「猫の目」10の秘密
1.猫は、(体に対して)めちゃくちゃ眼球が大きい!!
人間の眼球の直径は平均して約2.5cmですが、猫は約2.2cmと、人間とあまり変わりません。人間の顔の1/4くらいの大きさの顔のなかにおさまっていることから考えると、猫はすごく目が大きいことがわかりますよね。
2.猫の目は、ちょっと出っ張っている
猫の目は、同行の角膜部分が湾曲して、前に少し出っ張っています(眼球を横から見るとわかります)。
3.猫は、人間の1/6の光で物が見える
猫は夜行性のため、まったくの暗闇でない限り物が見えます。夜、電気を消した家の中でも自由に行動できるのは、人間の1/6の光で物が見えるからです。猫の眼球を調べると、光の少ない環境で物を見る時に働く細胞が、人間の6倍あるそうです。また目の奥の壁が、タペタムと呼ばれる光を反射する鏡のような細胞で埋め尽くされていて、そのために網膜を通じて入ってきた光が一切無駄にならないからです。
4.瞳孔の拡大率は人間の20倍
明るい場所では縦長になっている猫の目も、暗い場所ではほぼ円形になります。最小に狭まった時と最大になった時の面積の差は約300倍。人間も、明るい場所では瞳孔が縮みます。これは紫外線で網膜が傷つくのを防ぐため。とはいえその差はせいぜい約15倍。猫の20分の1程度なのです。
5.とはいえ、昼間は人間より目が見えない
夜は目がきく猫も、日中はそれほどではなく、あまり細かいところまでは見えていません。これはやはり猫が本来夜行性で、昼は寝て過ごしていた名残りです。
6.人間より鮮明に見えてないが、動体視力は上
解剖学的な見地から見ると、猫の目には鮮明に見えるための細胞が人間より少なく、人間ほど周囲がはっきり見えていないと推察されます。ところが動きを追いかけるための細胞は多いので、動体視力は上だと考えられています。
7.瞳孔が広がった猫には注意
獣医は大学の授業の早い段階で、「瞳孔が広がった猫には注意しろ」と教えられるそうです。というのも、猫は脅威や恐怖を感じると逃げるために、瞳孔を広げてとりいれる光の量を増やし、視界を鮮明にするからです。つまり、猫の瞳孔が広がっているとき、猫は痛みを感じていたり、急にジャンプする前触れだったりするので、注意が必要なのです。
8.瞳孔が縦長になるメリット
猫は、瞳孔を縦長にすることで獲物までの距離を正確に把握できると考えられています。
9.猫の目の色が違う理由
明るいところでは、ほとんどの猫の白目の部分は緑色ですが、シャム猫は黄色に光ります。これは、網膜の色素量と、目の奥の壁にあるタペタムに含まれる亜鉛などの成分量のため。青い瞳の猫の場合、このタペタムがまったくない猫もいるそうです。
10.猫の目のシステムを利用した夜間標識
道路のセンターラインに、夜も光る鋲(びょう)があるのを見たことはありませんか? これは車のヘッドライトを反射して光る仕組みで「キャッツアイ」と呼ばれていますが、開発者は猫の目が暗闇で光を反射するメカニズムを参考に、この装置を設計したそうですよ。
参考資料/「ねこの事典」(監修/今泉忠明、成美堂出版)「猫の心と通じ合う技術」(サリー・モーガン著/得重達朗訳/エクスナレッジ)
文/桑原恵美子(PETomorrow編集部)
構成/inox.
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