2017年9月29日より発売された、5代目CIVIC TYPE R(シビックタイプR FK8)がマイナーチェンジし、新型が登場する。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い発売が延期されていたが、ようやく2020年10月に発売予定となる。期待したい。
CIVIC TYPE Rの2020年モデル
2020年10月に発売予定のCIVIC TYPE R2020年モデルはどのようなクルマになるのだろうか?
マイナーチェンジとはいえ大幅進化するCIVIC TYPE R
まずは、2017年に登場した5代目CIVIC TYPE Rについて、さらっとおさらいしよう。
5代目CIVIC TYPE Rのスペックを確認していこう。
駆動方式:FF
トランスミッション:6速マニュアル
全長/全幅/全高:4560mm/1875mm/1435mm
ホイールベース:2700mm
トレッド 前/後:1600mm/1595mm
車両重量:1390kg
エンジン形式:K20C
エンジン種類:水冷直列4気筒横置き VTECターボ
弁機構:DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2
総排気量:1995cc
内径×行程:86.0mm×85.9mm
圧縮比:9.8
最高出力:235kw[320PS]/6500rpm
最大トルク:400N・m[40.8kgf・m]/2500rpm-4500rpm
JC08 走行燃料消費率:12.8km/L
タイヤ 前・後:245/30ZR20 90Y
主ブレーキの種類・形式 前/後:油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式ディスク
サスペンション方式 前/後:マクファーソン式/マルチリンク式
最大出力320PS、最大トルク40.8kgf・mのエンジン出力で、1390kgのボディを力強く加速する5代目CIVIC TYPE R。強力なブレーキとしなやかな足周りで、心地よいコーナーリング性能を実現する。
そして、2020年モデル(10月発売予定)では、洗練度に磨きがかかっている。
まずは、フロントグリルの開口部を大幅に拡大し、エンジンルームの冷却効率をアップした。
また、フローティングタイプのBrembo社製の2ピースディスクブレーキを採用。レーシングカー譲りのスペックを誇る。
さらに、アダプティブ・ダンパー・システムの制御を変更。旋回性能が向上している。
そして、インテリアではグリップ感を追求した、アルカンターラ採用のステアリングや、
握りやすいティアドロップ形のシフトノブがおごられる。
安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備し、新色となるポリッシュドメタル・メタリック、レーシングブルー・パールもラインアップする。
「CIVIC TYPE R Limited Edition」がデビュー
量産FF車最速といわれるCIVIC TYPE Rのリミテッドバージョンが、いよいよ登場する。
同車は、鈴鹿サーキット国際レーシングコースにて、FFモデル最速となる、2分23秒993のラップタイムを記録している。
こちらは国内200台限定。サンライトイエローⅡ&ブラックの専用カラーを全身に施す。
BBS社と共同開発し、圧倒的なリムの薄さと強靱さを実現する専用20インチ鍛造アルミホイールに、ハイグリップタイヤ「ミシュラン パイロットスポーツ Cup2」を採用。
防音材などを中心に徹底的に軽量化を敢行。また、アダプテイブ・ダンパー・システムとEPSを専用セッティングする。
【参考】Honda|#TypeRChallenge – Teaser
さらっとおさらい。歴代のCIVIC TYPE R
ここからは、歴代のCIVIC TYPE Rを振り返ってみたい。
1.6L VTECエンジン&軽量ボディで躍動した、初代CIVIC TYPE R(EK9)
1997年8月から2001年9月まで発売されたのが、ホンダVTECの名機、B16Bを搭載し、5速マニュアルで駆け抜けた初代CIVIC TYPE R(EK9)だ。
エンジンの総排気量は1595cc、最高出力は185PS/8200rpmで最大トルクは16.3kgm/7500rpmの超高回転型となる。
全長が4180mm、全幅1695mm、全高1360mm、ホイールベースは2620mm。トレッドは前後1480mmと今から思えば非常にコンパクトなボディは、車両重量が最軽量モデルで1050kg。1.6LのNAエンジンとは思えない鋭い加速、コーナーリング性能を誇った。
