今夏は酷暑。日中は窓を閉め切りにしてエアコンの冷気を逃したくないところだ。とはいえ、コロナ禍の今夏は窓を開けて換気する必要もある。窓を開けて換気をすると屋外の温かい空気が入り、その分だけエアコンにかかる負荷が高くなるため、電気代が気になるという人も多いことだろう。
そこで、空調専業メーカーのダイキン工業株式会社ではこのほど、「夏場の日中にリビングの窓開け換気をする場合、エアコンの運転はどうしたらいいののか」をテーマに、マンションの広めのリビングを使った実生活空間で、2つの調査を実施。
1つ目に、窓開け換気はエアコンの消費電力にどれほどの影響を与えるのか、2つ目に、定期的な窓開け換気に合わせてエアコンの電源を小まめにオン・オフした場合と、つけっぱなしにした場合ではどちらの消費電力が低いのか調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。
窓開け換気をした場合と、窓開け換気をしない場合の比較(エアコンはつけっぱなし)
真夏の日中12時間(7:00~19:00)、エアコンをつけっぱなしにした状態で、30分に1回、5分間の窓開け換気をした時の消費電力量は5.52kWh、窓開け換気をしない時の消費電力量は4.02kWhとなった。
これを電気代に換算すると、窓開け換気をした場合は約149.0円、窓開け換気をしない場合は約108.5円となり、窓開け換気では電気代が1日で約40.5円上がったことになる。
一方で、室内温度推移を見ると、エアコンをつけっぱなしにしていることで、窓開け換気をしても快適な温度範囲に収まっている。窓開け換気をすることで残念ながら消費電力量が増えることは避けられない。できるだけ消費電力を抑えられる適切な方法でエアコンを運転することが大切だ。
換気時にエアコンの電源をオフにした場合と、換気時にエアコンを“つけっぱなし”にした場合の比較
真夏の日中12時間(7:00~19:00)、30分に1回、5分間の窓開け換気をした場合、換気時にエアコンの電源を小まめにオン・オフした時の消費電力量は7.51kWh、エアコンをつけっぱなしにした時の消費電力量は5.82kWhで、窓開け換気時にエアコンをつけっぱなしにした方が消費電力量は少なくなった。
電気代に換算すると1日で約45.7円(1カ月換算で約1,371円)下がったことになる。室内の温度の推移を見ても、つけっぱなしの方が変動が小さく、窓開け換気をしても快適な温度に室内が保たれていることが分かる。
ダイキンからのアドバイス。夏の窓開け換気時、エアコンは“つけっぱなし”が正解
コロナ禍の夏を住宅の中で健康で快適に過ごすためには、定期的に窓開け換気をしながらエアコンを使う必要がある。しかし、今回の調査結果の通り、換気をしながらエアコンを使用すると残念ながら電気代は上がってしまう。
そこで、できるだけ消費電力を抑えられる適切な方法でエアコンを運転することが大切。今回の調査では、夏の日中30℃を超える真夏日(や猛暑日)に、窓開け換気の度にエアコンの電源を小まめにオン・オフにするよりも、エアコンをつけっぱなしにした方が、電気代が1日で約45.7円(1カ月換算で約1,371円)低くなった。
これは、エアコンは電源を入れた直後に電力を多く消費するため、窓開け換気をする度に小まめに電源のオン・オフを繰り返すことで、その分消費電力が上昇することが関係している(上図参照)。
また、つけっぱなしにした方が室温の上昇が抑えられていることからも、窓開け換気時のエアコンはつけっぱなしが省エネ性と快適性の両面から正解といえそうだ。2020年の特別な夏を健康で快適に過ごすために、上手に換気しながら適切にエアコンを使おう。
【調査環境】
室内測定風景
出典元:ダイキン工業株式会社
構成/こじへい