E8系新幹線
JR東日本の山形新幹線に新型車両「E8系」が導入される。新幹線といえば日本が世界に誇る高速鉄道の華。JR東海が今月から導入した「N700S」も注目を集めているし、ビジネスパーソンを支える最強ビジネスツールとして欠かせない存在だ。
2024年デビューが予定される「E8系」だが、活躍の場は東京駅から福島駅を経て山形駅・新庄駅を結ぶ山形新幹線。福島〜新庄間は在来線を活用した、いわゆるミニ新幹線であり、「E8系」は同区間を走行可能な新型車両だ。
この山形区間は急峻な坂もあればカーブも多い難所としても知られているが、東京〜福島間ではスピードアップも望まれる。例えば、従来型より伸びたノーズ形状は走行性能の向上に寄与するが、車両規格上の限界があるし、座席数の減少も抑えなければならない。「E8」系はこうしたいくつもの課題に取り組んだ意欲作となっている。
さらに、JR東日本のミニ新幹線の例に倣って、車両内外でも山形らしさを表現する工夫が凝らされている。高性能化によりビジネスも支えるが、同時に山形から発想を得た塗装や車内デザインを採用しており、山形観光大使としての役割を担っているのだ。
デザイン監修はE6系やE7系新幹線も手がけた奥山清行氏率いる事務所が務めた。地域の特色を反映したデザインには定評があり、E8系も山形の誉れとして人気が出そうだ。
先頭部は秋田新幹線E6系の13mに対してE8系は9m。車体上部は山形の県鳥オシドリを思わせるパープルに塗装。
インテリアやシートは最上川や月山、紅葉などをモチーフとしたデザインを採用する。
E3系と置き換えに!
現在のE3系は1997年にデビューした。
取材・文/村田尚之