「住みたい街」に関する調査は数多く行われているが、実際に住んでいる人々がその街に対してどのように感じているのかについては、大規模な調査はほとんど行われていない。
大東建託は、人々が住まいを選ぶ時に、実際に住んでいる人たちの評価を聞きたいというニーズがあり、そうした情報を提供することが人々のより幸福な住生活に繋がると考え、「いい部屋ネット 街の住みここちランキング2019」を実施している。今回同社からランキングにおける総評レポートが発表された。
184,193人に聞いて判明した「住みここちが良い街」の特徴とは?
1.住みここちが良いのは生活利便性と住環境が両立する場所
大都市の街(駅)では、住みたい街ランキングの上位にランクインする知名度の高い街よりも、ターミナル駅から少し離れた、静かな住環境と生活利便性が両立している街の住みここちが良い傾向がある。
〈例〉首都圏版TOP3の広尾駅(東京)・市ヶ谷駅(東京)・北山田駅(神奈川)、関西版TOP2の夙川駅(兵庫)・南森町駅(大阪)、東海版トップの星ヶ丘駅(愛知)など
また、地方の街(駅・自治体)では、生活利便性が良い中心部と、近郊の新興住宅地の住みここちが良い傾向に。
〈例〉福岡県版トップの六本松駅、宮城県版トップの勾当台公園駅、5位の長町駅、北海道版トップの西28丁目駅、3位の大麻駅など
2.地方では合併しなかった街と新興住宅地が高評価
地方の街(自治体)では、合併しなかった街の住みここちが良い傾向がある。
〈例〉石川県版トップの野々市市、宮城県版トップの富谷市、愛媛県版トップの松前町など
3.住みここちと人口増加には、高い相関関係がある
住みここちの良さと人口増加には、明らかな相関関係。住みここちの良い街(自治体)では、住宅供給が盛んで、それが人口増加を支えている側面があると考えられる。一方、住みたい街の得票率と人口増加率の相関関係は比較的低くなっている。
〈例〉全国版2位の東京都中央区、全国版4位の大阪府大阪市西区など
住みここちの良い街は、人口が増加している傾向にある
30名以上の回答が得られた全国987自治体の人口増加率と住みここちの偏差値を分析すると、高い相関関係が高い。このことは、街の住みここちを向上させることで、人口増加につながる可能性があることを示唆している。
首都圏145自治体の人口増加率と住みたい街(自治体)の得票率を分析すると、住みたい街は知名度の高い一部の街に得票が集中しており、人口増減率との相関関係はかなり低い。全国には、まだまだ知られていない住みここちの良い街がたくさんある。
構成/ino.