タイでは、医療大麻が解禁となり、専門クリニックで処方してもらうことが可能になりました。昨年度は医療大麻の大規模な国際フォーラムも開かれ、治療が必要な方だけでなく、愛好家やビジネスパーソンの関心も高まっています。
こうしたムーブメントの流れを汲んでか、2020年に入ってから一般向けにCBD(日本でも許可されている大麻由来の成分)を使った食品やコスメが多く出回るようになりました。
今回の記事では、多くの人でにぎわうバンコクのコンセプトカフェ「HIGHLAND」の現地レポ、また、世界の大麻草の歴史や文化に関する多くの著作を持つ長吉秀夫さんにリモートインタビューし、日本で買えるヘンプ商品「CBD」とその楽しみ方、長吉さんご自身も携わる日本の「大麻ビジネス」最前線について少し教えていただきました。
バンコクのコンセプトカフェ「HIGHLAND」 スタッフさんへインタビュー
お店にはどんな人が来ますか?
(近隣に大学があるので)若いタイ人が集団で良く利用しています。欧米人、日本人のお客さんも多くて、常連さんもいますよ。
お店の人気メニューを教えてください。
ハンバーガーが人気です。大麻の成分を使った生クラフトビールと一緒におすすめしています。
喫煙具も売っているのですね。
はい。もちろん実際の大麻の喫煙は違法なので、店内はたばこも含めて禁煙ですが、お店のロゴが入った喫煙具はとてもよく売れています。
店内は煙も一切なくとても居心地がいい空間。実際に訪れるまで筆者は東南アジアのミステリアスな裏路地ムードを想像していましたが、吹き抜けのクリーンで寛げる店内はリラックス空間そのもの。MRT(地下鉄)の最寄駅から徒歩30秒程ということもあって、帰り道の治安も特に気にせず、お酒や料理をゆっくり楽しむことが出来ます。日本にもこんなお店があれば、ぜひ足を運んでみたいですね。
大麻に関する多くの著作を持つ、長吉秀夫さんへ、リモートインタビュー
日本でもCBDの商品が買えるようですが、トレンドになっているのでしょうか?
長年大麻に関連した文化やビジネスを題材に取材・執筆してきましたが、日本では今年に入ってからとても沢山商品が出回るようになってきたので、2020年のトレンドと言えると思います。
この流行にはどんな背景がありますか?
ヘンプ商品は国産のものは非常に少なく、アメリカやカナダからの輸入が多いですが、むこう(西海岸など)の流行が日本にようやくきたといえるでしょうね。アジア初のタイの医療大麻解禁も大変興味深いです。世界的には大麻の解禁に向けての動きも加速しているようにみえます。
大麻由来の成分が入っていても日本で買うことが出来るのですね。
はい。日本にはみなさんご存じの通り大麻取締法があるため、大麻草の栽培や所持に関する多くは法律で禁じられていますが、大麻のすべての成分に関して使用が制限されているわけではありません。
大麻草の成分というと、THCとCBD(※)があることは何となく知っているのですが、それぞれどのような効果があるのでしょうか?
わかりやすくいうとTHCは興奮、CBDは沈静の作用があります。日本でも使用が許可されているCBDは痛み止め、炎症抑制、心身を安定させる等の効果があるので、タイをはじめ諸外国では医薬品として許可されているのです。(※日本では食品や化粧品、雑貨扱い)
どんな方にCBDを使ってほしいですか?
一番使ってほしいのは毎日一生懸命仕事をしているビジネスパーソンの方。特に今、テレワーク環境で長時間デスクにいる方に、日々のリラックスアイテムとして活用してほしいです。隙間時間に深くリラックスできるので、仕事の能率が上がります。CBDの効き目は個人差はありますが、お酒や風邪薬を飲んだ時のようなぼんやりしてそのあとしばらく仕事にならない感じとは全く違うんですよ。
どういった場所で購入することが出来ますか?
ECサイトや専門ショップで買うことが出来ますし、大手百貨店(新宿伊勢丹地下2階ビューティアポセカリーなど)でも取り扱いがあります。CBD入りの化粧品など買う場合、香りや使用感も気になると思うので、ぜひ実店舗にも行ってみてください。商品も多様になってきているので、ショッピングを楽しめると思います。CBDが買えるおすすめECサイト、商品数も多くておすすめなのはこちら↓です。
残暑を快適に過ごしたい方は、ぜひ蚊帳・ヘンプマスクなど、麻を使った衣料品をこちらから。
麻草屋
日本で一番大麻に関する著作の多い長吉さんですが、ついに大麻に関するビジネスセミナーも始められたとか。内容を教えてください。
日本で初めての本格的なオンラインのビジネスセミナーを開講していて現在受講生募集中です。私の著作を通じて多くの方が日本の大麻ビジネスシーンに興味を持ってくださっているので、大きな広がりと連なりが生まれています。ヘンプビジネスに興味があればお気軽にお問い合わせください。
著書「大麻 禁じられた歴史と医療への未来」(長吉秀夫著)ほか
取材・文/マダム・ボンゴロッソ大森