エンジンが2.0Lに拡大された、2代目CIVIC TYPE R(EP3)
2代目のCIVIC TYPE R(EP3)は、2001年10月に登場。2005年8月まで販売された。
2.0L DOHC i-VTECのK20Aエンジンを搭載。最大出力は215PS/8000rpm、最大トルクは20.6kgm/7000rpmを達成。6速マニュアルで駆動する。
全長が4135mm、全幅1695mm、全高1430mm、ホイールベースは2570mm。トレッドは前後1470mm。車両重量は軽量モデルで1190kg。ボディはEK9に比べて20%高い曲げと80%高いねじり静的剛性を備える。
英国製造のホンダにより日本へ輸出されたのも特徴だ。
3ナンバーサイズ・セダンボディとなった3代目CIVIC TYPE R(FD2)
3代目のCIVIC TYPE R(FD2)は、2007年3月に登場した。3代目は2011年3月までの販売となる。
2.0L DOHC i-VTECのK20Aエンジンは、最大出力が225PS/8000rpm、最大トルクは21.9kf・m/6100rpmを絞り出す。駆動は6速マニュアル。
セダンボディとなったことで全長が4540mmとなり、全幅は1770mm、全高1430mm、ホイールベースは2700mmと3ナンバーサイズとなった。トレッドは前1505mm/後1515mmに拡大。車両重量はボディサイズの大型化に伴い1260kgとなった。
タイヤサイズは225/40R18 88Yに拡大。大きくなったボディの足下を支える。
3ドアハッチバックが復活!CIVIC TYPE R EURO
2009年11月に発売された、英国ホンダ製のCIVIC TYPE R EUROは、欧州版の「CIVIC TYPE R」だ。「日本版CIVIC TYPE RはFD2」というスタンスで併売され、歴代のCIVIC TYPE Rの中では異質な存在となっている。
FD2より1年以上長い2012年12月6日まで販売された。日本では2010台の限定販売。
2.0L DOHC i-VTECのK20Aエンジンは、最大出力は201PS/7800rpm、最大トルクは19.7kgf・m/5600rpmとFD2に比べてやや抑えられた。駆動は6速マニュアル。
全長は4270mmとなり、全幅は1785mm、全高1445mm、ホイールベースは2635mm。トレッドは前1505mm/後1530mmになっている。車両重量は1320kgとやや大柄に。
タイヤサイズは225/40R18 88Yを採用。丸みを帯びたリアハッチ部がキュートなシルエットとなっている。
2.0L VTEC+TURBOとなり走りは新次元へ!4代目CIVIC TYPE R(FK2)
2015年12月から2016年3月まで限定750台で発売された、ホンダの新開発2.0L VTEC直噴TURBOエンジンを搭載した初のCIVIC TYPE R。5ドアもCIVIC TYPE Rで初となる。
2.0L VTEC TURBOのK20Cエンジンは、最大出力は228kW(310PS)/6500rpm、最大トルクは400N・m(40.8kgf・m)/2500-4500rpmと、FD2に比べて、最大出力で4割弱、最大トルクは2倍近くまで大幅な出力アップを果たした。駆動は6速マニュアル。
全長は4390mm、全幅1880mm、全高1460mm、ホイールベースは2600mmとワイドなボディとなり、それに伴いトレッドも前1605mm/後1530mmへと拡大された。車両重量は1380kgと、大出力化の割には抑えらている。
タイヤは235/35ZR19 91Yを採用。ワイドアンドローのスペックが熱い走りを予感させる。
5代目CIVIC TYPE R(FK8)は中古で買える?
現行となる5代目CIVIC TYPE R(FK8)の中古車相場を、大手中古車販売サイトで確認した。
2020年8月末時点で20台のエントリーがあり、最高値は2019年式5000km走行、白、6MTで車両本体価格は479万円。
最安値は2017年式3万km走行、白、6MTで車両本体価格は358万円。
ちなみに、歴代のCIVIC TYPE Rも数に限りはあるが、中古車市場で探し出すことができる。
例えば、初代CIVIC TYPE R(EK9)は、最安値が1998年式18万8000km走行、黒、5MTで車両本体価格は128万円。
最高値は2000年式4万2000km走行、白、5MTで車両本体価格は369万円だ。
EK9は程度の良い車両では300万円前後と、徐々に値段が上がってきている模様。入手したければ早めがよいかもしれない。
※データは2020年8月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/中馬幹弘