳を合計しても100%とならない場合がある。

※JCB調べ

<調査概要>
調査タイトル:キャッシュレス決済に関する調査~コロナ禍におけるキャッシュレス決済事情~
調査地域:全国
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の20代~60代のキャッシュレス決済を利用している一般消費者、コンビニ勤務者・居酒屋勤務者・タクシードライバーのいずれかで会計業務に携わっている人、小売店または飲食店を経営する経営者・自営業者
調査期間:2020年7月28日~7月31日
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,400サンプル

(内訳)
・キャッシュレス決済を利用している一般消費者1,000サンプル
(男性:20代100サンプル/30代100サンプル/40代100サンプル/50代100サンプル/60代100サンプル)
(女性:20代100サンプル/30代100サンプル/40代100サンプル/50代100サンプル/60代100サンプル)
・コンビニ勤務者・居酒屋勤務者・タクシードライバーのいずれかで会計業務に携わっている人300サンプル(各100サンプル)
・小売店または飲食店を経営する経営者・自営業者100サンプル

実施機関:ネットエイジア株式会社

出典元:株式会社ジェーシービー

構成/こじへい

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