在宅勤務中というのは、人の目もないため、間食に手が伸びがちだ。しかし、そのまま続けているとコロナ太りまっしぐら。太りにくい間食の摂り方はないものか。
そこで今回は、女性ヘルスケア市場を専門にリサーチ・分析を行う女性マーケティング会社ウーマンズ(東京・江東区)に、女性たちのダイエットトレンドや好まれやすいダイエット食、それらがおよぼす健康効果などの知見をもとに、在宅勤務中におすすめの太りにくい間食やダイエット中におすすめの食べ方を聞いた。
【取材協力】
ウーマンズ
女性ヘルスケア市場専門の「リサーチ&コンサルティング」と「法人用ニュースサイト運営」を行う女性マーケティング会社。「多くの企業とともにつくる女性のためのヘルスケア社会」の実現を目指し、ダイバーシティな女性たちの声を企業・業界・社会に届け続けています。日々の基礎業務はヘルスケアトレンドや健康問題、女性の健康行動や消費行動に関するリサーチ・分析。
https://www.womans-jp.com/
間食におすすめの市販品!目的別の選び方
まずはおすすめの市販品を目的別に挙げてもらった。
1.口さみしいとき
例:おやつ昆布、スルメ、ガム、こんにゃくゼリーなど
低カロリーで咀嚼回数が多い食品や食べ応えがあるもの。
2.小腹がすいたとき
例:ドライフルーツ、果物、おにぎりなど
きちんとお腹を満たすために、糖質を含む食品がおすすめ。ただし、良質の糖質を含んでいるものや、ビタミン・ミネラルも同時摂取できるものを。砂糖は避けて。
3.肉体改造をしているとき
例:チーズ、ヨーグルト、ゆで卵、プロテインバー、プロテインドリンクなど
ダイエット中、かつ肉体改造しているときのおすすめは、ボディライン作りのために、タンパク質を摂取できる食品。最近は、プロテインバーなどタンパク質を訴求したおやつが増えているので、コンビニやスーパーで手軽に手に入る。
4.甘いものをとにかく食べたいとき
例:低糖質パン、低糖質クッキー、低糖質チョコ、低糖質ケーキなど
ダイエット中とはいえ、甘いものやダイエットに悪そうなものをがっつり食べたいときもあるもの。そんなときのために、自宅にストックしておくと便利なのが、低糖質スイーツ。クッキー、生チョコ、ケーキなど色々あるので、好みのものを選んでみて。
5.単なる空腹のとき
例:鮭入りおにぎり+サラダなど
何かを食べたくなったとき、それはお菓子欲なのか、単純な空腹なのかを見極めることも、ダイエット中に大事なスキル。今日1日たいして食べておらず、単純にお腹が空いているだけなら、お菓子ではなく普通の食事を。ただし糖質だけの摂取に偏らないよう注意。全体ボリュームは小さくても、おかずとセットで食べるように。
さっと作れる手作り間食
続いては、在宅勤務のかたわら、休憩中などにさっと手作りできる”超”簡単な手作り間食を挙げてもらった。
1.くるみ+はちみつ
くるみにはちみつをかけるだけ。甘いけど体に良い組み合わせ。
2.バナナアイス
バナナを凍らせるだけ。凍らせると、食べ応えが出て満足度もアップ。
3.機能性チョコ+ナッツなど
機能性チョコレートを、ナッツやドライフルーツなどと一緒に食べると、チョコの食べすぎ防止に。チョコを罪悪感なく食べるお手軽な方法。
4.しいたけ+とろけるチーズでフェイクピザパン
満足感のあるおつまみ系おやつ。レンチンで作れる。低カロリーだけど美味しくて満足度が高い。
5.ミューズリー+豆乳+黒糖
満足感のあるトレンド系おやつ。ミューズリーは、日本で販売されているシリアルのように砂糖がかかっていないのでダイエットにおすすめ。国内での販売はまだ少なく高価だが、最近人気。自然な甘さを出すために黒糖やはちみつをかけると食べやすい。
ダイエット中におすすめの間食の時間帯と食べる量
これらの間食、ダイエット中はいつどのくらい食べるのが良いだろうか。おすすめの時間帯や食べる量を聞いた。
●食べる時間帯
「食べたものが脂肪に変わりづらい時間帯は14~15時頃というのは、ダイエッターにはよく知られていますが、注意したいのは、これは、昼食を12時頃にきちんととっていることが前提条件であるということ。例えば昼食が14時でその直後に間食をとると、昼食後の血糖値が高い状態でさらに間食で血糖値を上げてしまうので、太りやすくなります。
間食をとるなら、昼食をきちんと12時頃にとること。そして、その時間にお腹がきちんと空くようにするためには、朝食も遅くならないようにすることが大事です。
午前中に間食をとるなら、これも、朝食直後ではなく、最低でも朝食から2ー3時間経過してからがベターです」
●食べる量
「間食の目安は200kcal/日。普段の間食がそれ以上、あるいは、200kcalではまったく物足りないのであれば、1日の食事量が少ないために慢性的に空腹になっているのか、あるいは食事時間が不規則で空腹を感じる時間が長いのかもしれません。
200kcal/日を守るコツは、朝食・昼食・夕食の適正量の維持と、食事と食事の間隔を長く空けすぎないこと。ただ単に『間食の量を減らす』という、我慢をベースにした減らし方はストレスがたまって長続きしません。間食の適正量を守るには、普通の食事で必要量を守れているかを見直すほうが先決です」
ストレス食いの対策
ストレスも間食に手が伸びやすくなる原因といわれる。ストレスとはどのように付き合っていくべきか。
「やたらと間食に手が伸びるのは、脳を使って疲れているとき、仕事に行き詰まっていたり、悩みごとを抱えていたりするときなど、脳やメンタルに負担がかかっているときではないでしょうか。在宅勤務になって間食が増えたと自覚しているなら、仕事環境の変化や、在宅勤務により返って長時間労働になったなど、普段よりも強い脳疲労を起こし、ストレスがたまり続けているのかもしれません。
在宅ワーカーがストレス食いを減らすには、ストレス解消が一番の近道。一番のおすすめは、習慣的に屋外で体を動かし、『脳』ではなく『体』を適度に疲れさせること。太陽の光を浴び風に当たることでできる気分転換は、習慣的なお菓子欲を低減させるといわれます。脳の疲れはお菓子への欲を高める一方で、体の疲れは正常な空腹を引き起こし、お菓子ではない普通の食事への欲求を高めることも、おすすめの理由です。実際に、デスクワーク中は間食が多いのに、屋外でスポーツを楽しむ休日は間食が少なくなる、という経験者は多いのでは?
在宅勤務になり、さらに外出自粛で家にこもることが増えたことで、脳とメンタルが疲れている人が増えています。ぜひ、屋外で外の空気に当たりながら体を動かしてみてください。本格的なスポーツではなくても、軽いジョギングやサイクリングでもOKです」
在宅勤務中の間食についてのヒントを紹介した。間食欲をうまくコントロールしながら、賢く間食をしてコロナ太りを回避しよう。
取材・文/石原亜香利