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運転中に我慢すると車内熱中症のリスクも!医師が解説するトイレに行きたくなりにくい水分の摂取方法

2020.08.28

今年は感染予防のためにマイカー利用によるレジャーが増えるかもしれない。お盆休みが明けたが、週末にはドライブの予定を立てている人もいるだろう。

そんなときに注意したいのが、ドライブ中の熱中症。渋滞に備えて水分摂取を控える傾向がある中、特に注意が必要だ。

今回は、車内熱中症のリスクや、トイレに行きたくなりにくい水分摂取方法を医師監修のもと、紹介する。

車内熱中症のリスク

車での移動は、コロナ感染予防のためにも重宝されている。しかし、この猛暑では車内でエアコンをつけていたとしても熱中症には注意が必要だ。車内熱中症になり得る主なリスクには次のことがある。

●トイレに行かなくていいように、水分補給を怠りがち

渋滞覚悟でのドライブでは、トイレにいけなくなることを恐れ、トイレに行かなくていいように、水分補給を控える人は多いだろう。しかし、車内で熱中症になる大きな理由として脱水症状が挙げられる。

「教えて!『かくれ脱水』委員会」の記事によれば、もともと人間は、汗や呼吸などから多くの水分を失っているが、渋滞時の車中では、その場の乾燥や輻射熱(空気の存在に関係なく遠赤外線の熱線によって直接伝わる熱のこと)の関係から、さらに水分を失うといわれているそうだ。乾燥した車中では、出ている汗がすぐに蒸発してしまい、脱水のサインを感じにくくなっていることから、気がつかないうちに「かくれ脱水」になりやすく、深刻な脱水状態へ進行しやすい環境でもあるという。

トイレに行きたくならないようにと水分補給を怠ると、脱水、及び熱中症のリスクが懸念される。

●エアコンによる乾燥

熱中症予防のためには、車内を冷やすエアコンは欠かせないが、実はエアコンによる乾燥も熱中症の要因となりうる。「教えて!『かくれ脱水』委員会」の記事によれば、渋滞時の車内は、エコノミークラス症候群を誘発する飛行機の中の乾燥した環境と似ているという。

エコノミークラス症候群とは、飛行機に搭乗しているときに、機内の乾燥によって体内の水分が失われ、血液がドロドロになって血栓が出来やすい状態になることと、長時間の一定姿勢とが相まって、脚の裏側に静脈血栓ができることから、その状態での歩行によって血栓が肺の血管につまり呼吸困難などを引き起こすものだ。

エコノミークラス症候群の初期段階の症状は、脱水状態から生まれるものであり、渋滞時などの車中でも休憩ごとのまめな水分補給や、身体を適度に動かすことは欠かせないという。

トイレに行きたくなりにくい水分補給方法

とはいっても、渋滞に備えてできるだけトイレに行かないよう、水分を控えざるを得ないケースもあるだろう。そんなときの水分補給方法を紹介する。

1.利尿作用のない飲み物を選ぶ

利尿作用のあるコーヒーにはカフェインが含まれ、飲み過ぎるとトイレに行きたくなる恐れがある。そのため、ドライブ中は、利尿作用のない、カフェインゼロのものを選ぶほうが良いと言える。カフェインは一般的に、コーヒーや緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーラ類、エナジードリンク、栄養ドリンクなどに含まれる。

2.ミネラル成分入りの飲み物を選ぶ

真水でものどはうるおうが、体液は真水ではなく、ナトリウムやカリウムなどのミネラル成分を含んでいるため、体内に水分が入ると、身体はミネラル濃度を均一に保とうとする。つまり、ミネラルを含まない水をたくさん飲んでも、ミネラル成分の濃度が薄められないように、取り入れられた水分が尿として排泄されてしまい、水分として蓄えられないことがあるそうだ。それでトイレに行きたくなることもある。

つまり、できるだけミネラル成分入りの飲み物を選ぶほうが良いことになる。

熱中症対策といえば、ミネラル入りむぎ茶、スポーツドリンク、経口補水液などが挙げられるが、ノザキクリニック院長の野崎豊先生はシーンによって飲み分けることが重要だと話す。

「スポーツドリンクは、大量に汗をかいたときに飲用するのが良いです。エネルギー消費量がさほど高くない大半の人にとっては、糖分が多いため、糖尿病(一過性の)リスクや、肥満リスクに注意が必要です。経口補水液は、脱水症状に陥ってしまった後、特に医師から脱水状態の食事療法として指示された場合に限り、飲んで良い飲料。自己判断で予防的に飲むと塩分の過剰摂取になることがあります。

おすすめは、無糖・カフェインゼロで利尿作用がなく、体温下降効果や血流改善効果のあるミネラル入りむぎ茶です」(野崎先生)

また、これらのミネラルドリンクがない場合は、梅干しなどと一緒に水分補給をするとよいそうだ。ドライブには、万が一に備えて、食塩や梅干しを持参していくのもいいかもしれない。

3.少しずつ水分補給をする

水分とミネラルの補給は、一気に行っても、血液内に吸収されたときにしか効果がないので、少しずつ継続的に飲む「点滴飲み」もうまく水分補給するコツと野崎先生は話す。

もちろん、これらの対策を実施しても絶対にトイレに行きたくなくなるというわけではない。ドライブ前には、事前に地図やアプリなどでトイレの場所を把握しておくなどして万全の対策を取っておこう。

【監修】
ノザキクリニック院長 野崎 豊先生
日本小児学会専門医 認定産業医/日本体育協会 公認スポーツドクター 日本東洋医学会名誉会員/漢方専門医/臨床内科医会専門医

【参考】
教えて!「かくれ脱水」委員会「ドライバー必見!渋滞時のクルマの中は脱水環境」
https://www.kakuredassui.jp/stop/step/workout/workout04
https://www.kakuredassui.jp/stop/step/workout/workout04-2

公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「脱水」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/undou-shougai/dassui.html

@DIME「この時期から注意したい部屋の中の熱中症対策!熱中症に負けない体づくり「暑熱順化」のすすめ」
https://dime.jp/genre/896692/

アプリ「トイレ情報共有マップくん」
https://apps.apple.com/jp/app/id1054294308

取材・文/石原亜香利

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