献身的に夫を支えてきたサレ妻が、自分から子供も財産も何もかも奪った超ゲス不倫夫に加えた制裁とは――。
Netflixオリジナルドラマシリーズ『ダーティ・ジョン -秘密と嘘-』は、男女の愛憎のもつれがもたらした実際の事件をドラマ化した、アンソロジーシリーズ。
8月14日からは、シーズン2『ベティ・ブロデリック』の配信がスタートした。
この『ベティ・ブロデリック』の事件は、日本のドキュメンタリー系バラエティー番組で取り上げられ話題となったこともあり、ご存知の方も多いかもしれない。
本作は、ベテラン俳優アマンダ・ピートとクリスチャン・スレイターの鬼気迫る演技によって、見応えのあるドラマとなっている。
あらすじ
シーズン1は、出会いを求める女性たちばかりを狙っていた結婚詐欺師ジョン・ミーハンの物語。女性たちの心の隙に巧みに入り込んだ、ジョンの手口とは。
シーズン2は、長年尽くしてきた夫に不倫された上に4人の子供の親権も奪われた専業主婦ベティ・ブロデリック(アマンダ・ピート)が起こした殺人事件。
医大卒弁護士のハイスペ夫ダン(クリスチャン・スレイター)と、その不倫・再婚相手である若い秘書リンダが殺害されるまでの経緯を詳細に描いている。
いずれも全8話で、実際の事件を元にドラマ化している。
見どころ
成功した男性が糟糠の妻を捨てるエピソードは、古今東西で枚挙に暇がない。しかしこの事件ほど酷いものは、なかなか見当たらないだろう。
被害者であるダンは、とにかく“欲は人一倍だが、情はない”性格だったようだ。
そしてダンのような野心家に惹かれがちな女性は、しばしば男性の持つ“欲と情”を混同してしまうように思う。
ベティ曰く“幸せだった昔”の回想シーンも、第三者から見ると結構ツッコミどころ満載だ。
恋に恋している状態だったベティは、都合の悪いことも無意識のうちに見ないフリをしていたのかもしれない。
貧しいながらも夫婦で協力しながら困難を乗り越えてきた過去は、ベティにとって誇りであり、宝物のような思い出だった。しかしそんな家族の歴史ついて、ダンは「俺はずっと惨めだった」と吐き捨てた。
ではそんなダンが、なぜ下積み時代に4人も子どもを設けたのか。
数々の胸糞エピソードから推察するに、遺伝子を沢山残すことを“男性としての成功の証”だと考えていたからだろう。
社会的成功者としての地位も、子沢山の父親としての地位も、若い美女との甘い生活も、絶対絶対ぜ~んぶ欲しい!でもベティの協力なしにそのほとんどが実現できなかったという事実を、俺様のプライドが許せない。
子どもたちも大きくなって手がかからないし、若くて可愛いリンダと交換しようっと。
――醜悪な駄々っ子オジサン、ここに極まれり。
子どもたちは愛情深いベティの方を慕っていたが、ダンは法律知識を使ってベティから子どもを無理やり引きはがした上に、子ども達の前で不倫相手とイチャつくという非道ぶり。
正直「ベティは無罪でいいんじゃない?」と思った人も多いと思うが、残念ながら法律上そうはいかなかった。
この衝撃的な事件の詳細については、ぜひNetflixでご確認いただきたい。
Netflixオリジナルシリーズ『ダーティ・ジョン -秘密と嘘-』シーズン1~2
独占配信中
文/吉野潤子